安倍晋三には「G7の結束」を言う資格も、「AIIB参加国を批判するつもりはない」と言う資格もない

2015-06-12 07:36:02 | 政治



      「生活の党と山本太郎となかまたち」

      《6月11日 安保関連法案審議の本質について 小沢一郎代表談話》 

      ~憲法・国連憲章・日米安保条約の三位一体で日本と世界の平和を実現する~   

 ドイツ・エルマウでのG7サミット=先進7か国首脳会議。日本時間の6月7日夜、最初のセッションで世界経済や成長などをテーマに意見を交わしたという。

 安倍晋三「G7は、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値に立脚して国際社会の秩序を支えてきたが、世界には、力による現状変更、暴力的な過激主義の脅威など、安全保障上の脅威が存在する。われわれには基本的な価値を守り、子孫にしっかりと引き渡していく責任がある。

 中国が主導するAIIB=アジアインフラ投資銀行への参加を巡ってG7各国の対応が分かれたが、G7がしっかり結束していくことが非常に重要だ。AIIBに加わる国と加わっていない国があるが、参加した国を批判するつもりはない。緊密な連携をとる必要がある」(NHK NEWS WEB

 下線個所の発言は解説文を会話体に直した。

 安倍晋三はプーチン・ロシアによるウクライナの併合を巡って「力による現状変更は認めない」と何度も何度も厳しい言葉を発信した。だが、「力による現状変更は認めない」ことの効力化の方法としての対ロ制裁に関しては欧米の制裁を単に後追いをした、決して積極的ではない、しかも欧米の対ロ制裁と比較してほんの申し訳程度に拳を振り上げる形式の制裁に過ぎず、G7の結束から離れていたし、現在も離れている。

 当然、他のどのような場面に関しても、中国主導のアジアインフラ投資銀行に関しても、安倍晋三には「G7の結束」を言う資格などない。にも関わらず、自身を何様に置いた立場から「G7の結束」を言う。言うことのできる白々しさ、言って、何とも思わない厚かましさは見事である。
 
 「AIIBに加わる国と加わっていない国があるが、参加した国を批判するつもりはない」の発言にしても、同じようにそう言う資格などない。イギリスやフランスやドイツが自ら判断した参加である。良い方向に向かおうと、悪い方向に向かおうと、その責任・リスクは負う覚悟で参加したはずである。何も考えずに参加しはわけではないだろう。

 結果的にAIIBが悪い方向に向かったとしても、そうとは決まっていない時点で、「批判するつもりはない」と言う、オールマイティではないにも関わらず自身を何様に置いたどのような資格が安倍晋三にあると言うのだろうか。

 中国は長期的には成長率が世界平均に収束する見通しではあるものの、2030年までに世界最大の経済大国になるとの予測すらある。この予測にあるこれまでも世界経済を牽引してきたし、これからも世界経済を牽引していくとする予定調和の崩壊は世界経済の牽引力を失うことを意味して、経済のグローバル化によって経済的に運命共同体となった世界各国にしてもマイナスの影響を避け得ない。

 と言うことは、中国だけではなく、欧州からイギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの先進国が参加し、全体的には現在世界の57国が参加していると言うことになると、世界経済に打撃を与えかねないAIIBの失敗を予定調和とするのではなく、成功以外は予定調和としないわけにはいかないことになる。

 メガバンクを形成する都市銀行が巨額の融資をした大企業が倒産しかかっても、その融資を守るために追加の融資をせざるを得なくなる悪循環の構図と同様の行く末は考えることはできないし、避けなければならないということである。

 対ロ制裁ではG7と異なる行動を取りながら、「G7の結束」を言う。批判するどのような資格もないのに自身を何様に置いて批判する。安倍晋三の道理の所在と道理に応じた言葉の使い分けの能力はどうなっているのだろう。

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