メール記載の「官邸関係者」は内閣参事官、「委員以外の関係者」は中江と姉崎、他1名は安倍晋三関与をチャラにするストーリー

2019-02-28 12:55:06 | 政治


   2019年7月28日任期満了実施参院選で

   安倍自民党を大敗に追いつめれば

   政権運営が行き詰まり 

   2019年10月1日の消費税10%への増税を

   断念させる可能性が生じる



 【謝罪】2019年2月25日の当「ブログ」に厚労省から「毎月勤労統計の改善に関する検討会」阿部正浩座長宛の最初のメールの日付は2015年9月4日なのですが、2通目のメールの日付は同じ9月4日としたのは誤りで、正確には「2015年9月14日午後4時8分」の発信でした。謝罪します。年のせいで、かなり頭が疲れているようです。

 発信日2015年9月4日、発信者「毎月勤労統計の改善に関する検討会」(略称「毎勤改善検討会」)の事務局員である労働省雇用・賃金福祉統計課長補佐手計(てばか)高志の最初のメールに、〈なお、現在、検討会での検討結果等については官邸関係者に説明をしている段階であります。〉と記載されている「官邸関係者」とは当時労働省首相官邸出向の内閣参事官であり、2015年9月14日の2通目のメールに、〈意見をいただいた部分について、反映等を行っているところですが、委員以外の関係者と調整をしている中で〉云々と記載の「委員以外の関係者」とは、前首相秘書官中江元哉と元厚労省統計情報部長であり、「毎勤改善検討会」の事務局員でもある姉崎猛と統計関係の有識者だと厚労署側が明らかにした。

 いずれも安倍晋三の統計不正への政治関与を否定する文脈での公表だが、事実は関与していながら、その関与をチャラにするためにつくり上げたストーリーなのか、そうではないのかを問題にしなければならない。安倍晋三の不正関与は前首相秘書官中江元哉に指示、その指示に基づいて中江元哉が厚労省に働きかけて行われたとの状況証拠を野党が国会で積み上げている。指示の目的はアベノミクス経済がうまくいっているかのように国民に見せかけるための統計操作だと見られている。心証から言うと、安倍晋三ならやりかねない悪巧みである。

 先ず、どのような経緯を取って、このような公表に至ったのか、簡単に振り返ってみる。

 2015年の3月31日に前首相秘書官中江元哉が首相官邸に厚労省の宮野総括審議官と姉崎統計部長を呼びつけて、統計の取り方について話し合っている。どのような話し合いなのかは2019年2月15日衆議院予算委員会で国民民主党・無所属クラブ奥野総一郎に答弁している。

 中江元哉「具体的な日付は2015年の3月31日だったと思います。それで具体的な遣り取りについては、説明のときは4年前のことでありますので、詳しくは覚えておりませんが、その際、私からは厚労省の方々に賃金統計に関する基礎統計についてこれまで公表していた数値が過去に遡って大幅に変える理由等を尋ねたところ、全数入れ替え、サンプルを全部入れ替えるという方法を取っているためであるという回答でありました。

 そこで私の方から過去に遡って大幅に公表された数値が変わるようでは経済の実態がタイムリーに表せられないのではないかという観点から、どうしてそのような(企業)サンプルを全数入れ替えする、そういう方法を採用しているのかということを聞きました。また、ほかの統計に於いても同様に全数入れ替えという方法が取られているのかということを聞いた記憶がございます。

 また、他の統計は諸外国の事例などを見つつ、専門家の意見を聞くなど、経済の実態を適切に、先程申し上げましたようにタイムリーに表すために改善の可能性について考えるべきではないかという問題意識を伝えた記憶がございます。

 私と致しましては当然の反応をしたつもりであります。現にそのときの統計結果に対しましては有識者の方々から様々な指摘がなされたと承知しております。これらはやるときはすべて政策的な観点からのものであると考えております」

 要するに経済の実態をタイムリーに反映するためには企業サンプルを全数入れ替えするのではなく、部分入れ替え方式で統計を取るべきではないかと「問題意識を伝えた」――と言えば聞こえはいいが、問題提起した。これが安倍晋三の指示による政治関与が効いた統計不正の開始なのかと問題視されることになった。

 中江元哉が「これらはやるときはすべて政策的な観点からのものであると考えております」と言っていることは、どういう統計方法を採用するかの結論は「毎勤改善検討会」の有識者各委員が政策的な観点から決めることであって、私はノータッチですよ、つまり雇い主である親分の安倍晋三も関知していないことですよの意味を取ることになる。

 実際に中江元哉はこのあとで、「総理にはご報告はしておりません」と厚労省職員との話し合いそのものから安倍晋三の存在を外す発言をしている。このように安倍晋三は無関係ですよと暗に言ったり、国会答弁で示したり、様々に手を打たり、安倍晋三自身が「アベノミクスを上振れさせるためのものでない」などと言わなければならないのは政治関与を疑われても仕方がない統計不正の構造を取っているからに他ならない。

 2019年2月20日衆院予算委員会で立憲民主党の長妻昭が「何か変なメールが出てきた」との物言いで、厚労省が「毎勤改善検討会」の座長である阿部正浩に送信したメールの存在を指摘、厚労相の根本匠にメールの提出を要求。阿部正浩が受信しているメールだから、隠しようがないと観念したのだろう、厚生労働省は2月22日に阿部正浩座長に送信した、あとからまで出てくるかもしれないが、取り敢えずは3通のメールを衆院予算委員会理事会に示した。いずれも発信者は「毎勤改善検討会」の事務局員である労働省雇用・賃金福祉統計課長補佐手計高志となっている。

 1通を除いて2通共に上記示したように官邸の関与を疑わせる文言が記載されていて、「毎勤改善検討会」の事務局員である労働省雇用・賃金福祉統計課長補佐手計高志と同様に同じ事務局員である厚労相の姉崎猛と首相官邸で前首相秘書官中江元哉と面会し、統計の取り方について話し合っている関係上、中江元哉が「官邸関係者」に目されることになった。

 姉崎猛は2019年2月22日の衆院予算委で立憲民主党の小川淳也の追及に答弁している。

 「9月14日の午後の早目の時間に(首相官邸に行き)『毎勤の検討会』の6回目が近かったので検討会のことについて簡単に触れた。その際、秘書官(中江元哉)から、『コストと言うよりも、ちゃんと実態を把握するような観点から言うと、部分入れ替えもあるのではないか』というようなコメントがあった」と答弁、さらに「14日に総理秘書官のところに行ったときは毎勤改善検討会の報告書の最終的な調整っていうか、修正を指示してやっていたのでですね、それなんで、秘書官のところにいくとき修正中だったので、資料とか持っていかなくて、口頭で説明をして、そういうことだったんで、いずれにしてもそのとき資料を、担当課で、第6回目の検討会に向けて修正をしている最中でしたので、こういう結論になるみたいな感じでは言わなかったんじゃないかというふうに、調整中で・・・・」と答弁を重ねている。

 要するに中谷元哉は2019年2月15日衆議院予算委員会では2015年3月31日に首相官邸で姉崎猛等と面会した際にはどういう統計方法を採用するかの結論は「毎勤改善検討会」の有識者各委員が政策的な観点から決めることであって、私はノータッチですよといった趣旨の答弁をしていながら、約半年後の9月14日になっても、「毎勤改善検討会」の議論の行方、あるいは結論の行方に大きな関心を払っていた。いわば有識者各委員の議論・結論に任せるは口とは裏腹な事実――ウソ答弁となる。

 小川淳也の質問に対する姉崎猛のこの答弁に関して前首相秘書官中江元哉は次のように答弁している。

 「9月14日に厚労省の姉崎さんと宮野さんが来られたということでありますけれども、私、その時期にそのようなことは思い出せません。当初からの問題意識からすると、経済の実態をより理解に表す方策として部分入れ替えということがあるなら、そうした考え方を専門的に進めて貰ったらどうかというようなことを申し上げたかもしれないが、いずれにしても専門家の方々が検討されている訳ですから」

 「申し訳ありませんが、覚えておりません」と記憶にないで始まり、記憶にないで結んでいる。

 但しここでも有識者各委員が政策的な観点から決めることであって、私はノータッチですよといった趣旨の答弁を繰り返している。つまり親分の安倍晋三もノータッチですよと言っていることになる。

 中江元哉が例え全然記憶がないことでも、2015年9月14日に首相官邸で姉崎猛が中江元哉と面会して、検討会の議論について姉先が「検討会のことについて簡単に触れた」と発言している以上、統計の取り方についての議論をしていた「第5回毎勤改善検討会」の中間的整理案の結論が「総入れ替え方式が適当」だったのに対して2015年9月14日の検討会座長に宛てたメールでは、〈サンプルの入れ替え方法について、部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきました。〉と、第6回目の検討会の議論の中に「部分入れ替え方式」を割り込ませようとしていることは首相秘書官中江元哉が望んでいた部分入れ替え方式に一歩近づかせる「意見」となる。

 姉崎猛が中江元哉と面会したとしていることに対して中江元哉が記憶していないとしている食い違いが安倍晋三関与の疑惑を一層掻き立てることになったことになった。この疑惑を打ち消すためにだろう、厚労省は2月21日に立憲民主党の小川淳也の要求を受けて、姉崎猛は報告書案の修正は「首相秘書官に説明に行く前に行った」と文書で回答したと、2019年2月21日付「毎日新聞」は伝えている。

 修正の日時を記事は、首相官邸で中江元哉と面会したのは9月14日午後であるのに対して〈「修正指示の具体的な日時は9月11日(金)の夜か14日(月)の朝」「当時担当が多忙で修正がぎりぎりになったのかもしれない」〉と、姉崎猛の主張を伝えている。

 勿論、この文書回答の内容に添って姉崎猛は以後国会で追及されても答弁することになる。だからこそ、文書回答2月21日の翌日の上記2019年2月22日の衆院予算委での立憲民主党小川淳也の追及に対しては2015年9月14日の首相秘書官中江元哉との面会時の遣り取りを說明するのに「毎勤改善検討会の報告書の最終的な調整っていうか、修正を指示してやっていたのでですね」とか、「秘書官のところにいくとき修正中だった」、「第6回目の検討会に向けて修正をしている最中でした」等々、報告書案は「調整中」を何度も強調することになったのだろう。

 首相秘書官統計不正不関与説=安倍晋三統計不正不関与説はこの程度で打ち止めにしておけばいいのに2019年2月25日午前の衆院予算委員会で厚労省政策統括官の藤沢勝博が発信日2015年9月4日のメールに記載されていた「官邸関係者」は当時厚労省から首相官邸に出向していた内閣参事官だと明らかにしたと2019年2月25日付「毎日新聞」が伝えている。

 内閣参事官がどの程度の地位なのかネットを調べてみると、「コトバンク」に、〈内閣官房・法制局や各省庁などで、その部局の所掌事務に参画し、重要事項の総括整理や立案などを行う、課長級の職員。〉と出ている。

 単に首相官邸に出向の身である課長級の職員に検討結果等を説明しているとわざわざメールで座長相手に知らせる意味がどこにあるのだろうか。検討会の議論にどれ程の影響力を与える力を持っているというのだろうか。首相官邸の高い地位にある人物に説明しているとすることによって、その影響力からしても、意味を持つことになる。

 安倍座長にしても、「官邸関係者」の文字を見て、高い地位の人物を頭に浮かべたろう。低い地位の人物を頭に浮かべても、何の意味も出てこない。

 こう見てくると、内閣参事官はスケープゴートにされた疑いが濃厚となるだけではなく、もしスケープゴートだとしたら、これまでの経緯から、安倍晋三統計不正不関与のストーリーを涙ぐましいばかりに一生懸命打ち立てようとしている様子が浮かんでくる。

 2通目の2015年9月14日のメールに記載がある「委員以外の関係者」は厚生労働相根本匠が国会答弁では首相秘書官中江元哉だとしていたにも関わらず、2月26日の閣議後記者会見で中江元哉と姉崎猛、統計関係の有識者の3名であると明らかにしたと2019年2月26日付「asahi.com」が伝えている。

 2015年9月14日のメールは、〈委員以外の関係者と調整をしている中でサンプルの入れ替え方法について、部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきました。〉とある。中江元哉は2015年9月14日の首相官邸で面会した姉崎猛からの検討会の報告は記憶にないと否定しているが、記憶の有無に関係なしに報告を受けたことが事実となる。

 さらに中谷元哉は「自分は問題提起のみで、決定は専門家が決める」といった趣旨で、自身は決定にはノータッチであったかのように国会答弁しているが、当日の首相官邸で、〈委員以外の関係者と調整をしている中で、部分入れ替え方式で行うべきとの意見が出てきた〉とメールに記載がある以上、「委員以外の関係者」とは中江元哉と姉崎猛、統計関係の有識者を指すことになり、この3人の誰が「部分入れ替え方式で行うべきとの意見」を出しのかは予てから部分入れ替えを問題意識として提起していた中江元哉が主体的役割を担っていたことは想像に難くない。

 このことだけではない。「第5回毎勤改善検討会」の中間的整理案の結論が「総入れ替え方式が適当」と位置付けていたのに対して首相官邸面会2日後の2015年9月16日の「第6回毎勤改善検討会」では、阿部座長の欠席のもと、「サンプル入れ替え方法については、引き続き検討することとする」という「中間的整理(案)」に変更された上、第7回、第8回と開催を予定していながら、そのまま立ち消えとなっただけではなく、このことを受けてのことだろう、「厚労省」は2018年4月に、〈従来、調査対象事業所のうち30 人以上事業所は、2~3年ごとに、新たに無作為抽出した事業所に総入替えを実施していたが、平成30 年からは毎年1月分調査で一部を入れ替える方式に変更〉と、「毎勤改善検討会」の結論を経ずに部分入れ替え方式に変更している不自然さからしても、首相官邸の関与=安倍晋三の関与を事実と見なければ、これまでの政府側答弁の経緯と整合性が取れなくなる。

 関与が事実だからこそ、「官邸関係者」を内閣参事官だとするスケープゴートとするストーリーを、さらに「委員以外の関係者」を中江元哉一人ではなく、さらに2人を加えて3人とする、安倍晋三関与をチャラにするストーリーが必要になったはずだ。


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