秋麗(あきうらら)

うーちゃんの節約日記です。
不思議だなと思う心、いつまでも忘れずにいたいな

木の国の飛鳥仏と円空仏

2017-05-06 | 古代史のミステリー


大阪市立美術館の木像展覧会で、展示室を移動するスペースに標本木が置いてありました。

たいていの日本人は木が好きで、今度の2020五輪メインスタジアムだってコンセプトは「木と緑のスタジアム」
にもかかわらず、この木何の木状態で、樹形などから木名を確定できる人は多くない。

ましてや木肌となればもっと?
へぇ~と眺めましたが、板を見せられて名前を当てろといわれても無理。
情報がしみこむにはもっと木に触れ合う生活が必要ですね。

縄文時代の遺跡から出土したもので、住居はカシ・ヒノキ・クリ・シイなどがみられ、木の器には削りやすいトチノキ、弓には固くてしなるカシと上手に使い分けていたのがわかっています。
また日本書紀の記述で、スサノオノミコトは、「スギとクスノキは舟に、ヒノキは宮殿に、マキは棺に使いなさい。そのためにはたくさんの木の種をみんなでまこう」と教えられたと。

展示物に戻りますと

飛鳥仏
木造 菩薩立像
飛鳥時代(7世紀) 
東京国立博物館
明治以前の来歴、どこの寺に伝来したものかは不明です。

日本列島に仏教が伝わった飛鳥時代(7世紀)にさかのぼる希少な木彫仏で、クスノキ材の一木造りです。現存作例と文献資料による限り、飛鳥時代の木彫仏はすべてクスノキで造られました。
この時代には青銅製の作品が多く木彫りは珍しい。



作者 円空
木造 十一面観音菩薩立像
江戸時代(17世紀)

ヒノキの一木造だそうです。

この画像やっと拾えたのは→こちらのブログ

埼玉県蓮田市の神職家に伝わったもので、神仏混交の頃の修験道信仰との関係で、円空が作品を残したのではないかと考えられています。



イヤホンガイドの説明で、十一面観音像は白檀の木で造るということが書かれてあると聞きました。

で調べてみると、海住山寺のサイトで
「像高は45,6㎝。これに近い大きさの十一面観音像がいくつか見出せる。東京国立博物館像42,1㎝、山口・神福寺像44,7㎝(頂上仏面欠)、奈良国立博物館像42,8㎝、大阪・長円寺像45,0㎝、三重・白山町像47,6㎝、高知・竹林寺像48,8㎝などである。
このように近い像高の作例が多く見出せる理由としては、
十一面観音経典に、像は白檀で「一ケツ手半」の大きさに造れと説くことと関係するものであろう。これらは、小檀像と呼ばれている。」

ところが日本では白檀は生育しないので、他の木が用いられたのです。





円空さんの作品は二つ展示されてありました。

円空はその生涯に十万体以上もの仏像を彫ったとされる江戸時代前期の仏師。
円空仏は素朴で潔い刀法から生み出される独特の雰囲気が大きな特徴で、それまでの仏像の歴史とは隔絶した存在感を示します。
これは用材の特徴をしっかりと把握した職人芸のなせる業でもありました。


ほっこり穏やかなお顔の仏像が多い中、異質だったのが
円空作
木造 秋葉権現三尊像
江戸時代(17世紀)

秋葉権現三尊像もヒノキで、一材を縦に三分割してそれぞれの姿を彫りだしたもの。


埼玉県指定文化財 蓮田市個人蔵:矢島家所蔵



Wikiをみますと
秋葉権現(あきはごんげん)は秋葉山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神である。火防の霊験で広く知られ、近世期に全国に分社が勧請され秋葉講と呼ばれる講社が結成された。また、明治2年12月に相次いだ東京の大火の後に政府が建立した鎮火社(霊的な火災予防施設)においては、本来祀られていた神格を無視し民衆が秋葉権現を信仰した。その結果、周囲に置かれた延焼防止のための火除地が「秋葉ノ原」と呼ばれ、後に秋葉原という地名が誕生することになる。


真言
オン ヒラヒラ ケン ヒラケンノウ ソワカ

「ヒラ」とは愛宕山太郎坊の前身とされる日羅の名前を本来の「にちら」ではなく「ひら」と読み変えたものであるとされる


秋葉講
江戸時代の庶民にとって遠州秋葉参りの旅費は経済的負担が大きかったので、秋葉講という宗教的な互助組織(講)を結成して講金を積み立て、交代で選出された代参者が代表として遠州秋葉山に参詣し、火防せ・安全を祈願して帰郷した。
また、遠州秋葉参りできない人々を考慮して、地元に秋葉権現を勧請した。秋葉講の講社の数は、盛時には全国で3万余を数えるほどあった。




秋葉権現とは何かがとてもよくわかるブログ→こちら

18 コメント

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凄いタイミングです。 (りひと)
2017-05-07 22:08:55
記事更に色々な知識ありがとうございます。
消化できないくらいの奥深さと掘り起こしたい衝動を感じましたよ。ただ明日からいつもの日常が始まりおそらくまた大事な時にこの記事を拝見する機会になるのでしょうね。するとあたらたな衝動が起きるこの繰り返しです。焦らず自分のペースでやります。

そう5世紀辺りは私も超興味ある時期ですが情報があまりに少なくその次は9世紀の800年代の平安からになってしまう。ただ関東は700年代も多少ありますけどその手前が全くなしです。ただ前回記事のコメントにもありましたけど11世紀は興味深いですよ。源氏が出てくる所なので。この時期はお寺の建築等でも転換期だし、火事や再建がやたらある時期です。お寺の建築も元のままにも出来ていない理由も気になる所です。今はここまで。

そして後半の仏像もかなり凄いタイミングです。
そう私が行ったのは秋葉さんで台所に幼い時にあったお札の関係で5/5に行ったのです。本拠地にはまだ行けてませんけど、お姫様として意識していたのであの仏像さん達がいらしてびっくりしました。また江戸の秋葉原の関係も東京を理解するのにはかなり以前から気になっていたので今この時のメッセージなのも気になってしまいます。

それはさておき今日は東京の夏祭りの最初の下谷さんに行ったのです、あひるのガアちゃんもいやのですけどそれ以外に同じくらいの大きさの2匹増えてました、みんなに守られているあひるさん達と会えました。であそこ行くと行きたくなるのが佐竹さんの秋葉さん。そううらら様の記事も読みさらに行きたくなりでした。お参りというかすでに閉まっていましたので挨拶のみでしたけど地域にまもられた神社のようです。
言われてみると私の関係では秋葉姫?がどうも絡んでいそうです。以前驚いたんですけど明治天皇の関係なのか埴安姫さんが秋葉さんの祭神になっていてびっくりしたんですけど記事とのリンクと分析で今後理解が自分の中でどう変わってくるかが楽しみです。

それと各地の5/5のお祭りのお稲荷さんは午の日のお稲荷さんとはちょっと違うのでは?とも思っています。仏像さんがキツネにも見えたんでこのゴールデンウィークで秋葉さんがどっちになるのか?もゆっくり直接身近に起こる事で判断していこうと思っています。秋葉さんはかなり難しいのは以前から感じてます、正反対に触れそうにも。
ただ中には本物がいるからこその目印でもあります。鯉のぼりも風に吹かれないと、団扇とか羽と火の関係で火のコントロールはお得意なのかとも。お寺と神社を区別するには明治はとっても大事な機会ではあったけどそれ故分断できなくなっていた状態では相当両者には負担と破壊に近い事にもなっています。それと同じような状況が江戸時代の火事の時にも起こっていそうに思います。もっともっと遡ると11世紀と5世紀とさらにもっとと思いますね。感じたまま理解してみたいです。

参考の記事では、目黒と静岡でしたけど品川で同じような誘導を経験しています。それがいい導きなのか?いやはやお邪魔なのか?私の判断は出来ませんのであくまでもどっちもありでそれに合わせて対応してみますね。読者の皆さんもそれぞれ持って生まれた物がありますので一人の意見に流されず独自で考えて欲しい案件ですね。2168
コナンの映画にも若葉?と紅葉って女性が出てくるんでそれも春と秋をキーワードに普遍的なテーマにもなりそうです。ただ女性同士より取り巻きが争うんだとは思って見守ってます。忖度なしで理解し合っていれば道は開けるのかと。

縁日の方との縁で花園に行くような流れも出てきてます。下谷のおみくじでは五十番中吉、こころを決めて色々とさわがず、迷わず、今までの事をつとめればよし 何事にも手を出してはいけません つねに控え目にして事をなさい吉。

なので行くか行かないかも含め自分では決めず誰からかのメッセージ次第でその都度考えてみたいです。出来るだけ動かない方が良さそうですね。

東京の謎にまで関わるきっかけをありがとうございます。2168 6224
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千光寺 (aoi)
2017-05-07 23:22:31
木の仏様が温かみがあって好きです。
家は門徒宗なので、仏壇には普通は掛け軸の阿弥陀如来なんですが、「木の仏像のほうがいい」と木造のでお祀りしています。
ほかに40センチぐらいの(多分檜)白衣観音様もお祀りしています^^。
阿弥陀様も何の木なのか、今まで考えたこともありませんでした、調べなきゃ。

以前、飛騨の千光寺のご住職が東京で研修(何か忘れてしまった^^;)をされて円空仏を紹介されて知りました。
千光寺に滞在されていた時に何十体も掘られたようです。
ちょっとビックリするお姿ですね秋葉権現様、良く観ると味がありますね^^。
一度見たら絶対円空仏と私でもわかります、それがすごい!
お勉強の方はすっかり忘れてしまうのに~。
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りひとさんへ (ulala)
2017-05-08 20:43:01
お天気に恵まれた春の連休でした。
大陸から黄砂も飛んでくるし、相模湾では夜光虫がスゴイし、あちこちの潮干狩りではアサリが貝毒で食べられないそうだし、地球はどうなってるのでしょうね。
シニアドライバーはアクセルとブレーキ間違えて事故多発するし、日本各地で加持も相次いでるし。
そんなこんなで秋葉大権現気になったのでしょうか。
円空さんの十一面観音も秋葉大権現も、特別展示場配布の展示物一覧には記載なかったですが、調べてみたら、ともに蓮田市個人蔵なんですね〜
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aoiさんへ (ulala)
2017-05-08 20:53:08
円空さん、それほど興味なかったんです。
岐阜の郡上八幡へ鮎食べに行って円空仏見に行こうさそわれてたのが、この度の展示会で間近に見て一般で虜になりました。
今回の展示は木像360度ぐるりを回って拝めたのでどれもこれも良かったのですが、いかんせん我が浅薄な知識ではすぐ忘れてしまう。
そうした中でこれだけインパクト残せるって円空さんスゴイわ。
岐阜旅で千光寺行けるかどうかわかりませんが調べてみます。
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火事が加持になってた (ulala)
2017-05-08 20:56:21
りひとさんへのお返事で、日本各地で加持も相次いでるし、
なんてついうっかり漢字変換ミスってるのに気づきました。
火事と書くつもりが加持、なんかワケありのような、、、
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加持なの? (りひと)
2017-05-09 09:05:06
本当辛いです、大事な地ばかり。あったまにくる〜は心の声。風の神のは二種乗っていると思いたいけど。秋葉さんは火除けのはず。過去に権力者が頼りすぎて眷属が強くなったとか。本当火は怖い。

でそうそう私も思いました、個人蔵でしたよね。この前も聞いてきたんですけど展覧会企画とか展示品に関わる方々の意向が反映してくるのでしょう。この時この展示物が出てきたというのも今迄と路線が違うのか?今までもそうなのか?そこも人間の意思だけではないようで気になりますね。
目くらましばかり、気を付けたいですね。2654
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りひとさんへ (ulala)
2017-05-09 09:33:38
この記事書くにあたり展示されてる円空仏はどこにあるのか調べてて、「埼玉県指定文化財 蓮田市個人蔵:矢島家所蔵」
リンク貼っておきましたが、埼玉県蓮田市江ヶ崎1202番地にある久伊豆神社の宮司 矢島忠男さんのエッセイに次の歌があります。
久伊豆の大神を讃える歌 五首より
大国主の神の御霊(みたま)は永遠(とこしえ)に
鎮まり坐さむ この神奈備に

最近グーグル地図で距離を測るというアクションで地図上に特定した地点に線を引き距離を測るというのにはまってます。
それでまた試してみました。
日光と、東京にある皇居、かつては江戸城ですよね、これを結んだ途中に、埼玉県蓮田市の久伊豆神社がのっかってきます。

久伊豆神社ってくいずと読むのかと思いきや、ひさいずじんじゃ なんですね。
久伊豆神社は、埼玉県の元荒川流域を中心に分布する神社で岩槻区内に8社も鎮座してましたわ。
久伊豆神社の分布範囲は、平安時代末期の武士団である武蔵七党の野与党・私市党の勢力範囲とほぼ一致、祭神は大己貴命(大国主)

円空さんは、何らかの思いをもってこのあたりに滞在し仏を彫られたのでしょう。
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加持 (aoi)
2017-05-09 11:22:24
昨今の山火事、住宅火災の多さ(今日も千葉の九十九里で6棟火事)ただならぬものを感じてしまいます。
日本の行く末を見せられているようで…。
「心で念じていると、つまり潜在意識にあるものが、形のあるものに表現される」
飛騨千光寺のご住職の講座は確か深層心理のお話だったような…?
円空の秋葉権現に火事鎮火の加持祈祷をお願いしたいです。

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aoiさんへ (ulala)
2017-05-09 11:48:17
まさに今のこの時期に秋葉大権現像が一番印象に残り、それがまた久伊豆神社ゆかりの円空仏というのもね。
そのクイズ神社、たしかめねふねさんのブログでかつて読んだことあるわと探してみました。

2015年5月25日埼玉北部を震源とする震度5弱が発生し、これについてかかれた一連の記事に
「神社は久伊豆神社。祭神はオオナムチ。
ひさいずだけど、クイズと読めます。
じっさい岩槻の久伊豆神社はクイズ製作者のメッカだそうです。
久伊豆神社の分布域は、フォッサマグナの柏崎千葉構造線、および中央構造線の交差域に関係すると思われます。
つまり、糸魚川静岡構造線と中央構造線が交差し、今回の地震とおなじミロクラインにある諏訪大社と対応します。
諏訪大社はオオナムチの息子のタケミナカタですしね。
また、日光二荒山神社や、伊豆半島のつけ根にある真鶴岬の貴船神社のオオナムチを通して箱根ともつながっています。去年貴船祭りで小早船が転覆しました。あれもまた伊豆箱根の反応のひとつ。ことしの箱根山の異変を告げていたといえます。
・・・
これからはじまる昭和(の清算)への神々の勝負ってな~んだ?」
詳しくは→http://amanohitukukami.blog28.fc2.com/blog-entry-359.html

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久伊豆神社 (aoi)
2017-05-09 12:41:16
子供が思春期で思い通りにならないし、こっちは更年期。
親子で頭がおかしい時期です。
久伊豆神社に救いを求めて月参りをしました。
ネットで「足止め」に効くとあったのです、そのご利益をお願いしに行ったのかも?
神社はお願いを受け付けて下さるところとばかり思っていた時代でして、ご祭神も知らずお願いばかりの月日でした(笑)
荒川から長~い参道を通って神様がお出でになるような神社でした。
東京から、なぜそんな遠い神社にお願に行ってたのか、謎、クイズですね。

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