不特定多数利用の利用者の少ないトイレに子どもを一人で行かせるな 親は学習しなければならない

2015-07-06 08:13:33 | Weblog

 7月4日(2015年)土曜日午後、奈良県香芝市でリサイクルショップに家族と買い物に来ていた小学6年生11歳の女の子が店のトイレに行ったまま行方が分からなくなった。

 リサイクルショップは道路を挟んで北館と南館があり、女の子は家族と北館で買い物。午後1時50分頃、南館にしかないトイレに1人で行ったまま戻ってこなかった。家族が見に行ったところ、トイレに女の子のサンダルが右足の方だけが残されていた。家族は警察に通報した。

 警察は翌5日午後、公開捜査に踏み切った。

 店の従業員がトイレの付近で悲鳴を聞いていたこと。同じく従業員が4日午後、駐車場から出て行く不審な車を目撃したこと。県警が近くの防犯カメラの映像から車を割り出し、5日夜、同県御所市内で発見して追跡。大和高田市内で車を止めて職務質問し、後部座席にいた女児を無事保護し、無職26の男を監禁容疑で現行犯逮捕した。

 1日置いたけれども、スピード解決と言うのだろうか。

 例え無事であったとしても、無事と被害とは紙一重と考えなければならない。単に連れ去る目的であったとしても、自分にとってその場で犯行が露見しかねい状況を相手がつくり出したために自分自身が冷静さを失ってパニック状態に陥った場合、露見しかねない状況を相手を力ずくで静かにさせることによって抹消するという、自身でも予定していなかった結果を招くこともあるだろうからである。

 勿論、その場で殺してしまうということもあるはずだ。究極の支配が殺人だと言われている。自身と同じ成人の女性と対等な関係で自由に交際できないと、どうしても女性を支配したい欲求が働く。支配によって女性への欲望を思い通りに充足させようとする。

 だが、自由な対等な関係を築くことができない以上、支配欲求は、それが強くなれば強くなる程、究極的には監禁、あるいは殺人という強制力に向かわざるを得ない。監禁に対して相手がおとなしく従わなければ、いわば支配が順調に推移しなければ、殺人という形で自分以外の男の自由になることのない究極の支配を果たさなければ、自分自身が満足できないだろう。

 最初は監禁によって女性に対する支配を確立する目的であっても、監禁を成功させる前の過程で何らかの偶然が働いて不測の事態が生じ、突発的に殺人という事態を招いてしまうこともあるに違いない。

 男が同年齢程度か年上の女性への嗜好を一般的として成長していくのに対して遥か年下の女児や少女に対して性的嗜好を抱くのは男性として成長していく過程で自身にふさわしい年齢の女性と自由な対等な関係での交際に何かがキッカケとなって絶望したか、あるいは単に困難さを感じただけで諦めてしまったか、そういった若年体験が影響して代償行為として年少の女児や少女への性的嗜好に向かわせるのだろうか。

 世の中にはそういった性的嗜好を抱えたまま成長していく男は決して少なくないはずだ。これまでも成人した男による女児誘拐が何件も発生している。 

 今回と同じようにトイレで誘拐された事件も起きている。

 2011年3月3日午後7時半頃、熊本市のスーパーに家族で買い物に来ていた3歳の女の子が家族から離れて一人でトイレに入った。その後、跡をつけていたのか、若い男がトイレに入り、女児の首を絞めて殺害、背負ってきた空のリュックに遺体を詰めて店を出て自転車で逃走。

 熊本県警は防犯カメラの映像などから20歳の大学2年生の男を容疑者として特定。男の供述通り市内の川で女児の遺体を発見し、遺体遺棄容疑で逮捕。後に殺人容疑で再逮捕。

 熊本地検は起訴する際、強制わいせつ致死の罪を加えている。

 利用者の少ない不特定多数利用のトイレの、特に個室は第三者に気づかれにくい犯罪決行の格好の密室となりやすい。

 スーパーという利用者の少ないトイレが成人女性と自由な対等な関係での交際を構築できない反動――代償行為から生じているはずの女児、あるいは少女対象の性的支配欲求を持った男の、その支配欲求を充足させる犯行現場となった。

 いきなり殺すつもりはなかったとしても、性的な面での支配欲求を充足させるための取っ掛かりを目的としていたはずだ。

 男児や少年に性的嗜好を抱える成人男性も存在する。世の中にこのような性的嗜好を抱えたまま成長していく男が少なくなく存在する以上、熊本の事件で殺害された女児の家族にとっては悲惨で、辛い記憶になっているとしても、世の親たちは熊本の事件を教訓に年少の子どもを商業施設等の不特定多数利用のトイレに一人で行かせることの危険性を学習しなければならない。

 だが、今回の奈良県香芝市のリサイクルショップでの事件では親は何も学習していなかったようだ。特にリサイクルショップのトイレは店の外から入る構造だそうで、より人目につきにくい密室として利用し易い、あるいは利用を唆(そその)し易い空間となっていた。

 このことは女性を盗撮するという性的嗜好を抱えた男たちの盗撮の現場との一つとしてトイレが頻繁に利用されていることが証明している。

 女児が無事だったから良かったものの、無事と被害とは紙一重のもので、偶然の作用次第でどちらにもサイコロの目は振れると考えて、何が危険なのかを学習することが何よりも確かな子どもたちの安全の備えとなることを常に頭に置いておくべきだろう。

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