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トニママ ジャーナル

カリフォルニアより自閉症と音楽と私の日々

ITP (個別移行計画)

2007-07-26 | Weblog
ITP(個別移行計画)の講演会を聞きに行ってきました。
学齢期から青年期(高校、その後)へスムーズに移行していけるためのサポートプランについてです。

障害児枠にいる学生が16歳になると受けることが義務づけされているこの移行プログラムは、職業訓練、生活スキル、大学進学、社会参加、など目的として、個々の生徒の能力を査定し、どの道をどう進んでいくか具体的に計画します。

いわばIEP(個別教育計画)の成人自立編というところでしょうか。

Be realistic(現実的になれ)、子供のことを一番知っている親にとっては、これが難題なのです。

車が好きな子の親は、車関係の仕事が絶対に向いていると計画する。
ところが実際に職につくと、その現実とのギャップに仕事が続かない。

勉強ができる子の親は大学進学を希望する。
でも子供は”なぜ大学へ行かなければいけないの?”と言う。

講演会のスピーカーが、熱心な親達を前にオブラートで包むように遠まわしにBe realisticの真意を訴えているのが私には伝わってきました。

親はどうしても理想や希望をかわいい子に託してしまいがちです。

じゃあ放任がいいの?何でも好きなようにさせて放っておけばいいの?
と極論になってしまうのも親。

スピーカーのサイコロジストは、「両極端の親がいるようですが、そのサジ加減を個々にあわせて、より効果的に計画するのがITP(個別移行計画)です」と言いました。

Be realistic、親にとっては酷なメッセージかもしれません。
でも一生涯この障害と共に生きるトニーにとっては、サポートなしでの自立は不可能です。

職を得ても、ジョブコーチが必要でしょう。
グループホームに住むにしても、24時間サポート体制が必要でしょう。

彼らにとっての自立とは、サポートがあってこその自立です。

Independence but not alone(自立、でもひとりでの自立ではない)、このことを胸に、近い将来やってくるITP(個別移行計画)に臨む決心をしたのでした。