(2004年)07月11日、第20回参議院議員選挙が行われました。自公連立与党が何とか安定多数を確保したようです。
今回の選挙について1つだけ述べます。
それは、与党は自民党と公明党とが協力したのに、野党は民主党と社民党と共産党との協力が極めて少なかったということです。そして、この事がその分だけ政権交代を遠ざけたということです。そして、この事の原因は社民党と共産党が政治的にコドモだという点にある、ということです。
今回の参議院選挙の結果について1人区だけで見てみますと、共産党はともかくとして、社民党が民主党を応援したら民主党が議席を取った(従って自民党が議席を取れなかった)であろう選挙区が4つあります。山形県と富山県と徳島県と香川県です。
社民党が民主党に協力したら、民主党が議席を取れたかもしれないと思われる選挙区も4つあります。鳥取県と山口県と佐賀県と熊本県です。
後者は除いて前者のほとんど確実に逆転していたであろう4つを逆転して計算しますと、自民党は45議席になり、民主党は54議席になります。
これなら民主党の大勝で、小泉首相は退陣していたでしょう。従って、次の総選挙は近づいていたでしょう。
ではなぜ、社民党(共産党も同じ)は民主党に協力しないのでしょうか。民主党に協力すると自党の存在感が薄れるからであり、民主党の憲法観に賛成できないからであり、消費税引き上げに賛成できないからだそうです。これらの点を憲法第9条で代表させますと、要するに、民主党に協力したのでは憲法第9条を守れないからであり、民主党と自民党は同じだからだと言うのです。
では、民主党に協力しないで、独自に戦って「憲法第9条を守れる」でしょうか。否。社民党の議席は変わりませんでした。共産党は大敗しました。
どこに間違いがあるのでしょうか。公明党を見るといいでしょう。公明党は自民党に協力しながら、自党の存在感をどんどん高めています。今回、自民党に恩を売ったために、自民党の憲法改正と教育基本法改正はその分だけやりにくくなったと言われています。
つまり、選挙では、政権に対する態度が根本であって、それ以外の点は二の次、三の次なのです。社民党と共産党に分かっていないのはこの点なのです。公明党が心得ているのはこの点なのです。これがコドモと大人の違いです。
小選挙区の比重が高まり、二大政党時代になった今、選挙は常に政権維持か政権交代かが根本問題なのです。その時、どちらかと組まなければ自党の存在感を出すことは不可能なのです。大政党と組んで自党の存在感が薄れたとするならば、それは大政党と組んだからではなくて、自党の組織のあり方が間違っているからなのです。
現在の日本の政治では政権交代が最大の課題であり、これに比べたらほかの問題は小さな事柄です。この事については既に本メルマガ第 141号「政権交代はなぜ必要か」(2003,09,25配信)で詳論しました。私は決して民主党支持者ではありませんが、今回も民主党に入れました。
政策的には社民党が正しいと思います。正しいで悪ければ、私の考えと一致します。憲法第9条を守れということも、自衛隊は憲法違反だということも、国民全員に月8万円の年金を保障せよということも、皆賛成です。
しかし、私は社民党には入れませんでした。なぜなら、社民党の考えは中学生の社会科のレポートみたいなものだからです。被選挙権のない党に投票することはできません。
確かに憲法改正の足音は高まっています。だからこそ、それに現実的に対処することが必要なのだと思います。ドイツのみどりの党は社民党と協力しながら政権につきました。なぜ日本の社民党に同じ事が出来ないのでしょうか。それはただ、社民党の人々、特にその指導者がコドモだからだと思います。
次の総選挙までに社民党の中にこういう大人の考えが根づくことを願っています。
なお、昨年(2003)年11月の総選挙でも共産党が民主党に協力していれば政権交代が実現したという説があります。一応これをお断りしておきます。
(2004年07月14日発行)
今回の選挙について1つだけ述べます。
それは、与党は自民党と公明党とが協力したのに、野党は民主党と社民党と共産党との協力が極めて少なかったということです。そして、この事がその分だけ政権交代を遠ざけたということです。そして、この事の原因は社民党と共産党が政治的にコドモだという点にある、ということです。
今回の参議院選挙の結果について1人区だけで見てみますと、共産党はともかくとして、社民党が民主党を応援したら民主党が議席を取った(従って自民党が議席を取れなかった)であろう選挙区が4つあります。山形県と富山県と徳島県と香川県です。
社民党が民主党に協力したら、民主党が議席を取れたかもしれないと思われる選挙区も4つあります。鳥取県と山口県と佐賀県と熊本県です。
後者は除いて前者のほとんど確実に逆転していたであろう4つを逆転して計算しますと、自民党は45議席になり、民主党は54議席になります。
これなら民主党の大勝で、小泉首相は退陣していたでしょう。従って、次の総選挙は近づいていたでしょう。
ではなぜ、社民党(共産党も同じ)は民主党に協力しないのでしょうか。民主党に協力すると自党の存在感が薄れるからであり、民主党の憲法観に賛成できないからであり、消費税引き上げに賛成できないからだそうです。これらの点を憲法第9条で代表させますと、要するに、民主党に協力したのでは憲法第9条を守れないからであり、民主党と自民党は同じだからだと言うのです。
では、民主党に協力しないで、独自に戦って「憲法第9条を守れる」でしょうか。否。社民党の議席は変わりませんでした。共産党は大敗しました。
どこに間違いがあるのでしょうか。公明党を見るといいでしょう。公明党は自民党に協力しながら、自党の存在感をどんどん高めています。今回、自民党に恩を売ったために、自民党の憲法改正と教育基本法改正はその分だけやりにくくなったと言われています。
つまり、選挙では、政権に対する態度が根本であって、それ以外の点は二の次、三の次なのです。社民党と共産党に分かっていないのはこの点なのです。公明党が心得ているのはこの点なのです。これがコドモと大人の違いです。
小選挙区の比重が高まり、二大政党時代になった今、選挙は常に政権維持か政権交代かが根本問題なのです。その時、どちらかと組まなければ自党の存在感を出すことは不可能なのです。大政党と組んで自党の存在感が薄れたとするならば、それは大政党と組んだからではなくて、自党の組織のあり方が間違っているからなのです。
現在の日本の政治では政権交代が最大の課題であり、これに比べたらほかの問題は小さな事柄です。この事については既に本メルマガ第 141号「政権交代はなぜ必要か」(2003,09,25配信)で詳論しました。私は決して民主党支持者ではありませんが、今回も民主党に入れました。
政策的には社民党が正しいと思います。正しいで悪ければ、私の考えと一致します。憲法第9条を守れということも、自衛隊は憲法違反だということも、国民全員に月8万円の年金を保障せよということも、皆賛成です。
しかし、私は社民党には入れませんでした。なぜなら、社民党の考えは中学生の社会科のレポートみたいなものだからです。被選挙権のない党に投票することはできません。
確かに憲法改正の足音は高まっています。だからこそ、それに現実的に対処することが必要なのだと思います。ドイツのみどりの党は社民党と協力しながら政権につきました。なぜ日本の社民党に同じ事が出来ないのでしょうか。それはただ、社民党の人々、特にその指導者がコドモだからだと思います。
次の総選挙までに社民党の中にこういう大人の考えが根づくことを願っています。
なお、昨年(2003)年11月の総選挙でも共産党が民主党に協力していれば政権交代が実現したという説があります。一応これをお断りしておきます。
(2004年07月14日発行)