ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

教育の広場、第61号、政権交代こそ民主主義の基本

2006年01月26日 | サ行
 政権交代のあるのが民主政治の基本だと思います。それなのに、戦後実質的な政権交代のない国は、先進国の中では日本だけだと言れています。つまり日本は本当には民主主義国ではないのです。

 自民党政権で安定していたことが日本の経済発展を可能にしたのだという議論もあるようです。

 実際、多くの日本人はやはり自民党政権で、その不適当な所を野党の力で是正すればいいと思っているのではないでしょうか。

 しかし、なぜ政権交代が必要なのでしょうか。それは、同一政権が長く続くと、経済界や行政(役人)との腐れ縁が出来てしまって、政治が停滞するからだと思います。その腐れ縁を断ち切って新風を吹き込むには、同じ政権の下での改革では不可能で、政権を変えなければならないからだと思います。

 今の日本の政治を改革するには何が必要かと考えてみますと、いろいろな事があるでしょうが、行政改革は絶対に必要な事の1つだと思います。

 今年(2001年)の1月から省庁改編とかいって2つか3つの省庁を合わせて巨大な省庁にして数だけ少なくしたようです。しかし、これが本当の行政改革だと思っている人はいないでしょう。

 本当の行政改革とは、役人の数を半分くらいに減らして1人1人がしっかり働くようにし、不正をなくすことだと思います。

 日本の行政の腐敗とは公務員が「全体の奉仕者」(憲法第15条)になっていない点にあるのだと思います。

 そしてこの本当の行政改革をするには、政権を交代させるしかないのです。たしかに政権が交代したからといって、行政が完全によくなるわけではありません。しかし、同一の長期政権よりはきれいな掃除が出来ると思います。

 では今の日本に政権交代の可能性があるでしょうか。ないと思います。民主党は政権を取ると言っていますが、実現の可能性があると思っている人は少ないでしょう。

 どこに問題があるのでしょうか。政権担当能力を作っていこうという計画性が見られないことだと思います。

 私見では、野党は政府の政策の1つ1つに対して対案を出していかなければならないと思います。そのためには第1に、「影の内閣」を作り、影の大臣を作ることが必要だと思います。

 今の野党を見ると、民主党には「ネクスト・キャビネット」がありますが、1つ1つの問題で「ネクスト大臣」が実際の大臣に対抗するといった話は聞いたことがありません。党首討論があるだけです。

 第2に、政府の「審議会」に対しては、協力者を募って自分たちの審議会を作って対抗しなければならないと思います。この点は気づかれてもいないようです。教育改革国民会議に対して「教育改革市民会議」を作れと私が提案しても、何の返事もないくらいです。

 第3に、このようにして各部門のスペシャリストを養成して役人に対抗するくらいの行政知識を持たなければならないと思います。実際、日本の政治の多くの部分は事実上役人が担っているのです。役人は選挙で選ばれていません。これではおかしいと思います。細川内閣が自民党政権にとって代わっても、行政の能力が乏しかったので、やはり事実上の役人支配は変わらなかったと言われています。

 というわけで、私は野党が影の内閣を作り、影の大臣を作って、1つ1つの問題に対して政府に対抗していくことを希望します。

 その手始めに政府のメルマガに対抗して各野党はメルマガを発行するべきです。政府のタウンミーティングに対抗して、各地で国民と対話する車座集会(この言葉は田中長野県知事の特許かな?)を開くべきだと思います。

(2001年12月05日発行)

     追伸

 台湾と韓国は日本より遅れて民主化しましたが、その後日本より先に「本格的な政権交代」を経験しました。その意味で、日本は台湾と韓国より遅れてしまったわけです。

 2009年08月の今、遂に、ようやく、日本でも政権交代が実現しそうな情勢です。
日本の民主主義もようやく独り立ちできそうです。

 この次は一人一人の国民の政治的自立力を強めることが課題となるでしょう。そのためには、一人一人が政治について学んだこと、考えたことを、このようにブログにまとめていくことでしょう。

 日々の努力だけが人間を成長させるのです。(2009年08月24日)