場末の雑文置き場

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「ワンダーウーマン」にモヤモヤ

2017年08月24日 | ジェンダー・家族等

「ワンダーウーマン」が女性に支持されているようなんだけど、私はあれを素直に肯定する気持ちにはなれない。

まず、主人公のコスチュームの露出度の高さがどうしても気になってしまう。ゲームでもそういう傾向が強いけど、男性ヒーローは全身を覆うスーツなのに、どうして女性にはすぐあんなものを着せようとするんだ? 戦闘に支障が出るだろうに。

女性のスーパーヒーロー、という一点だけはフェミニズム的と言えるかもしれない。でもそれ以外の部分がなあ。主人公は白人の、スタイルのいい美女。すごく強いのに、わりとスレンダー。そして恋愛要素もあって、相手は男性、そして白人。従来の型通り。ちっと進歩的じゃない。

そしてなによりも問題なのが、主演のガル・ガドットがシオニストであること。

役と役者は別物だと基本的には思ってる。悪役をやったからといって役者本人まで嫌うような人が実際いるけど、そういう人は私だって苦手だ。
でも主演俳優は作品の顔だからな。映画がヒットすれば、それだけガル・ガドットの影響力だって増すだろう。
それに「自分は」ガル・ガドットとワンダーウーマンを同一視しないとしても、子供たちはどうかな? ガル・ガドットを正義の味方として見る可能性は非常に高いのでは?

ハリウッドにおけるイスラエルの影響力の大きさの問題も無視できない。イスラエル批判はタブーで、これをやったら仕事を干される世界だと聞く。実際、ペネロペ・クルスとハビエル・バルデム夫妻がガザ攻撃を批判して映画会社数者からブラックリスト入りさせられたこともあった。
そんなハリウッドで、世界を守るスーパーヒーローをシオニストが演じることの意味を考えると、「役と役者は別」で片付けられる問題では決してないんじゃないの?

普段ジェンダー問題について真面目に考えている方々が「ワンダーウーマン」にわりと好意的な感じなのがモヤモヤする。本当にあんなものを? って正直思う。
「ワンダーウーマン」をフェミニズムのアイコンみたいに持ち上げてほしくない。単なる一娯楽作品扱いだったら、多分ここまでは気にならなかったんだけど。

フェミニズムとシオニズムは共存できないものなのかは、私にはわからない。でも、自分たちに向けられた差別や抑圧には反対するけど、自分たちとは関係のないものに向けられた差別や抑圧は許容する、どころかそれを含むものを積極的に支持しさえする、みたいな態度は不誠実だと思う。シオニズムは明確に悪だし、「イスラエルもパレスチナもどっちもどっち」なんて言ってる冷静で中立的なつもりの人たちを見るととても残念な気持ちになる。

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