ルーマニアの旅では、聖ニコラエ教会のほかに、シナイア僧院がルーマニア正教会でした。
ブカレストから車で2時間ほどの距離にあるシナイア地方は、日本で言えば軽井沢。
高級山岳リゾート地で夏は避暑、冬はスキーなどでにぎわうそうです。
1695年に建立されたシナイア僧院があるから町の名がシナイアになりました。
中世のルーマニア貴族カンタクジノは17世紀末イスラエルへ巡礼の旅に出かけた時シナイ山へ行きました。
帰国後にこのシナイア僧院を建てました。
カンタクジノ家の紋章、双頭の鷲の紋章があちこちで目に付きました。
門をくぐると右手に新しい教会。
カロル1世が1846年に建てた新教会は、地元では大教会(ビセリカ・マーレ)と呼ばれています。
堂内の赤を基調にしたフレスコ画と、すでに古色を帯びはじめた祭壇がすばらしい。
教会内の撮影は禁止されてます。
左側の白塀に囲まれた中庭に古い教会(Biserica Veche)
17世紀末にカンタクジノの跡を継いだブルンコヴェアヌ公がポーチを増築した以外、当時のまま保存されています。
教会の入口に描かれたフレスコ画は素晴らしい。
外壁はもちろん、教会内もびっしりと描かれています。
ここも撮影禁止でした。
文字が読めない人たちのために、絵でキリストの教えを広めるのに非常に役立つものだったそうです。
カトリックならば正面に祭壇が見えるのですが、
正教の教会では、
イコノスタシスと呼ばれるイコン(キリスト、聖母子、聖人などの肖像画)が並べて懸けられた壁でさえぎられています。
イコノスタシスより奥へは、聖職者以外は入ることはできません。
↑ ネット検索によりイコノスタシスの画像もらってきました
ルーマニア正教は、キリスト教とは十字の切り方が異なり
タテに降りた手は
右から左へとヨコにクロスします。
そして椅子がない
立ったままの礼拝が行われます。
足の不自由な人だけのためにわずかな椅子が用意されてるだけです。
カトリックやプロテスタントの教会と違って、礼拝中に聖歌を歌うときは
ア・カペラ
よってオルガンがありません。
鐘楼下は、イコンなど教会関連グッズが販売されてました。
小さなクロスのペンダントを買い求め気に入ってずっと身に付けてます。
次回クロス特集でレポートしますね。
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正教会とは
「正教」は、異端や分離の動きが盛んであった中世に、
ハリストス(キリスト)がもたらした本物の福音という意味で本家のキリスト教の代名詞になりました。
正教会は、聖地エルサレムをはじめとして、
シナイ山、中近東各地、ギリシャ、ルーマニア、ブルガリア、ロシア、アルメニア、グルジアなどの地域にキリスト教初代から分布しています。
1200年まえから徐々にバルカンの国々、そしてロシアに広がりました。
教会のかたちは国や民族を単位としていて、それぞれの国の首府に本山があります。