覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

ライヴ録音の楽しみ(TESTAMENTのクレンペラーとウィーン・フィルのボックス)

2005年08月03日 | 音楽
・最近は過去の名演奏家のライヴ録音の発掘が盛んですね。それまで知られていたスタジオ録音にはなかったレパートリーが聴けたり、レコード会社の関係で実現しなかった組み合わせでの演奏があったりして、その楽しみは限りないです。

・先日もテスタメントからクレンペラーとウィーン・フィルのライヴ録音を集めたボックスが発売されました。発売が予告されてから待ちに待ったセットでした。今まで様々なレーベルから出ていて、私もいくつかの録音は持っていましたが、今回ようやく正規の音源から良好なステレオ録音でCD化されたのは本当に喜ぱしいことです。

・この録音を聴いていて嬉しいのは、演奏の素晴らしさはもちろんなのですが、会場の雰囲気がしっかり残されていること。演奏の前後の拍手が入っているのはもちろん、楽章間もほとんどカットされていないようです。一枚目に収録されているモーツァルトのセレナードの前には、わざわざトラック1が「Ambience」(環境とか雰囲気という意味だそうです)となっていて、奏者が軽く音出しをしている様子がしっかり残されています。

・歴史的なコンサートを、より忠実に再現しようという制作者の意気込みとこだわりを感じます。わずかなことかもしれませんが私にはとても嬉しいことでした。(一部でも話題になっていましたが、このセットではシューベルトの「未完成」の演奏後に、以前のDG盤には入っていた「美しい」と誰かが発した声はカットされています。「クレンペラーの声ではない」と娘さんが言ったそうですから、とすると一体誰の声だったのでしょうね。)
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カラヤンとベルリン・フィルのチャイコフスキー交響曲第4番(1971年のEMI盤)

2005年08月02日 | 音楽
・高校時代の友人から暑中見舞いのはがきをもらいました。最近はすっかりメールでのやり取りの方が多くなってしまいましたが、やっぱり直筆のはがきや手紙を貰うとなんだかちょっと嬉しいものです。

・暑い日が続いていますが、そんな中、物凄く熱い演奏を聴きました。カラヤンとベルリン・フィルの演奏でチャイコフスキーの交響曲第4番。1971年のEMIへの録音です。この時、一緒に5番と6番も録音されて、その2曲は先年DISKYからリマスター版が発売されましたよね。残念ながら私はそれを持っていないんです。「そのうちそのうち・・・」と思っていて買い逃したものの一つです。

・4番がDISKYから出なかったのはマスターテープに問題があったからだそうで、そうこうしている内に国内盤も廃盤になって見つからなくなってしまいました。その「幻の」(大げさかな?)4番が韓国のEMIから正規盤として発売された(5番と6番も入っています)というので、早速買ってきました。

・ジャケットの中の解説は当然すべてハングル文字。韓国製のCDって私、初めてです。収録時間の関係で5番が二枚に分かれています。音はDISKY盤を聴いていないので比較できませんが、やや残響が多目ながら(イエス・キリスト教会での録音です)私は特別気になるようなことはありませんでした。

・さて演奏ですが、もうこれはただ一言、「恐れ入りました!」というもの。好き嫌いはともかく、こんな演奏を聴かされたらそう言いたくなります。一人一人の奏者の見事なテクニックと音色には舌を巻くばかり。特に金管楽器の輝かしい見事な響きには圧倒されます。圧倒されるのはオーケストラだけでなくカラヤンの指揮にも言えます。この録音を聴いていると、とてもセッションとは思えない、ライヴのような熱気と高揚感を感じます。思うが侭に、やりたいように指揮をしたらこうなった、というような勢いがあります。これだけの演奏を作り上げるというのはやはり容易なことではないと思います。

・このブログでも取り上げた「英雄」のDVD以来、私の中でちょっとしたカラヤン・ブームが起きています。今までに聴いた録音のすべてを気に入ったわけではありませんが、「おおっ!」と唸らされたものも多々あります。そのうち、今までほとんど聴いていないモーツァルトの交響曲を聴いてみたいと思うのですが、EMIに入れたものとDGに入れたもの、とりあえずどちらを先に聴いたらいいか迷っているところです。
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チェルカスキーのラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番

2005年08月01日 | 音楽
・8月になりました。早いですねえ・・・。

・昨日、NHKの「思い出の名演奏」という番組でシューラ・チェルカスキーの演奏を放送していました。録画だけしてまだ見ていないのですが・・・。チェルカスキーと聞いて思い出したのがこの演奏。ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番。ルドルフ・シュヴァルツ指揮のBBC交響楽団との共演で1957年のライヴ録音です。この演奏、「レコード芸術」の視聴記にも取り上げられたことがあるのでご存知の方も多いかもしれません。

・チェルカスキーの演奏で持っているのはこの盤と、ベルリン・フィルと共演したチャイコフスキーの1,2番の協奏曲の録音だけなのですが、それらを聴いた感想は「面白いおじさんだなあ」ということ。それに抜群のテクニックを持っていることもよくわかります。

・このラフマニノフ、第1楽章が始まった途端になんだか聴きなれない音が・・・。あの有名な主題をオクターブで弾いているではありませんか! この時点でこの演奏が「普通じゃないな」という空気が漂い始めます。指揮者やオーケストラにはお構いなく、突然「ツツっ」と走ったかと思えばブレーキをかけてみたり、「ババン」と大きな音を鳴らしたかと思えば聴こえないくらい音量を落としてみたり、悪く言えば「やりたい放題」の演奏が繰り広げられます。

・チェルカスキーが何かする度に指揮者とオーケストラは「ええっ!!!」という感じで必死に合わせようとするのですが、残念ながら置いていかれることばかり・・・。そして極め付きは第3楽章の終結部分。まるでCDの回転が狂ったかのように突然猛烈な勢いでピアノが走り始めると、もうその後はグッチャグチャ。演奏が終わると聴衆も呆気に取られたかのように、一瞬の間が空いてから拍手が起こります。普通、この曲のライヴ録音だと最後の音が鳴り止まないうちに「うわーっ」という喝采が起こる事が多いと思うのですが、この日の聴衆の素直な反応がこの録音にもしっかり記録されているようで面白いです。

・この演奏の映像が残っていたらぜひ見てみたいですねえ。指揮者やオーケストラがどんな顔で演奏していたのか、演奏が終わった後、指揮者とピアニストは握手をしたのか・・・興味津々です。そういえばこのおじさん、チャイコフスキーでもこんな感じだったような・・・。

・チェルカスキーは最晩年にデッカにこの曲を再録音しているようなので、それがどんな演奏になっているか聴いてみたいものです(現在は廃盤のようです)。顔からして「いたずらっ子」がそのまま大人になったような感じがしますよね。とっても愉快な演奏で聴きながら何度もニンマリとしてしまいました。
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