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ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

教育の広場、第291号、耐震補強をどう進めるか

2007年07月23日 | 政治関係
教育の広場、第291号、耐震補強をどう進めるか

 2007年07月22日付けの朝日新聞の社説に次の文章が載りました。

   耐震補強、命を守る決め手だ

 地震で一番怖いのは、強い揺れで瞬時に家をつぶされ、その下敷
きになってしまうことだ。阪神大震災の死者の8割は建物の倒壊に
よる圧死だった。

 規模こそ違うものの、今回の新潟県中越沖地震でも同じことが繰
り返された。10人の犠牲者のうち9人が、壊れた建物に押しつぶさ
れて亡くなった。

 地震による犠牲者を少なくする決め手は、古い木造住宅を改修し
て補強することに尽きる。それが1995年の阪神大震災の教訓であり、
その年のうちに耐震改修促進法を制定した理由でもあった。

 ところが、肝心の耐震補強が思うように進んでいない。今回の地
震で被害が集中した柏崎市の場合も、この春から耐震補強の助成制
度を始めたが、申請はゼロだった。残念と言うしかない。

 進まない理由の一つは、耐震改修の基本方針づくりをしている国
土交通省の硬直した姿勢にある。

 現行の建築基準では、建築物に「耐震強度1以上」を求めている。
震度6の揺れでも倒れない強さである。国交省は「公金を投じる以
上、古い住宅でも改修後はこの基準を満たすものでなければならな
い」という。

 しかし、この基準に沿って補強をすれば、平均して百数十万円の
費用がかかる。所得の少ない家庭や年金で暮らすお年寄りには負担
しきれないのだ。

 耐震補強が進まないことに悩む自治体の間では、国交省の方針を
乗り越えて独自の支援を始める動きが広がっている。先陣を切った
のは東京都の墨田区だ。

 強度の足りないところに柱や筋交いを入れる。それで少しでも地
震に強い家にする。費用も数十万円ですむ。昨年から始めた簡易改
修の助成事業である。後に続く自治体が相次いだ。

 国内には強い地震に耐えられない住宅が全体の25%、約1千万戸
もある。中央防災会議は2015年までにこれを10%に減らす目標を打
ち出している。

 この目標を達成するためには、国と自治体がもっと柔軟な発想で
取り組む必要がある。補強が進まないうちに地震に襲われて犠牲者
が増えるようなことは、何としても防がなければならない。

 むろん、行政を批判すれば事足りる話ではない。防災の基本は自
助である。住民白身が「自分の命は自分で守る」という気概を持つ
ことが大切だ。

 その意味で学びたいのは、宮城県松島町の取り組みである。東北
工業大学の田中礼治教授らの協力を得て、3年前から中学生に住宅
の耐震診断のノウハウを伝授する授業を始めた。

 田中教授は「中学生を大人として扱い、防災の担い手にしたい。
授業は、親や祖父母との対話のきっかけにもなる」と語る。松島町
の試みは宮城県だけでなく、隣接県にも広がりつつある。

 私たちは、いつどこで地震に襲われてもおかしくない国に生きて
いる。命を守るために、さらに知恵を絞りたい。
 (引用終わり)


     感想

 1、関連する事情をまとめてくれたのには感謝しますが、具体策
を提示できないところに朝日新聞の限界が好く出ていると思います。

 2、要するに問題は、古い住宅を震度7でも倒れない(死なない
)ように耐震補強するのに、最低でも例えば50万円かかるというの
に、助成金が20万円しか出ないというのでは、その自己負担分の30
万円を出せない世帯が沢山ある、ということです(数字は仮のもの
、しかしかなり現実に近いと思います)。

 3、解決策は以下の3つしかないと思います。

 第1案・貧困を無くす。
 第2案・全額公費で出す。
 第3案・とにかく自己負担ゼロで解決する方法を考え出す。

 第1案は正道ですが、政権交代が実現しても出来るかどうか分か
りませんし、出来ても時間がかかるでしょう。

 第2案も今の財政でも可能だと思いますが、それを実行できる首
相が生まれるのを待っていることはできないでしょう。あるいは、
公務員の給与を下げれば出来ますし、特別行政法人などを正常にす
れば更に出来ると思いますが、それを実行できる政府を待っている
ことはできないでしょう。

 残るは第3案しかありません。ではどうするか。私の考えている
案の「1つ」を紹介します。

 朝日新聞の紹介する松島町の中学の取り組みは「耐震診断のノウ
ハウ」だけのようですが(電話で聞きましたが、役場も学校も詳し
い事を知らないようでした)、これを耐震補強工事まで含めるよう
にするのです。

 そして、中学生より高校生(女子を含む)を主体にするのです。
授業の一環にして好いと思います。

 自分の家だけでなく、危険性のあるすべての家屋を対象にするの
です。教育再生会議の提唱している道徳教育よりはるかに大きな教
育的効果すらあると思います。

 因みに、住宅の価格に占める材料費の割合は5分の1以下です。

 こういう記事で示されている耐震補強費用も内訳を精査する必要
があります。


     お知らせ(07月23日)

 本日2007年07月23日、以下のブログを更新しました。

 「国語辞書・マクシコン」の「壁」の項を書き直しました。

 http://blog.goo.ne.jp/maxikon2006/

教育の広場、第288号、浜松市長発言の検討

2007年06月25日 | 政治関係
教育の広場、第288号、浜松市長発言の検討

 情報紙「びぶれ」の2007年06月14日発行号に市長のインタビュー
記事が載っています。

 まずそれを全文引用します。

        記(記事)

 1、最も重要なのは人づくり

質問・マニフェストには「こども第一主義」「くらし満足度向上計
画」など魅力的な内容がいっぱいでした。すっご~く楽しみなんで
すが、これってホントに実現できるの?

市長・予算が伴わないことはすぐにでもできますよね。例えば、市
長退職金廃止案や市長公舎廃止案は6月の議会で早速出します。

 しかし、予算を伴ったり仕組みを大きく変えたりすることは、今
日言って明日できるようなものではありません。

 例えば「30人学級」の件も、いきなり全部の学校で義務教育が終
わるまで行うなんてことは不可能なわけです。まずモデル校を作っ
て実践して、そこでどういう効果が上がるかを検証していこうと。

 一方で浜松には補助教員を付ける「少人数指導」というものがあ
るんですね。30人以下の学級編成にしなくても同じ効果があるのか
どうか。並行してやってみて、比較検証していきたいと思います。

 マニフェストは多岐にわたるので、各部署と取り組みながら「来
年実現できること」「再来年、あるいはもう少し長いスパンで取り
組むべきこと」など、一つひとつやっていきたいと思います。


質問・子育てや子供の教育に力を入れようとしているのはなぜ?

市長・僕はやっばり子供が元気で健全に育つ環境を作っていかなく
ちゃいけないと思う。それは家庭であり、学校であり、地域であり、
社会であり。結局最後は人ですから。

 人づくりっていうのは僕は最も重要だと思うんですね。初議会の
あいさつの中で上杉鷹山公の話(※)を出しましたけれども、これ
はもう理想ですよ。

(※)うえすぎようざん。
 江戸時代中期の大名。徹底した行財政改革と産業振興により米澤
藩を立て直した。自身は教育に力を入れ人づくりを行った。「為せ
ば成る為さねば成らぬ、何事も成らぬは人の為さぬなりけり」とい
う青葉で有名。


2、山村型の政令市

質問・人づくりも大事なんですが、まちづくりはどうなんでしょ
う?特に中心街の活性化関連は?

市長・浜松の商店街は分散型。ご覧のとおり、郊外に大規模施設が
これだけたくさんあるところは珍しい、これは浜松の個性なんです。
浜松の場合、静岡と違って中心市街地を通って仕事に行ったり生活
をしたりする必要がない人が多い。

 じやあ、浜松のまち中をどうしたらいいかというと、大き過ぎる
中心市街地はいらないわけですよ。誰もそれを望んでいるわけじゃ
ない。

 だからもう1度中心市街地というもののありかたを考えていきた
い。それが「ゼロベースに戻す」という意味なんです。市民も参加
し、ものづくりのまちなんだから作り手の代表も参加してどうする
かを一緒に考えていかなければ。いろいろな意見が出てくると思い
ますよ。

 行政だけではだめなんです。


質問・でも、駅前は「市の顔」ですよね。ほかの政令指定都市を訪
れると「お~つ」って思うんですが、浜松の場合は~。

市長・だからタメなんです(きっぱり)。そういう考えだからタメ
なんです。

 浜松はどういう政令市なんですか?横浜や名古屋のように自然に
人口が膨らんで都市機能が拡充した「大都市型」の政令市ではない
んです。

 浜松は「人工的」な政令市。山村を取り込んで政令市になったん
です。「山村型政令指定都市」と言ったほうがいいのかもしれない。
面積の68%が山なんですよ。こんな政令指定都市はないです。そこ
のところを間違えちゃいけない。

 同じ政令指定都市という名前でも都市のあり方がほかとは全く違
うんですよ。だから浜松の中心部はどうあるべきか。大都市みたい
に大き過ぎる中心地は不要。コンパクトな中にどれだけ都市のにぎ
わいというものを演出していくか、という発想でいかないと。

 この前、ある大きな会社の社員の人に半分冗談で言ったんですよ。
「駅前に本社を持ってくれば必然的に人が集まって商業が活気付き
ますよ」って。そうしたら「勘弁してくれ。なんで俺たちの生活を
不便にしなくちゃいけないんだ」って。郊外型の生活に十分満足し
てるんですよ。

 じやあ、例えば浜松の中心市街地の駐車場を全部タダにしたら行
くのかって?僕は魅力がないと行かないと思う。多くの通勤者が通
る静岡と違って、浜松はわざわざ中心に行かなきゃいけない。その
ためには相当な魅力がないと。

 だから本当にどうあるべきかよ-く考えなきゃいけないんです。
発想を変えていかないと。


3、経済が元気にならないと

質問・いろんなことが改善されて新しい動きがあるのはウレシイけ
ど、それって税金が上がるってこと~?

市長・そこが大事なとこ。まずは徹底して行革をやります。行革と
は税金の使い方、お金の使い方を変えることなんですよ。

 そしてもう一つ大事なのがお金を稼ぐこと。その一つが企業誘致
です。浜松は放っておいてもいろいろな優良な企業が育って財政的
に恵まれてきた地域です。今の状態にあぐらをかいていたらこれか
らが大変、空洞化と言われるように企業がどんどん外へ出て行って
しまいます。

 今は都市間競争でどこもみんな優良企業や研究所がほしいんです。
雇用も促進されますし。そこで今まで培ってきたものづくりの土台
を大切にしながら新しい企業をどんどん引っ張ってきましょうよ、
ってことで企業誘致、立地対策の推進本部を作りプロジェクトを立
ち上げました。

 やはり経済が元気でないと、子育てをやろうとしたって福祉をや
ろうとしたってできませんからね。まず稼ぐことからやらないと。
そんなところから財源を確保していきたいと思っています。


4、浜松は豊かなまち

市長・浜松の売り出し方はいろいろ。いろんなものがあり過ぎるぐ
らいある本当に豊かなまち、だから売り出し方は一つじゃなくてい
い。

 例えば企業誘致にしても今までのように補助金を出さずに、「浜
松の住みやすさ」を前面に押し出してPRする方法もあると思うんで
す。気候が温暖で住みやすい。浜名湖もあるし山もあるしゴルフ場
もある。基本的な都市機能は完備しているし、東京や大阪も日帰り
できる。

 「こんな素晴らしいまちはないぞ、と。ここに進出しないでどこ
に行く?」ってね。


   びーの感想

 今まで「浜松は政令指定都市らしくないな~」と思っていたけど、
鈴木市長のひと言で日が覚めました。新しい発想、新しい市政~。
なんだか浜松も変わリそうでワクワク♪(引用終わり)


     市長発言について(その1)

 第1回としては、浜松市がどういう政令市かを取り上げます。

 市議会の質疑を聞いて鈴木恵市議がブログにこう書いています。

 「新市長にとって、初めての代表質問があり、答弁に立った。ど
の会派も「マニュフェストをどう実現化していくのか」「その手法、
財源、スケジュールはどうしていくか」に質問が集中した。

 私の理解の範囲では、「ひとつの浜松」も「クラスター型政令市」
もめざすところは同じだという意味の答弁だった。「ひとつの浜松」
としての一体感の醸成と地域の個性を活かす都市内分権を推進して
いくのだと。

 「あれ?そういう意味だったんですか?」(引用終わり)

 私も、言葉としては、市長の説明に賛成です。しかし、これでは
内容がありません。なぜでしょうか。

 合併後1年8カ月の北脇前市長の「クラスター型」の方法と結果
についての分析がなく、従ってそれに対する鈴木市長の具体的な対
案がないからです。

 そのために、「だから本当にどうあるべきかよ-く考えなきゃい
けないんです」などといつまでも総論にとどまっているのです。

 私はかつて選挙運動中に「北脇市長はなぜ変わったかのか」とい
う文章を発表して、政策を出す能力がなかったからだ、と結論し、
鈴木康友さんが市長になっても第2の北脇になる危険性がある、と
指摘しました。

 第2次行革審がこの点を補ってくれることを願っています。


     市長発言について(その2)

 「びぶれ」での市長発言の中に次の1節があります。

──しかし、予算を伴ったり仕組みを大きく変えたりすることは、
今日言って明日できるようなものではありません。

 例えば「30人学級」の件も、いきなり全部の学校で義務教育が終
わるまで行うなんてことは不可能なわけです。まずモデル校を作っ
て実践して、そこでどういう効果が上がるかを検証していこうと。

 一方で浜松には補助教員を付ける「少人数指導」というものがあ
るんですね。30人以下の学級編成にしなくても同じ効果があるのか
どうか。並行してやってみて、比較検証していきたいと思います。
 (引用終わり)

 こういう発言を聞くと、市長はこの件でどれだけの調査をしてい
るのだろうか、という疑問を禁じえません。

 まず、教育行政は教育委員会の仕事だと思いますが、教育委員会
とどれだけ話し合ったのでしょうか。

 そうすれば、担任が出来るが今はやっていない教師(たとえば教
頭など)も結構たくさんいることが分かるだろうと思います。

 第2に、浜松市の学級規模がどうなっているのか、教育委員会か
らその数字を聞いたのでしょうか。

 私が聞いたところでは、以下のとおりです。

     浜松市立学校の学級規模

 平成19年05月01日現在、普通学級の数。

 学級規模    小学校   中学校

全学級数    1479     592

複式学級数   29(2,0%)   0
30人以下    446(30%)   39(7%)
31~33人    393(27%)  119(20%)
34~36人    353(24%)  233(39%)
37人以上    258(17%)  201(34%)

 6月19日 浜松市教育委員会 教育総務課

 第3に、モデル校で「検証」するとか、少人数学級と「比較検証」
するとか、もっともらしい事を言っていますが、すでに他所で行わ
れている事例を研究して、自分はこの線で行くという方針を持って
いないのでしょうか。

 一体その「検証」をいつまでにやって、いつ市の方針を決めるの
でしょうか。日程は出せないのでしょうか。

 そもそも、学級規模の問題は本当に浜松市の教育にとって一番重
要な問題でしょうか。そういう事を言うのは重要な問題を上から3
つくらい挙げてからにしても遅くないと思います。

 こういうところを見ても、市長はどれだけ市の現状を調査研究し
ているのだろうか、と思います。

     市長発言について(その3)

 「びぶれ」での発言の最後に行革とは何かを考えたいと思います。

 市長はそこでこう言っています。「まずは徹底して行革をやりま
す。行革とは税金の使い方、お金の使い方を変えることなんですよ。」

 なにしろ「リストラ(再構築)」を「人員整理」の意味にねじま
げて平気でいる国民ですから、市長が「行革」を「税金の使い方を
変えること」と定義しても驚きませんが、やはり本当の意味を考え
ることも必要でしょう。

 行政改革とは、行政のあり方を改革することです。その中にはも
ちろん「税金の使い方を変えること」も含まれるでしょうが、それ
はむしろ「財政改革」で、行革としては行政を担っている職員(そ
のトップが市長です)の意識や態度を変えることの方が中心だと思
います。

 これも究極的には「税金の使い方を変えること」と結びつく場合
もあるでしょうが、直接結びつかないこともあると思います。たと
えば、職員の市民への応対の態度を変えるとか、幹部がブログで週
間活動報告をするようになるとかです。

 今、浜松市政で一番大切な事は北脇前市長の「市民への約束」に
代わる規律を定めて、発表し、実行することだと思います。現在の
市政は無規律市政になっています。

 鈴木市長は市民と対話をせず、市民の質問に答えない市政を実行
しています。このことで市民は意見を言う気力をなくし、とても困
っています。

 それと並んで重要な行革は、市の一体化の中心を作ることだと思
います。

 たしかに市には「音楽の都」を初めとしていくつかのスローガン
があるようですが、それで市全体がまとまっているとは言えない状
況です。

 これについては第1回でも触れましたが、市長の考えも具体化さ
れておらず総論にとどまっています。そして、皆で考えていきまし
ょうということにしています。

 これでは市長として不十分だと思います。自分の案を出すか、出
せないなら第2次行革審に諮問するべきでしょう。

 市民の間ではやはり「音楽の街」案を出す人もいますが、私のよ
うに「芝居の街」案を出している人もいます。

 いずれにせよ、マネジャーが重要です。これまでのように「消化
試合職員」がマネジャーをしているようでは成果は挙がらないでし
ょう。こういう人事の根本を変えることも行革の重要な仕事だと思
います。

 以上、市長の行革観はあまりにも視野が狭すぎると思います。


     お知らせ

 本日2007年06月25日、以下のブログを更新しました。

 「日本国の姿」に「(与党の国会運営)」をアップしました。

 http://blog.goo.ne.jp/kuni7659/

 「浜松市政ニュース」に「第31号、市長発言について(03)」
をアップしました。

http://shisei.hamazo.tv/e417195.html



教育の広場、第287号、「年金問題」の全貌

2007年06月17日 | 政治関係
教育の広場、第287号、「年金問題」の全貌

     問題の全貌

 1、年金の仕組みをどうするか
 2、年金の事務を処理する組織をどうするか
 3、年金の記録の管理のずさんさから発生している問題
 4、その他(年金未納問題)
 5、提案


   3、記録管理の問題について
  (年金の記録の管理のずさんさから発生している問題)

 A・記録の現状

1、コンピューター上にある記録
 01、コンピューター上で確認されている人数
    年金受給者数 3065万人
    現役世代   6565万人

 02、宙に浮いている年金記録(5000万件)
    内訳
  名寄せの出来ていないもの
  受給前に死亡した人の記録
  その他(無年金者など)

2、手書き台帳にある記録
 01、入力済みとされる記録
    内訳
  厚生年金関係(マイクロフィルムで保管)
  国民年金関係の1部(マイクロフィルムで保管)
      (これを特殊台帳というらしい)
    3200万件
  同(他)(市長村で保管)
    (一部は廃棄されている)

 02、未入力(1430万件)
    内訳
  すでに統合されている記録
  受給前に死亡した人の記録
  未統合記録

3、どこにも残っていない記録
    内訳
  本人は払ったと言うが認められていないもの
  本人が領収書を示して修正されたもの(55件)
  本人が気づいていないもの

 感想・ラジオで聞いた所によると、戦争前及び戦争中、厚生年
    金があったのにそれを知らない人がいるはずとか。


 B・「宙に浮いた記録」の原因

 考えられる原因は以下の通り
  (2007年06月16日朝日夕刊)

1、会社からの届け出の間違い
2、コンピューター入力の際の入力ミス
    内訳
  入力者の間違い
  代行返上の際の間違い
  (代行返上の際、企業の記録と社保庁の記録とが食い違った
   時、両者の検討なしに、企業が社保庁に合わせてしまった
   ことで実際と違ってしまった)

3、コンピューターのプログラムの欠陥


教育の広場、第283号、図書館担当課長・伊藤博さんへの手紙

2007年05月27日 | 政治関係
第283号、図書館担当課長・伊藤博さんへの手紙

 「はままつ図書館だより」の第16号(2007年04月10日付け)にあ
なたの挨拶が載っています。まず、話の前提としてそれを全文引用
します。

   新年度スタートによせて(伊藤博))

 4月1日より「生活文化部生涯学習課図書館担当課長・中央図書館
長」となりました伊藤博〔元細江図書館長〕です。図書館は、教育
委員会から市長部局の所属となりこのような職名となりました。ど
うぞよろしくお願いします。

 浜松市立図書館は平成18年10月、全国最大規模の約200万冊のIC
チップ導入に併せてシステム統合されました。図書館を利用されて
いる市民の皆さんも、システム統合で図書館に自動貸出機などの新
しい機械が入ったりして様子が変わったとお感じのことと思います。

 19年度の浜松市の図書館事業のキーワードは、「子ども」です。
その一つが、「浜松市子ども読書推進計画」の推進です。学校等の
教育機関と公共図書館との連携や家庭での読書などにより、子ども
たちの読書推進を図っていこうとするものです。4月22日には推進大
会が「なゆた・浜北」で行われます。

 二つ目が、19年4月から全市域で行うことになったブックスタート
事業です。ブックスタートは、イギリスのバーミンガムで始まり、
世界各国に広がり、日本には、平成12年度に12市町村で導入され、
その後、全国の自治休に司書と保健師の意気込みで広まっており、
現在では全国569市区町村〔全国3割〕に広がっています。〔特定営
利法人ブックスタート支援センター資料より〕

 この事業は、読み聞かせを子育てに役立てようと絵本の読み聞か
せについて、保護者に説明し、併せて絵本をプレゼントするもので、
浜松では8ケ月から満1歳児までの保護者に市内の図書館で定期的に
行われる講座で実施することになりました。〔合併後平成19年3月ま
では浜北・天竜・引佐・三ケ日・細江・春野・佐久間で実施してい
たもの〕是非ご参加ください。

 図書館は、「人と資料」を結びつけるところ、「図書館司書は、
そのコーディネーター」といわれます。あらゆる知識がある図書館
資料や地域情報と市民を結びつける役割があるのではないでしょう
か。そのためにはいろいろ琴知恵を絞って図書館に来て<れること
を考える必要があると思います。

 又、地域の情報拠点だとも言われます。「情報」は、「なさけ」
を「つたえる」ともいわれます。そんなことも心がけて、図書館サ
ービスに努めていきたいと思います。今後とも浜松市立図書館事業
へのこ理解こ協力をお願いします。(引用終わり)

 これを読んだ感想をお伝えします。

 まず第1に、浜松市の図書館行政の責任者が伊藤さんであること
をはっきりさせた点はとにかくよかったと思います。と言いますの
は、浜松市役所では個々の仕事の担当者ないし責任者の名前がはっ
きり知らされていないからです。

 例えば、かつて私は浜松市役所のホームページ(これは極めて使
いにくいものです)の責任者は誰かと聞きましたが、個人名は教え
てもらえず、「最後は市長が責任を持つ」などというふざけた答え
でした。

 しかし、先日の静岡県教育委員会の退職金の源泉徴収の遅れの責
任裁判でも分かりますように、何でも首長が最終責任を負うという
訳ではないのです。大体の事は担当部署の長が責任を負うのです。
ですから、その責任者名が公表されていないと困る場合が多いので
す。

 このような訳ですが、ともかく図書館行政については伊藤さんが
責任者だと分かりました。これは適切な態度だと思います。しかし
、この事は図書館のホームページのトップページに分かりやすい形
で載っているでしょうか。私には分かりませんでした。せっかく自
分の責任を明らかにしたのですから、ホームページにも明記して下
さい。お願いします。

 そして、この「挨拶」もそこに載せて下さい。これはこの1年間
の図書館行政の根本方針なのですから。更に、毎回の図書館メルマ
ガにも編集者名と図書館課長名を明記して下さい。

 第2点はこれと関係するのですが、伊藤さんは図書館行政の広報
の3つ(だと思います)である図書館ホームページとメルマガとこ
の「たより」をどう総合的に組み合わせて効果的な広報活動をする
か、考えていますか。考えているなら、その根本方針もホームペー
ジに発表して下さい。私の推測では、この3つをどう組み合わせて
行くかの戦略がないように思います。

 第3点。平成19年度のキーワードは「子ども」だと言っています
が、では昨年のキーワードは何だったのですか。その前の年のキー
ワードは何だったのですか。

 なぜこういう事を聞くかと言いますと、行政の悪い点は、当該領
域の現状の把握と問題点の確認、関係領域の調査、解決施策の検討
、そして実行した施策の事後検証、という手続きのないことだから
です。

 私見では、本を読むべきなのに読まない(あまり読んでいない)
ので一番問題なのは子供ではなくて大人であり、特に学校教師であ
り、一番不勉強なのは校長等の管理職(教育長を含む)だと思いま
す。図書館課長はこういう問題から逃げてはならないと思います。


 そもそも伊藤さん自身はどれだけ図書館を利用しているのですか
。市立図書館のホームページから何か本やCDを借りたことはあり
ますか。ひょっとすると1度もないのではないかと思います。ぜひ
、この際、本やCDを合計10点くらい借りてみて下さい。そうすれ
ば、浜松市の図書館のホームページがいかに使いにくいものか、分
かると思います。

 又、メルマガでは市立図書館にある珍しいものの紹介などもした
らどうでしょうか。私は近いうちに自分のブログ「浜松市政ニュー
ス」で「図書館探検」というシリーズを断続的に掲載し始める予定
です。読書家とは言えないような情けない学者なのでほんの少しで
すが、知っている範囲で世間に紹介したいと思うものを発表してみ
ようと思います。よかったら、あなたもそこに原稿を寄せてくれま
せんか。2人でやりましょう。

 第4点。浜松市の図書館(図書室)ということを考えてみると、
市立図書館のほかに学校の図書室もあるということです。そのほか
に母親などが開いているものも含めて民間の施設もあると思います
。先日もイトーヨーカドーの駅前店の閉店の際に、その図書室を無
くさないで、他店に移して続けるという運動が実った例もあります


 また、司書を考えてみても、市立図書館に勤務している司書だけ
でなく、学校の図書室にいる司書もいると思います。

 これらの全体が統一的に活動するというわけには行かないと思い
ますが、少なくとも公立の図書館と図書室関係だけでも、1年に1
回は会合を開いて、互いの活動を報告しあい、問題点を話し合って
、互いの事を知り、出来れば無駄な事はなくしていってほしいと思
います。

 その前に、公立学校の図書室の図書にも市立図書館のそれと同じ
ようにICチップを導入することは必要な事だと思います。

 こういう事を考える部署がないのだと思います。しかし、これ位
は図書館課長が提案しても好いのではないでしょうか。そうでなけ
ればいつまでたっても前進しないでしょう。

 最後に、これを伊藤さんに直接送れないということを述べます。
それは伊藤さんのメルアドが知らされていないからです。田中康夫
さんが知事をしていた時の長野県庁のホームページでは課長でも顔
写真つきで簡単なコメント(抱負)を書き、メルアドも発表してい
たと思います。

 なぜそうなるかと言いますと、公務員(特に長)は市民の「質問
と意見」を聞く場を作って公開しておかなければならないという事
が分かっていないからなのです。

 この「挨拶」は「ご理解とご協力をお願いします」という言葉で
最後を締めくくっていますが、これは間違いだと思います。公務員
の最後の言葉は「質問と意見は(メルアド)に遠慮なくお寄せ下さ
い。お返事は私自身から差し上げるとは限りませんが、必ず私が目
を通して、しかるべき対応を取ります」だと思います。田中康夫さ
んはそう書いていました。

  2007年05月14日

    解説

 2週間たちましたが、返事がありません。北脇市長時代には「市
民への約束」というのがあり、その中に「迅速性の約束」がありま
した。

 それは「2週間以内に返事をする、それが出来ない時はその旨断
り、なるべく早く返事をする」というものでした。

教育の広場、第279号、浜松市のメルマガでの「市長挨拶」

2007年05月20日 | 政治関係
教育の広場、第279号、浜松市のメルマガでの「市長挨拶」

 メルマガ読者の皆様へ

                鈴木 康友

 皆さんこんにちは、浜松市長に就任いたしました、鈴木康友(す
ずき やすとも)です。

<生まれ育った浜松のために>

 私は昭和32年、浜松市に生まれました。父は中学・高校の教師、
母は幼稚園の先生という教育者の両親のもとで、浜松の豊かな自然
の恵みを受けて育ちました。これからは市長として、生まれ育った
浜松のために、とにかくできることはなんでもやっていきたいと思
います。

<政治家は子どもの頃からの夢でした>

 昭和40年代、日本とソ連の関係が希薄だった当時、日本漁船がソ
連に拿捕(だほ)される事件が起きました。そのころ私は小学生で
したが、拿捕された日本の漁民を奪還できない政府の弱腰な対応に、
子どもながら憤りを感じたことを覚えています。私が初めて政治を
意識した瞬間かもしれません。

 大学の政治学科を卒業後、松下政経塾に飛び込んだこと、そして
塾長である松下幸之助さんに出会い、塾長の政治に対する強い志に
触れたことが、私と政治との距離を縮めたきっかけであると思いま
す。塾の一期生として過ごした日々、そこで得た仲間たちは、今で
も私の大きな財産です。

 その後、衆議院議員として二期にわたり国政に携わりましたが、
国は組織が大きく、なかなかやるべきことが進められないというこ
とがありました。それに対し、市政の仕事はすぐに結果に現れるの
で、とてもやりがいを感じています。

<浜松を元気で活力のあるまちに!>

 浜松市は12市町村が合併し、政令指定都市への移行を果たして一
つの行政となりました。しかし、その中身をつくっていくのはこれ
からが勝負だと考えています。今後は、何でも税金で行政サービス
をする時代ではありません。ボランティアも含め、市民の皆さんの
活力を引き出していきたいと考えていますので、そのための情報も
どんどん公開していきます。

 元気で活力のある新しいまちづくりに皆さんと一緒に取り組んで
まいりたいと思います。一つの浜松として、地域格差を解消しなが
ら、みんなが合併してよかったと思えるまちにしていきましょう。

   (2007年05月04日号メルマガから)

   解説と批評

1、格調が高いとは言えないと思います。内容も夢があるとは言え
ないと思います。

 しかし、まあ今後を見守りましょう。はったりがないというだけ
かもしれませんから。

2、「今後は、何でも税金で行政サービスをする時代ではありませ
ん。ボランティアも含め、市民の皆さんの活力を引き出していきた
いと考えていますので、そのための情報もどんどん公開していきま
す」の部分は、少し考える必要があると思います。

 そもそも市民は行政サービスを受けるために税金を払っているの
です。行政サービスが不十分なのは、特別職を含めて職員の給与が
高すぎることが大きな原因だと思います。

 確かに、職員給与の引き下げは難しい問題です。しかし、それを
見ないで「何でも税金で行政サービスする時代ではない」から「市
民の活力で」と言って、ボランティアを求めるのは短慮に過ぎると
思います。

 まあ「情報をどんどん公開」するそうですから、職員給与につい
ても実態を公開してもらって議論しましょう。

教育の広場、第276号、自由都市・浜松を

2007年05月01日 | 政治関係
教育の広場、第276号、自由都市・浜松を

 04月26日の夜だったと思います。このたび始まったテレビ朝日の
「経済部」とかいう番組の冒頭で、どこかの経済研究所の人による
小嶋静岡市長と鈴木康友浜松市長へのインタビューがありました。

 この番組とそこでの康友さんの話を聞いての感想です。

 第1に、このインタビューアーは「少子化」とやらを絶対的な前
提として話していました。これは本当に変えることのできない前提
なのでしょうか。誰が一体そのような事を証明したのでしょうか。

 私見によれば、政策如何によっては人口は増やせるのだという信
念をもってそれを追求するトップが今、求められているのだと思い
ます。

 実際に人口を増やしている所はあります。どうして浜松市でそれ
ができないのでしょうか。

 私は昨年の12月から市の人口統計を調べていますが、旧浜松市と
浜北市の地域は人口が増加しています。減っているのは水窪、佐久
間、龍山、天竜、引佐などです。他は横ばいです。

 第2に、康友さんはまず「全市の一体化」ということを掲げまし
た。しかし、残念ながら、その具体案はなかったようです。この具
体案こそが問題です。

 あるいは「南北をつなぐ道路の整備」が急務だということを言っ
ていましたから、それが具体策の1つなのかもしれません。確かに、
これは急務だと思いますが、費用も時間もかなりかかると思います。
その前に、まずブロードバンドの空白地域をなくすことだと思いま
す。

 それに、道路だけではかえって過疎を促進することになりかねま
せん。生活の活性化がぜひ必要です。

 かつて、大岡敏孝さんのブログで国際ピアノコンクールの話で意
見が沢山出た時、私は「芝居の街・浜松」の構想を対案として出し
ました。これはこの活性化による一体化のための具体案です。近い
うちに練り直して再度提案する予定です。

 第3に、空洞化には2つあるとして、康友さんは産業(特に製造
業)が浜松市から逃げ出していくということと、街中の空洞化とを
指摘しました。

 製造業の逃げ出し防止と新規の呼び込みは、康友さん自身が会社
回りをすると公約していますから、それに期待することになります。
これは多分、効果があるでしょう。そもそもこれは具体的です。

 しかし、街中の活性化や松菱跡地の問題は「非常に難しい」と言
っていました。この問題の経緯を知らない私には案はありません。
黒い勢力がからんでいるのではないかという危惧を持っています。
とにかく、これまでの経緯を情報公開することが先決でしょう。

 ザザ中央館の問題も私はよく知りません。

 しかし、駅前とは別に、本庁舎の改築を目指してあの一体を新浜
松城公園として作り直し、ここをもう1つの「街中」(市民が集ま
ってくる場所)にするという案を出したいと思います。

 ちなみに、ドイツの地方都市では、鉄道の駅は町の中心からかな
り離れた所にあり、中心には市役所と教会と城とがあります。そし
て、その一帯が歩行者天国になっています。浜松も駅前とは別に本
庁舎の回りに市民天国を作るといいと思います。

 かつて提案しました「本庁舎の改築」も練り直して再度提案する
予定です。

 第4に、康友さんは市内の地域間の格差に言及して、天竜区など
の人々は安心して暮らせる生活基盤を望んでいる、ということを話
していました。

 私は、これはこの通りだと思いますが、少子化を前提していたの
では生活基盤も作れないと思います。

 私の案は「ロハス教師」という構想です。これは子供持ちの若い
教師夫婦を増やす効果「も」あると思います。若い教師たちを中心
にして、教育と誠実食品と芝居の街運動で辺境の活性化を図るので
す。

 最後に、例によって、大きな夢を1つ。

 浜松を中世ヨーロッパの自由都市のようなものにしたい。産業が
強いだけでなく、文化の香りのする街、誇り高い自立心の強い市民
の街にしたいものです。

 さあ、明日から待ちに待った康友時代です。大いに議論をしまし
ょう。

  (これは04月30日に或るブログへのコメントとして書きました)


教育の広場、第275号、ネットと民主主義者

2007年04月26日 | 政治関係
教育の広場、第275号、ネットと民主主義者

 民主主義は言論で戦うものです。それは迂遠な方法ではあると思
います。言わば漢方薬みたいなものだと思います。副作用があまり
なくゆっくり効くのです。劇薬ではありませんから、一部の人にと
っては物足りなく感ぜられると思います。しかし、人類は長い間の
経験の中から、民主主義が一番「悪くない」という結論を引き出し
たのだと思います。それは必ずしも「好い」方法とは言えないこと
もあるでしょうが、他の方法に比べれば「悪くない」方法だと思う
ようになったのです。

 従って、民主主義にとっては言論の手段がどれだけあるかが大き
な問題になります。近時のネットはそれを完全にとは言えないが、
大きく改善してくれたと思います。

 社会の統治機構の枠組みと言うかインフラは法律が決めますが、
それは実際には公務員によって運営されます。その公務員は、選挙
などで選ばれる者、その選ばれた者に任命される者、それらに関係
なく任務に付く一般公務員、の3種に分けられます。アメリカでは
第2の政治的任命公務員が大きな比重を占めているようですが、日
本ではそれはまだ大きくありません。

 さて、公務員はそれぞれ情報を持ち扱っています。その情報は原
則として公開されるべきであるというのが、最近の民主主義の基本
です。それによって、権力や官僚の腐敗や不正を防ぎ、是正できる
からです。

 前提はこれくらいにしまして、私の経験から述べますと、行政の
持っている情報は「公開」という観点から見ると3種に分けられま
す。

 第1は「行政が自分から進んで広報誌などに発表する情報」であ
り、第2は「市民が聞けば教える情報」であり、第3は「聞いても
教えない情報(情報公開条例で公開が禁止されているもの)」です


 第1の進んで公開する情報については、その公開の仕方に問題が
あります。その特徴は「全体像が分からないように、真相が分から
ないような形で公開する」ということです。ヘーゲルの「真理は全
体的なものである」という言葉の正反対なのです。

 第2の「聞けば教える情報」は、普通に考えられているであろう
より、はるかに多いです。

 第3は仕方ありません。法律か条例を変える以外にないでしょう
が、それはかなり大変です。

 市民の対処方法としては、第1の公開情報を丹念に読んで問題点
を発見してその疑問点を聞いてみることであり、生活の中で疑問に
思った事をまず聞いてみるということです。第1と第2を組み合わ
せて真相を明らかにしてゆくというものです。そして、これを行う
とかなりの事が分かるのです。

 しかも、ネットのある今では、メールで質問して返事を受け取る
ことが出来ますからとてもやりやすくなっています。メール以外は
電話を使う程度で十分です。出掛けていく必要はないのです。これ
だけならたいていの人が出来ると思います。

 この2つを継続的に実行し、受け取った回答を整理して保存し積
み重ねていくのです。すると、与えられた情報の読み方が深く鋭く
なり、次の質問の仕方がうまくなるのです。要するに、学問研究と
同じなのです。

 1例を挙げます。どの自治体でも毎年1回、「職員給与のあらま
し」というものを広報誌に発表しているはずです。これは法律で定
められているようですから。その中の「平均収入」といった所を見
ますと、それは「予算ベース」でのそれなのです。つまり、人件費
として予算にいくら計上してあるか(これが「総額」)と、それを
対象者数(人数)で割ったものが「平均年収」として発表してある
のです。実際に支払われた年収に基づいた数字ではないのです。こ
れは総務省がそう指導しているそうです。

 しかし、ある質問をした所、平成16年度の旧浜松市の職員が実際
に受け取った年収(源泉徴収票にあるものと同じ額)について一番
多い人(額)、 501番の人、1001番の人~最低の人(これは新人な
ので9ヵ月分)の数字を聞くことが出来ました。このような数字を
入手するのはとても難しいそうで、この年は偶然記録を取っていた
とのことでした。源泉徴収票は税金以外には使ってはいけないこと
になっているからです。

 私は今回の浜松市長選挙に大きな関心を持ち、昨年(2006年)の
7月末に早くも「浜松市長の条件」を発表し、現職に対する対立候
補が出てからは、いくつかのブログで論陣を張りました。

 沢山の意見を発表しましたが、それはいずれもここ数年の調査研
究に基づいたものでした。特に、明確な数字を挙げて論じたもので
は「合併の真実」が反響を呼びました。これは、浜松市の合併は財
政の合理化が目的の1つなのに、実際には合併によって職員給与の
総額が約 370億円から約 377億円に増えていることを明らかにした
ものです。この数字は2004年度に自治会長をしていた時に独自に調
べておいたものが基礎になっています。

 つい最近も新市長の教育行政の前途多難を予想した「子ども第1
主義の実行」を発表しましたが、そこでも「現在の教育委員の残り
任期」を具体的に示して論じました。

 もう少し大きい構想としては、前々から提唱しています「カウン
ター・ホームページ」を作りはじめています。

 特に学校(大学を含む)のカウンター・ホームページ、あるいは
そこまでいかなくても「学校ホームページの1つ1つについての批
評」は大きな意義を持ちます。学校の事は子どもがその学校に通っ
ていないとなかなか関心を持ちにくいですが、その時には「子ども
を人質に取られている」ということで批判しにくいからです。直接
の関係のなくなった住民が継続的に監視する必要があります。そし
て、それをネットに記録していくことです。

 ある時、インターネット新聞のJanJanに、公務員の期末手当ての
計算における「加算措置」というものを暴露した記事が載りました
。これに対して私はコメントを書き、「市民が自分でカウンター・
ホームページを作るべきだ」と言いました。そうしたら、「それは
行政が自分ですることだ」というとんちんかんな返事がきました。


 行政に任せていたら本当の事はいつまでたっても分からないから
市民の自主的な活動が必要なのです。そして、そのための手段が今
やネットに与えられているのです。

 私の率直な印象では、JanJan記者を含めていわゆるジャーナリズ
ムというのは「犬の遠吠え」でしかないと思います。別の譬えを使
うならば、マスターベーションのようなもので、何も生まれてこな
いと思います。例外は、行政や力の強い人々と直接戦った経験を報
告している場合だけです。


教育の広場、第274号、子ども第1主義の実行

2007年04月22日 | 政治関係
教育の広場、第274号、子ども第1主義の実行

 康友さんのマニフェストのトップに掲げられているのが「子ども
第1主義」です。その内容を見ますと、育児などの支援を主として
考えているようです。しかし、この言葉を聞いて普通、期待するこ
とは「学校教育を子ども第1主義にしてほしい」ということだと思
います。そして、この事自体には康友さんも全然異論はないはずで
す。

 そこでこれをどのように実行するかが問題になるのですが、それ
を考えるためにまず確認しなければならないことは、現在の浜松市
の教育行政は何を第1にしているかです。それは「消化試合校長第
1主義」と言えると思います。これは他の公共団体でも、教員上が
りの人が教育長になっているところでは品川区以外はほとんど同じ
です。

 なぜこうなるかと言いますと、教育長に上り詰めた元教師(元校
長)は、自分だけが教育長になって60歳の定年後も1千万をはるか
に越える年俸(浜松市なら1330万円。なお校長の年俸はみな1千万
を越えています)を取ることに成功したのだから、それの出来なか
った他の校長を叱ったりすると、「なんだ、あいつは。自分だけ旨
いことをしやがって」と恨まれるからです。

 私は何人かの校長の問題点を指摘して、教育長に「指導」を求め
ましたが、いずれの場合も、自分で現地に足を運んで調査すること
をしないで、「~と聞いています」とか、「指導の必要はない」と
いった返事しかもらえませんでした。

 さて、市長が教育行政に関してどんな考えを持っていたとしても
、それは直接自分では実行できません。教育行政は教育委員会が主
導するものです。今の教育委員会に「今後は子ども第1主義でやっ
て下さい」と言ったとしても、教育委員会は「これまでもそうして
きました」と言うでしょう。そして、消化試合校長第1主義を続け
るでしょう。

 従って、本当に子ども第1主義を実行しようと思ったら、教育委
員を代えなければならないのです。しかし、教育委員は任期が切れ
るまでは市長でも勝手には代えられません。現在の浜松市の教育委
員の残りの任期は以下の通りです。

 山本委員  平成20年10月03日まで
 熊田委員長 平成21年03月31日まで
 中野委員  平成21年10月02日まで
 須藤委員  平成22年09月30日まで
 高木教育長 平成23年03月末まで
 (残りの任期の短い順)

 このように考えると、前教育長の土屋さんが3月末で辞めた時、
北脇市長が次の教育長を空席にしておかないで、早々と高木さんに
決めてしまったことは、自分が負けた場合に康友さんの足を引っ張
るという目的からは見事な方法だったと思います。

 しかし、これが現実なのです。康友さんはこの条件を前提して出
発するしかないのです。しかも市議会多数派の北脇派は康友さんに
意地悪をしようと待ち構えていると思います。では、この悪条件下
で、康友さんはどう自分のマニフェストを実行するのでしょうか。
ブレーンに智恵者はいるのでしょうか。


教育の広場、第271号、北脇「理論」のお粗末さ

2007年04月07日 | 政治関係
教育の広場、第271号、北脇「理論」のお粗末さ

 北脇さんの論法は、合併や政令市化の経緯を一番良く知っている
のは自分だから、市長にも自分が一番適任なのだ、ということのよ
うです。これを理論的に検討してみましょう。

 第1点。もしこの論法が正しいとすると、どんな地位でも前任者
が一番良く知っているのだから、交代させるのは原理的に間違って
いるということになると思います。これでは民主主義ではないと思
います。

 戦後、本格的な政権交代のないのは先進国の中では日本だけです
が、このために日本は本当の民主主義国ではないと言われています
。ことほどさように、民主主義にとって政権交代は重要なのです。


 第2点。たしかに、合併や政令市化の経緯を一番良く知っている
のは北脇さんかもしれません。では、どうしてこうなったのでしょ
うか。その最大の理由は、北脇さんがその仕事について必要かつ十
分な報告をしてこなかったからだと思います。

 思うに、ある程度以上重要なポストに就いている人は、自分に万
一の事があった場合でも人々に迷惑をかけないように、自分の仕事
を整理し、適当な形で記録を残しておかなければならないと思いま
す。そして、公的な立場の人は「週間活動報告」を発表しなければ
ならないと思います。

 しかし、北脇さんは毎週のメルマガに「式での話」を載せるだけ
です。私が、市長、助役、収入役、部長、総合事務所長等の頁をホ
ームページに作って、「週間活動報告」をするようにしてくれ、と
要求したのに対して、その必要はない、と答えたのは北脇さん本人
です。北脇さんは自分のこの言と行の不一致をどう考えているので
しょうか。

 第3点。別の観点から考え直しますと、本当に北脇さんは一番良
く知っているのか、という疑問が浮かびます。一般にも、自分が自
分の事を一番良く知っている、という言い方がありますが、その反
対に、他人から見てこそ本当の事が分かる、という言い方もありま
す。この2つは矛盾しています。では真相はどうなのでしょうか。
北脇さんはこういう問題を考えたことすらないようです。

 第4点。これと結びついていることとして思い出すべき事は、「
知っている事と理解している事とは違う」というヘーゲルの言葉で
す。北脇さんは、自分が優秀な成績で卒業した東京大学というのは
非哲学的な大学であることをご存じないようです。だから、「知っ
ている」だけでいいのだと無邪気に思い込んでいるようです。

 北脇さんは、やはりしばらく仕事を休んで、これまでの人生を振
り返り、広い世間を見て、今後の人生をもう一度考え直した方がい
いと思います。そのようにさせてあげるのが本当の親切だと思いま
す。


教育の広場、第270号、マニフェスト素案(6、ロハス教師)

2007年03月24日 | 政治関係
教育の広場、第270号、マニフェスト素案(6、ロハス教師)

 第4回で教育日本1を論じましたが、積極的な提案は書きません
でした。私が考えている案は「ロハス教師」と「教員学校」と「校
長の 360度評価」です。

 まず、ロハス教師から説明します。

 ロハスという言葉はかなり知られていると思いますが、03月17日
付けの朝日新聞でも改めて報道されていました。Lifestyle of
Health and Sustainability(健康的で持続可能な生活スタイル)
の頭文字を取って生まれた造語です。

 私がロハス教師で考えているのは次の点です。

 (1) 週に3日勤務。残業なし。
 (2) 年俸 300万円で出発し、業績1冊以上で 360万円、
    3冊以上で 420万円。(これ以上の昇給はなし)
 (3) 10年に6ヵ月間の休暇

 校長を含めて全員を徐々にこの種の教員にしてゆくべきだと思い
ます(現職教師はそのままにして、新任教師からこの制度にする。
現職でもこれに移りたい人は受け入れる)。こうして25人学級にな
るまで教師を増やす。因みに、国際的には少人数学級とは25人以下
のことを言います。「40人学級の方がいいのだ」などとほざいてい
る土屋教育長は論外です。

 現在の教師の最大の問題は、元教員の教育長や校長を含めて、
「勉強が出来ない」ということです(出来る教師は例外的にいるだ
け)。

 その理由の第1は、大学教育がお粗末なことです。第2の理由は、
教師になってから時間がないことです。第3の理由は、消化試合を
していれば自然に給与が増えていき、校長になれば1千万円を越え
る年俸が得られるという制度です。

 従って、その対策はそれらに対処することです。

 ロハス教師は時間がありますし、勉強しなければ給与は上がりま
せん。本を出して売れればもうかりますし、講演依頼も増えるでし
ょう(但し、月に1回までとする)。

 給与が少なすぎると言うかもしれませんが、これで十分です。在
宅時間が長いと支出が少なくて済みます。これがロハスの根本なの
です。前述の朝日の記事にも「時間に追われる生活を変えること」
とありました。

 結婚している場合は共働きを前提していますから、収入の心配は
ないと思います。

 第2の教員学校は、お粗末な大学教育を補うものです。

 杉並区の師範塾は、小学校教師を目指す人のためのもので、1年
間土日のみ開校、授業料年9万6000円(教師になったら返還される)、
というものですが、教える事も狭い意味での授業のやり方、学級運
営などだけです。ただそれを座学ではなく実習中心でやるというだ
けです(要するに、塾の新人研修です)。

 私の考えている教員学校は現職と新人教師のための学校です。従
って給与はそのままで、全在籍者の5%を常にそこで学んでもらう
ためのものです(今でも浜松市の現職教師の内9人が大学で学んで
います)。新任教師はまずここに入ります。

 学ぶことは、何よりもまず研究する態度や方法です。議論中心の
授業とか、外国語のダイレクト・メソッドなども又、勉強します。
先生と生徒の関係について、なぜそうなのかと具体的な事例で原理
的に学ぶことも必要です。

 更に大切な事は、市や県や国の全ての部門のカウンター・ホーム
ページを作って、それを監視・批判することです。これをこの学校
の伝統として代々受け継いで行けば、公正で民主的な社会を作るこ
とに寄与するでしょう。

 これらの研究や勉強だけでなく、部活(徐々に地域に移していく)
とか、他所で述べました「誠実な食品」運動の実務とか、芝居の街
運動の実務とかも含みます。簡単な大工技術を身につけて、耐震性
向上の改築ボランティアなども出来るといいでしょう。

 こんなに沢山の事が出来るのか、と思うかもしれませんが、この
学校の授業は週に3日くらい、1日1コマの予定です。それに、皆
がこれら全てをするのではなく、皆がやるべき事と分担する仕事と
を組み合わせれば好いのです。

 この教員学校には先生は必要ありません。基本的には自分たちで
切磋琢磨します。必要な場合は、その時だけ外部講師を頼んで教え
てもらえば好いのです。

 いずれは、授業料無料だけど進級と卒業の難しい浜松市立大学
(文部科学省の認可は要らない。空いている施設が沢山ありますか
ら、それを利用する)に発展させて、静岡兼業大学や静岡セクハラ
大学を粉砕したいものです。

 最後に校長の 360度評価です。今の校長は教員生活の「上がり」
(スゴロクの上がりのこと)として、年功序列で生まれます。だか
ら皆、消化試合をするので
す。

 ロハス校長は立候補者の中から教育委員会が選べばいいと思いま
す。給与も週3日勤務も平(ひら)と同じです。ただ、授業をしな
いで管理業務をするだけです。

 校長は教頭と教員を選ぶ権限を持ちます。つまり、教頭はその学
校の中から選び、教員は教員学校在籍中の教師と(相手の同意を得
て)交代させる権限を持つようにします。

 校長は毎学期末に 360度評価され、不適任と判明したら、ただち
に平になり、他の人と交代します。

 1974年に田中角栄が人材確保法を導入して、「一般公務員より
5%高い給与を払って、優秀な人材を集める」としました。しかし、
本当の狙いは札束で日教組を堕落させることでした。

 結果から見れば、表面上の目的は達せられませんでしたが、真の
狙いは見事に達せられました。

 要するに、このロハス教師制度は田中角栄とは反対の路線です。

 今の日本は、超長時間労働の正社員とワーキングプアの非正規労
働者とに分かれています。ロハス教師制度はこの分裂を克服する道
を示すでしょう。

 これが成功するか否かは教育委員会の力量次第でしょう。


   追記

 先日、浜松市教委は03月末で退任する土屋教育長(65歳)の後任
として高木氏(現曳馬小校長、57歳)をあてる人事を発表しました。

 しかし、教育長は教育委員の互選で決めるはずです。高木氏は
03月23日現在、教育委員になっていないはずです(教委のホームペ
ージの「教育委員」の項に名前がない)。

 この人事決定は違法ではないかと、今教委に問い合わせています。

 それはともかく、57歳で教育長になって、校長のままなら定年の
60歳で終わりなのにそれ以降も収入を確保し、7年3カ月教育長を
勤めて毎年1330万円の年俸を懐に入れ、すぐに年金生活に入れる土
屋さんの後に、57歳の校長が就くとは、見事な人事ですね。

 ではどうしてこうなったのでしょうか。

 土屋教育長は、ホームページに「辞任にあたって」と題する文章
を発表しています。その中に次の1句があります。

 ──旧浜松市では、私が初めて義務教育から教育長になったわけ
ですが、北脇市長に辞任を申し出た時、「次の教育長も義務教育関
係から推薦してください」と言われました。最高に嬉しく思いまし
た。(引用終わり)

 これは、北脇市長の丸投げ人事、順送り人事の証拠となるものだ
と思います。北脇さんを倒さなければ、浜松の教育に未来はありま
せん。