ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

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教育の広場、第 222号、ニセのアンケート

2006年01月23日 | 政治関係
教育の広場、第 222号、ニセのアンケート

  (2006年01月23日発行)

 アンケートは多くの所で行われています。しかし、ニセのアンケ
ートも多いのではないでしょうか。本当のアンケートとニセのアン
ケートを考える手掛かりにと思い、浜松市のアンケートについて市
長に送ったメールと、それに対する市長の返事を載せます。

   1、市長へのメール

北脇市長殿

まもなく終わりますが、11月は「市民への約束」評価月間でした
。この評価のアンケート用紙にはその趣旨が次のように書いてあり
ます。

・・浜松市役所では、皆様の声をサービスの向上につなげたいと考
え、今月〔11月〕1ヵ月間を「市民への約束」評価月間としてアン
ケートを実施しております。/ 今日、訪問された課(施設)の職
員の対応について「市民への約束」が実施されているか、下記の項
目にお答え下さい。・・

 つまり、これは「課(施設)の職員の対応」についてだけ、即ち
現場の職員についてだけ、「市民への約束」が実行されているか否
かを聞くものです。しかるに、「市民への約束」(平成12年4月1
日発表)には次のように書いてあります。

・・私〔北脇市長〕は、市長就任にあたって、「公平公正で開かれ
た市政」、「市民に対するサービスとしての市政」を基本方針とし
て掲げました。

これを実行するためには、市職員の意識改革に取り組み、いわゆ
る「お役所仕事」をなくして行かなくてはなりません。市職員一人
ひとりに、市民の声に耳を傾け、市民とともに考える姿勢を徹底す
る必要があります。

また、コスト意識、時間意識を徹底し民間と同じベースに立って
仕事をしなければなりません。「官尊民卑」の発想から抜けきれな
かったり、法律・制度を機械的に当てはめてそれでよしとするよう
なことではいけないと考えます。

たとえ小さなことでも市民の皆さんからの要望や苦情の中に、市
政を良くする大きな鍵があります。私は、皆さんの声にこたえて市
政の改善を積み重ねることにより、皆さんと市役所の間に強い信頼
関係を築いていきたいと思います。

以上述べた市職員の意識改革の方針を明確にするために、このた
び市では次のとおり市民の皆さんへの「約束」を決めました。今後
、庁舎内の見やすいところに掲示し、常に皆さんのチェックを受け
ながら改革に取り組んでいく決意ですのでよろしくお願いいたしま
す。・・

 つまり、この「約束」は市の職員全員のものなのです。そうする
と、現在行われている「現場の職員だけ」を問題にするアンケート
は間違いだと分かります。
 そもそも市政は市長をトップとする市職員全員が集団として行う
ものです。しかし、その集団の中には役割分担があり、指導性に関
する権限の違いがあります(それは端的に給与に反映されています
)。下の者は上の者の定めた枠組みの中で仕事をするのです。です
から、上の者の定める枠組みが不適当だった場合には、下の者はや
る気が起きないし、どんなに努力しても市政を少ししか改善できな
いわけです。つまり「組織はトップで8割決まる」のです。

ですから、「約束」の評価においてもトップたる市長から順に教
育長、助役、収入役、校長、総合事務所長、部長、等々と下りてき
て、最後に現場の職員を問題にするのでなければならないと思いま
す。

北脇市長は「理論志向が強い」そうで、「体系的、理論的な市政
運営を目指している」そうですが(9月30日付けの市のメルマガに
よる)、これこそが体系的で理論的な市政運営なのではありません
か。ということは、市長の今回の(これまでの)アンケートは全く
その「体系的で理論的な市政運営」の逆で、「現場の職員を隠れ蓑
にして幹部が高給と安逸を貪(むさぼ)る」間違ったアンケートだ
ということになります。

以上。市長の反省と真のリーダーシップを求めます。

 具体的な提案をします。
 次の項目についてアンケートを取り直して下さい。

 1、北脇市長は、市民からの意見に対して、自分では答えずに担
当課に丸無げしていますが、このようなやり方は「さわやかな説明
の約束」と一致していると思いますか。

又、11月5日付けの広報に発表されました「市職員の給与のあら
まし」で、市職員の給与の本当の姿が分かりましたか。それが適当
か否かが判断できましたか。市職員の平均年俸は約 700万円らしい
ですが、これは適当だと思いますか。

又、市職員の互助会への補助金が1億 550万円でペルー人学校へ
の補助金が 145万円なのは、「柔軟性の約束」を守ったことになる
と思いますか。

又、市の本庁の部長15人の内、女性部長はたった1人ですが、こ
れは「男女共同参画社会」と一致すると思いますか。

 2、土屋教育長は、平成12年1月に就任して以来今年(平成17年
)の8月までホームページに「教育長のページ」を作らず、8月に
ようやく作って3つの「話」を載せましたが、その後は全然更新し
ていません。これは「説明の約束」と一致すると思いますか。

愛知県小牧市の教育長が頻繁に種々の考えを発表して教育界を導
いているのと比べて評価して下さい。その際には、小牧市の教育長
の文章と比較して浜松市の教育長の「話」の文章が「最少経費・最
大満足」の約束になるかも評価して下さい。教育長の年俸は本給と
ボーナスだけでも約1330万円です。

 3、2人の助役(宮本武彦、木本陽三)と収入役(豊田哲男)は
、その仕事が「市役所内部での調整事務」だからという理由で、ホ
ームページの中に自分のコーナーを作っておらず、何も発言してい
ない「物言わぬ助役(収入役)」ですが、これは「説明の約束」を
果たしていると思いますか。

長野県庁のホームページを見ますと、各段階の幹部が顔写真入り
で経歴を載せ、自分の考えを「コメント」として載せているのと比
べて評価して下さい。
 ちなみに、助役の年俸は本給とボーナスだけでも約1560万円です
。収入役の年俸は本給とボーナスだけでも約1330万円です。

 4、浜松市立の学校の校長で自分の考えを積極的に発表している
人はほとんどいないと思いますが、これは「さわやかな説明の約束
」を果たしたことになると思いますか。

愛知県小牧市の光が丘中学の校長と比較して、これで安心して子
供を学校に預けられるかどうか、評価して下さい。

 5、各総合事務所は独自のホームページを持っておらず、事務所
長の顔写真も考えも発表されていませんが、これでクラスター型と
言えると思いますか。先の長野県庁の各級幹部のあり方と比較して
評価してみて下さい。

 6、部長についても助役や収入役と同様、その仕事が「市役所内
部での調整事務」だからという理由で、ホームページ上に何の発言
もありません。これで「説明の約束」を果たしていると思いますか
。長野県庁のホームページでは課長クラスでも顔写真入りでコメン
トを発表しているのと比較して評価して下さい。

 このアンケートでやり直して下さい。 2005年11月30日


   2、市長からの回答

 先日拝見しましたメールにつきまして,市としては以下のとおり
考えております。今後ともよろしくお願いいたします。
                    浜松市長 北脇 保之


 市長へのご意見箱のメールにお答えします。

 市民への約束評価アンケートは、ご承知のとおり11月1か月間
を「市民への約束評価月間」として位置付け、この間に市役所庁舎
や施設などにお見えの市民の方に、実際に対応した職員の応対を「
市民への約束」の5つの観点から評価をいただいております。

 そして、それを集計することによって、この「市民への約束」が
浜松市役所においてどの程度浸透しているかを見るための資料とす
るものです。

 そして、この結果を踏まえ、各職場ごとに市民に対する姿勢の見
直しを行い、個々の意識を高めながら市役所全体で「市民への約束
」の実現に向けて取組んでいくものです。

 このたびは、この評価月間アンケートで市の個々の事業等に対し
ての評価やまた各職員一人ひとりの個別評価をとのご提案をいただ
きました。

 ご指摘いただきましたように、市政は市長をトップとする、市職
員全員が集団として行うものであることから、個々の評価の積み重
ねによる各職員の評価は、所属長の、また全体の評価結果は市長の
評価であるとの認識のもと、評価アンケートを実施しておりますこ
とをご理解いただきたいと存じます。

    2005年12月14日、浜松市 総務部 人事課