国民新党下地幹郎の普天間グアム国外移設論

2010-10-13 08:09:24 | Weblog

 臨時国会に於ける衆院予算委員会が昨10月12日スタート、国民新党下地議員が普天間基地の国外移設論を展開した。下地議員は沖縄県知事選への出馬を要請されていて近いうちに態度を明らかにするそうだが、知事に当選した場合、果して打ち上げた国外が県内に化けないか、その疑いが残らないでもない。「日本の安全保障のために、アジアの平和のために俺一人が裏切り者になる」という口実も可能としなければならないからだ。

 だが、提案の可能性を検証して、県内移設絶対反対・国外移設派として利用できるところは利用すべきだと思うから、下地議員の国外移設論を参考に供するためにHP《衆議院インターネット審議中継》の動画から文字化してみた。パネルを何枚か出すが、動画ではよく見えないためにここへの記載は省略。

 ところどころに短い感想を入れた。

 下地幹郎議員「私は今は普天間問題一つに絞って質問させていただきたいというふうに思っております。あの1996年の、7月12日に、橋本・モンデール会談で。これが返還が決められたわけですけれども、今日(こんにち)、15年の歳月が経ちました。

 そろそろですね、客観的にこの問題を見なければならない時期を迎えているんではないかなあと思うんです。まあ、過去の日記ではなく、未来を変えるのではなく(ママ)、建設的な質問させていただいて、総理からも是非建設的なご答弁をですね、いただければと思います。

 先ず一点目のパネルをちょっと見ていただきたいんですけども、この一点目のパネルのですね、一番目の方に共通の項目がありますけれども、これ見てお分かりのようにですね、沖縄の基地の負担軽減と、日本の抑止力の維持って言うのは、それは両方が成り立たなければいけないんです。だから、これからの政策っていうのは、沖縄の基地の負担軽減もあるけれども、ちゃんと抑止力が維持できると。しかし、日米同盟も大事だけど、沖縄の基地の負担もやると。こういうふうなスキームをつくることが大事です。

 今日は三つの案が今ありますから、これは後で図示します。しかし下の方に書いてあるように、アメリカ側のある意味都合で、この2014年の、返還の時期がですね、2020年に変えると、いうようなことになると思うんです。そうなってまいるとですね、今の普天間のど真ん中にそのままあと10年間普天間に基地が残ると。

 私たちは普天間の移設ばっかやってきましたけども、10年間は残ることになってくると、まさに私たちは普天間の基地の除去も同時にやらなければならなくなってきたのかなあと思うと。そのためには日本政府は学校や保育園やそして病院、そういうふうな地域のですね、移設をしたっていう場合に予算的にも制度的にもできるような仕組みをつくる。

 アメリカ側はできるだけ普天間に帰ってこない。シュワブとかハンセンとか、訓練場とか伊江島とか30近くのヘリポートがありますから、その地域にいながら、訓練をして、できるだけ普天間に帰ってこないっていうような、危険の除去をですね、現実的にやっていくと、

 まあ、こういうようなものが必要になってくるのかなあと、いうふうに思っております。

 まあ、そういう意味で後で総理に質問いたしますけども、その普天間基地の危険の除去って物凄く大事で、やらなければならないという認識をですね、後でお伺いしたいと思います。

 次のパネルですけども、先程申し上げましたように三つあります。県内移転と言うものがありますけれども、これ、今見てお分かりのように日にち的にはなかなか厳しいですね。厳しい。

 今自民党の沖縄の県連も県外、国外とおっしゃる。民主党もそのようにおっしゃるわけです。今度知事選がありますけれども、公約は県外、国外になると、しかし、この公約のときはですね、県外、国外となるけども、選挙終わったら、許認可の印鑑押すんじゃないかと言う声がありますけれども、私はこんなことをやったら、もう日本は、沖縄の基地行政は崩壊すると、思うんです。また、こういうふうにですね、公約違反に期待してですね。公約違反に期待をして、普天間の基地の問題を解決しようなんて、政府がお考えになるとしたら、これはもう本末転倒だと思うんです。

 こうなってくると、厳しい状況になってくると、何をやるかって言ったら、特措法をつくる以外は道はないんです。これはもう、2000年にもつくりましたけども、この権限をですね、県の権限を国が取って、この、米軍の工事をやるという特措法をつくる以外ないんですけども、今日地方分権というふうな状況の中で、そこまで踏み込んで国が特措法をつくるというようなことはできるかというと、それも厳しい。

 まあ、非常にですね、この辺野古の問題は厳しい環境にあるなあっていう認識をですね、持たざるを得ないと思います。

 二つ目の本土移設。鳩山総理が最低でも本土移設ということをお話しをしましたけども、この本土移設もですね、4県と23市長村が反対決議をしているんですよ。この反対決議していますけども、これはもう当たり前のことですね。沖縄でこれだけ事件・事故があるのに、その事件・事故を解決する仕組みをつくらないで、自分の県に基地を持ってきなさいというような人はいないんです。

 これはこの抑止力になるような地位協定改定をせずにですね、本土移設を政府が言うこと自体が私は問題があると思うんです。だから、地位協定の改定ができるかどうかが、本土移設のおお-きなポイントになるんじゃないかと思います。

 まあ、民主党、社民党、国民新党が野党時代つくりました。しかし、今政権になっておりますけれども、またこの地位協定がですね、米軍との協議の場にいかない。これはなかなか難しいんです。日本だけの地位協定を変えるんじゃなくて、韓国もフィリッピンも中東の国々も、この地位協定、ぜーんぶ変えなくていけなくなってきますから、私はそういう意味でも、地位協定の改定が難しいとなると、本土移設もなかなか簡単にはいかないねえーっていう、そういう認識論に立っているではないかと思います。

 三点目ですけども、この国外、まあ、川口議員が言ったこのグアム、サイパンていうところでありますけども、先程言ったように、アメリカの財政的な問題で、今回は、その、6年間延びるということになりましたけども、まあ、私はですね、それを解消するためにですね、大胆な提案をすべきだと思うんです。

 それは、もう、湾岸戦争のときに1兆2千億円出しましたけれども、1兆2千億円ですね、国民の負担をお願いする。この1兆2千億円、10年間ですから、1万、あーん、1年間で、10年間で国民1人当たり1万円、そして月でやったら、千円、あー、年でやったら千円、月でやったら、83円なんですけど、この1兆2千億円をですね、準備して、グアムを今提供するような、あの、貸付になっているような政調(?)に変えて、そして予算を海兵隊のプレゼンスを維持するためのこの支援体制のおカネにまわして、日本から、沖縄から海兵隊でなくなったあとの防衛予算に増やすという現実からもですね、トウショウノ(島嶼?)で、トウショウノ(?)のこういうふうな仕組みをつくるという意味での予算にもこれを回すと、まあ、こういうふうなことを大胆にやらないとですね、なかなか難しいんではないかと。

 そして今、グアムの予算はぜーんぶ金網の中ですよ。グアムの人々の予算には1円もいかない。グアムには病院がない。下水道は整備されていない。汚水処理場ができない。だから、この前グアムに行っても、基地の建設がグアムのインフラを上回らないようにしてくれって言うのがグアムの方々の思いですから、グアムの方々も基地が受入れやすいように、私たちの沖縄の基地が行くわけだから、そういうふうなおカネもやっていくということは、私は必要だと思いますね。

 そして国外の話をすると、日本の抑止力が大変になるという話がありますから、これちょっと見ていただければ、分かるように、ここではないですね(隣にいる議員がパネルを探している)、今、朝鮮半島にですね、有事の際にいくつかやってくると、今沖縄にいるキーステーションとしますとですね、佐世保から沖縄に来る、グアムから集積艦(事前集積船、あるいは事前集積艦――、アメリカ合衆国軍の輸送船。船隊を組んで世界の公海上に兵器や補給品を満載した状態で海上配備され、有事には空路駆けつける米陸軍や米海兵隊の将兵に対して、空輸に向かない重量のある兵器や大量の補給物資を沿岸部へ素早く供給することを目的とする。「Wikipedia」)が来る。2500人沖縄に(から?)乗って、グアムの、朝鮮有事に行くのに、5.8日かかりますよ。しかしグアムにこの揚陸艦もあり、集積艦もあったら、4日間で行きますよ。

 朝鮮半島の私は、その即応能力って言うのは、一挙に修正しての方が十二分に即応能力があると言うことはもう明確だと思います。それと同時にこれ、先程、海兵隊のですね、ペーパーがありますけれども、これはアメリカの海兵隊がですよ(パネルを探しながら発言している)、アメリカの海兵隊がこの前出した新たなプレゼンスというのは、アメリカの海兵隊の司令部が出した、陸外(?)の海兵隊の姿でありますけれども、沖縄にですね、そのまま駐留しているよりも、この海兵隊をですね、サイパンやオーストラリアや、そういう地域で同盟国と共同訓練をして、動的抑止力をやった方が日本の抑止力のためにもいい、そういうふうなことをおっしゃる方々も海兵隊の中にいるんですね。

 ま、そういう意味ではですね、シーサーのように沖縄にそのままいるのではなくて、兎に角海兵隊を動かす。そのとき戦費がかかるんだったら、日本側が出しても、日本の抑止力のためだから、僕はいいと思うんです。

 グアムが日本の抑止力のためになるんだったら、思いやり予算もグアムにまで波及効果してもいい。抑止力もしっかり守るけれども、沖縄の基地の負担も(グアムが)できる。

 こういうふうなね、大胆なことを是非にですね、考える時期にきているのかなあと思います。そして、あの、財政のとこですけども、こういって1兆2千億円出すって言うと、おカネがかかりそうな感じですけども、沖縄から海兵隊がいなくなるとですね、今の資糧(=資金と食糧?)が安くなりますし、周辺地域のおカネがかかりませんから、私の安い見積もりでもですね、1兆は1千60億円ぐらい、年間、このおカネが削減される。沖縄に今まで出しているのが出せなくなる(ママ)。1兆1600億円(1兆1060億円、どちらなのか分からない)ぐらいまでは私はつくれるんではないかと思うんです。

 そうなると、1兆2千億円出しても、10年間で十二分にこの、償却ができる。日本の財政に圧迫するような金額にならないと、いうふうに私は考えているんであります。

 それで最後には、質問させていただきますと、総理はですね、あの、時間がないから早口になっていますけども、個人演説会じゃないですよ(隣の議員がパネルを探し当てるのを待っている)、あのですね、総理、沖縄の今、県内か県外かって、沖縄が県民同士対決してますけど、この大きな対決の構図の中でですね、沖縄の基地は負担軽減やってもいいけど、本当に安全保障は大丈夫なのかっていう声があることだけは確かなんで、こういう国益のジレンマにですね、沖縄県民が非常に悩んでいるということだけは十分に理解してもらいたいです。

 それでもう一個大事なことは、今やらなければいけないことは普天間の危険の除去と、普天間の移設を早く決めることです。 

 15年前から沖縄政策協議会やってますけども、あれ、今5年後にスタートしましたけど、沖縄の振興のための政策協議会なんです。今ね、沖縄の振興のための政策協議会はやっても意味はない。なぜかと申しますと、基地の整理縮小をやらない限り、沖縄の県政は絶対よくならない。基地が還ってこない限り、どこに何を造っていいか分からない。だから、この二つに絞って、政策協議会はやるべきだと私は思っております。

 それでですね、沖縄の予算は自民党政権下でですね、この10年間で1千200億、1千200億減らされているんですよ。1千200億。それでいて、官邸にですね、反対に沖縄の市町村長を呼んでですよ、カメラとフラッシュをたいて、沖縄のためにやっていますよと言いながら、予算を付けるかのようにやっているが、結局はナリタク(?)の予算は1千200億円減ってるんじゃないですか。

 (減らされた1千200億円に余程恨みがあるのか4回口にしている。)

 こんな馬鹿げたことはしなくていいんです。ナリタク(?)の予算をちゃんとつければ、官邸に集まらなくても、十二分にモノはできる。そういうふうなことをですね、是非、パフォーマンスをやるのではなく、実体的に沖縄のことを是非やってもらいたいと思います。

 それで最後になりますけれども、この協議会をですね、もう一回、欠席者(「出席者」の間違いか?)をつくってください。私はアメリカの大使と防衛庁長官と沖縄県知事と話してですね、1年間かけて、じっくりと話し合う。そして大事なことは、大事なことは、絶対官僚を入れないことですよ、官僚、外務官僚だとか防衛官僚だとか、入れなくて、積み上げじゃなくて、政治家がやる。これがヒジョーに大事。政治家が決めて、官僚に具体的な物事を指示していくという遣り方をやっていくことが私は必要だと思っています。

 まあ、そういう意味ではですね、もう日米安保条約、この日米合意を進めていくと言っても、なかなか難しい。しかし国家間で決めた日米合意を破棄することは私は良くないと思う。それをちゃんとスタートにしながら、しかしオバマ大統領が11月に来るときにはですね、新しいスキームで話し合いを移行、ちょうど10年間延びるんだから、10年間延びるんだから、1年間ゆっくり話し合いをしようと、そういうふうなことをですね、大統領に申し上げて、具体的な政治をですね、対応をしていくことを是非提案したいと思いますけども、この対応に対するお考えと、そして今の普天間の危険の除去の考え方と、政策協議会に対する総理のお考えを、この三つをですね、答弁ですね、いただきたいと思います」

 中井委員長「随分範囲の広いご質問というか、ご意見でしたが、エー、どういう・・・・」

 下地議員「総理だけでいいです」

 中井委員長「それでは菅総理大臣」

 菅首相「下地議員から、まさに、最も地元をよく知っておられる議員の一人として、まあ、かなりですね、具体的に、あるいは示唆に富んだ、アー、提案を含めたご質問をいただきました。エー、まあ、すべてに関して、エー、同じ深さで、お答えできるかどうかは分かりませんが、基本的な立場だけは先ずは申し上げておきたいと思います。

 (熱意もなく、抑えた語調。「エー」、「アー」が多いときは返答に窮して誤魔化そうとしているときか、熱心さを示すことができないときかいずれかであろう。)

 ええ、現在ですね、政府の立場はご存知のように、本年は5月28日の日米合意を踏まえつつ、同時に閣議決定でも強調されたように沖縄の基地負担の尽力(ママ)に全力を尽くすという立場に立っております。勿論この間ですね、エー、沖縄のみなさんが、必ずしも、この、日米合意に、エー、賛同を、されていない方が多い、あるいはこの沖縄の選挙などに於いても、そういう結果が出ていることも十分、承知をいたしております。

 エー、そいう中で、エー、色々と、オー、説明をしたりしておりますが、先程、オー、協議会という話が出ましたが、エ、ご承知のように、沖縄政策協議会というものが元々、あったのがこの5年間半ほど動いておりませんでした。エー、それを本年9月に私も仲井真知事もご出席をいただきまして、エー、再開と言いましょうか、エー、いたしまして、勿論、沖縄振興の話もありますけれども、米軍の基地負担についてもですね、部会のようなものを二つ、それぞれにつくって、エー、議論をしていこうということで、仲井真知事と合意をいたしまして、まあ、第二段階と言いましょうか、2回目を私の内閣になってから、2回目を、準備をしているところであります。

 エー、そいう中で、エー、オバマ大統領が来られる。あるいは、アー、2020年に、エー、グアム移転が、まあ、延びたと、私たちは必ずしも思ってはおりませんが、下地議員の方からは、エー、チャンスと把えてですね、もっと根本的な、アー、議論をォー、やったらどうかと、あの、お気持は分からないではありません。ただ、アー、先程申し上げたように、エー、私が6月に政権を担当して、まだ4カ月でありますけれども、5月の28日に、イー、日米合意、そこから、アー、スタートをするという、この考え方は先程、下地議員にも、理解をしていただいたと思います。

 その中で、先ず、何か、現時点でできるかそのことを、徹底的に、イー、模索をし(少し言葉に力が入る。)あるいは、アー、沖縄の皆さんにも説明をし、エー、しかし、決して沖縄のみなさんの声をですね、無視した形で、特措法という言葉も出ましたけども、そういった形で、強引なやり方をするということは、念頭に全くありません。ま、その点では、アー、この5月28日の原則を踏まえながら、アー、努力を、できるところまで、しっかり努力していくと。

 今下地議員の方から、アー、色々な提案が出ておりますが、そういうものがですね、エー、この、オー、実際のオ、課題に乗り得るかどうかですね、現時点では、5月28日の原則と、オー、日米合意と、そして、沖縄の基地負担の軽減に全力を上げると、この、立場で、エー、この沖縄の、アー、協議会も含めて、エー、進めていくと、まあ、そういう、状況であると、いうことを、申し上げて、答弁とさせていただきます」

 (前々から何度も言っていることの繰返しでありながら、「アー」、」「エー」の言葉を入れなければ、次の言葉にスムーズにつなげることができない。積極的な姿勢の発言とはなっていないことが分かる。)

 下地議員「あの、今、特措法をおやりにならないという、まあ、そのメッセージは非常に沖縄県民にも分かりやすくて、信頼できる答弁だと僕は思います。

 (野党時代は「沖縄に海兵隊はいらない」と言っていながら、首相になると、当時の状況と違うと言葉を変えるうような男だから、決して「信頼できる答弁」とは言えない。)

 まあ、5月28日に日米合意ができましたから、これスタートにすること大事なんです。国家間のことであります。しかし、日本側がね、まだ決まっていないわけではなく、日本側がずらしてくれと言っているわけではなく、アメリカの都合で10年間、6年間、6年間、ね、6年間延びる可能性が出てくるっていうのは、僕は菅総理がですね、この15年間ホーントウにどの政権やってもできなかったことができる、ある意味スタートだったんじゃないか。総理、運がいい方だと僕は思いますよ。(周囲で失笑がこぼれる。)

 このチャンスをね、私は交渉の遣り方として逃がすべきじゃない。この時間をかけてじっくりとやっていきましょうと、言うようなことをね、今年の11月のオバマさんとのね、会談では、私は提案していくことは、野党で反対する人は誰もいないと思いますよ。

 そういう意味でもですね、建設的に、建設的に、日米関係非常に大事でありますから、そういうふうな仕組みをですね、私はこれからもですね、提案していくと言うことは非常に大事。そして、負担に対しても、きちっと、その先程、資金提供、湾岸資金の提供、の提案をさせていただきましたけどもそういったことも含めて、国民にはなーんでも率直に話していくという、いうようなこともですね、私はやっていくという、新たな日米同盟を進化させていく。そういう姿を是非描いていただきたい。そういう期待をして、私の質問は終わります。ありがとうございました」

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