覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

ヨッフムのハイドンとヒンデミット

2006年04月26日 | 音楽
・BBC LEGENDSからヨッフムの新譜が出ました。曲はハイドンの「軍隊」と「時計」、ヒンデミットの「ウェーバーの主題による交響的変容」の3曲。オーケストラはハイドンがロンドン・フィル、ヒンデミットがロンドン交響楽団で、3曲とも70年代のステレオ・ライヴ録音です。

・これは素晴らしいアルバムでした。ライヴということもあるのでしょうが、とにかくテンションの高い演奏です。一曲目の「軍隊」の第1楽章からノリノリ。「音楽をする事が楽しくて仕方がない」という感じで、聴いているこちらまでウキウキしてきます。こういう演奏で聴くと本当にハイドンの曲は楽しいです。ヨッフムとロンドン・フィルはスタジオ録音も残していてそちらも大変素晴らしいと思いますが、今回の録音は何よりもライヴの良さが十分に出ていておすすめです。

・ヒンデミットの曲は私はあまり聴いた事がないのですが、これも楽しい曲ですね。解説によるとジャズの要素なんかも入っているらしく、とても親しみの持てる曲です。こちらの演奏もいいです。というか、ほかの演奏と聴き比べをしたわけではありませんが、曲とオーケストラの相性の良さを感じますし、ヨッフムが笑みを浮かべながら楽しそうに指揮をしているような気がするのです。

・3曲とも心がスカーッと晴れるような素晴らしい演奏でした。「ヨッフムのハイドンなんて別に目新しくもないな」と思った方(かく言う私がそう思ったものですから・・・反省)にも是非おすすめします。

BBCL 4176-2 1973年1月30日(ハイドン) 1977年6月23日(ヒンデミット) ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
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バリリ四重奏団とデムスのブラームス ピアノ四重奏曲第1番

2006年04月24日 | 音楽
・ブラームスのピアノ四重奏曲第1番、以前、シェーンベルク編曲のオーケストラ版のほうを取り上げましたが、今回はオリジナルの方を。デムスのピアノとバリリ四重奏団の演奏で聴きました。

・全曲、魅力的なメロディーの宝庫。特に、第1楽章のブラームスらしいちょっと切なくて憂いのある旋律など「ああ、ブラームスだなあ・・・」と思います。ピアノ(ベーゼンドルファーかな?)も弦も録音も、そんな曲の雰囲気にぴったり。ウエストミンスターに残されたウィーンの音楽家による室内楽って本当に素晴らしいですね。普段あまり室内楽を聴かない私もこのシリーズのものは度々取り出します。この記事を書いているうちになんだかウラッハの演奏したクラリネット五重奏曲が聴きたくなってきました・・・。
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ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルのショスタコーヴィチ 交響曲第10番

2006年04月22日 | 音楽
・最近ちょっとはまっているショスタコーヴィチの交響曲第10番。こちらも最近はまっているムラヴィンスキーとレニングラード・フィルの演奏で聴きました。

・唖然・・・。凄すぎて笑っちゃいますね。これでライヴだっていうんですから。そりゃちょっとしたミスぐらいはありますが、この圧倒的な迫力と説得力の前ではほんの些細な事。こんなの実演で聴かされたらしばらく立てないかもしれません。またしても恐れ入ってしまいました・・・。

VICC-60377 1976年3月3日(ライヴ) 
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カラヤンとベルリン・フィルのブラームス ハンガリー舞曲第5番

2006年04月21日 | 音楽
・このブログを始めて一年が経ちました。初めの頃に比べると最近は更新頻度がぐんと落ちましたが飽きっぽい私にしてはよく続いたものです(自慢にもなりませんが・・・)。今後は一行日記のような形でもなるべく更新するように努力したいと思いますので、引き続きよろしくお願い致します。

・カラヤンとベルリン・フィルによるブラームスのハンガリー舞曲第5番、私にとってとても懐かしい演奏です。私の父はクラシックが好きというわけではないのですが、それでも何枚かレコードを持っていてその中の一枚にこの演奏がありました。この曲以外には「ペール・ギュント」の朝とか「くるみ割り人形」の花のワルツとかが入っていたので、オリジナルではなく「ポピュラー名曲集」のようなものだったのでしょう。その中で一番よく聴いたのがこの曲。当時、この曲を使ったCMが流行っていて曲が気に入っていたせいでしょう。

・今でもそのレコードがどこかにあるはずなのですが、プレーヤーを取り外して以来、そのレコードとも、この演奏ともご無沙汰していました。十数年ぶりの再会(再聴?)。そうそう、これですよ、このゴージャスな響き! 当時の事を思い出しますねえ・・・。今の耳で聴くと「ちょっと流麗過ぎるかな」という気もしますが、このコンビならこういう演奏を期待しますよね。そう、これでいいのです。しかしカッコいいなあ・・・。

POCG-5037 1959年9月 イエス・キリスト教会(ベルリン)

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ベームのR・シュトラウス「死と変容」

2006年04月18日 | 音楽
・先日、ある店に寄ってみたら、懐かしい「METEOR」の新品CDが在庫処分で出ていたので何枚か買ってみました。最近の海賊盤はCD-Rが主流ですが、ちょっと前まではちゃんとプレスしたCDで出ていて、輸入盤を扱っている店にはごく普通に置いてあったものですが、この頃はすっかり見かけなくなりました。いずれにせよ海賊盤ですから、お店としては「扱わない」、消費者としては「買わない」というのが正しいのですが・・・。

・「METEOR」からはベームのライヴ録音が随分出ていました。今日聴いたのはベルリン放送交響楽団との共演でR・シュトラウスの「死と変容」(カップリングはケルン放送交響楽団とのブラームスの交響曲第1番)。珍しい組み合わせです。詳しいデータが書いていないのでわかりませんが、終演後の拍手が無いので放送用のセッションだったのでしょうか。聴きやすいステレオ録音でした。

・ベームの「死と変容」は今回のものも含めて私は3種類聴きましたが、どれも白熱の名演奏揃いで、今回の演奏も、冒頭の切ない響き、中間部の激しさ、終結部のまさに浄化された安らかさなど、ベームの曲への思い入れの深さを感じました。

・今回のCDは海賊盤ですし現在手に入りにくいものですのでおすすめはできませんが、ベームの「死と変容」ということではOrfeoから出ているドレスデン国立管弦楽団とのライヴ録音が今回のもの以上に素晴らしいと思います。同じ日に演奏されたモーツァルトの交響曲第29番、マーラーの「亡き子をしのぶ歌(アルト:クリスタ・ルートヴィヒ)」ともども、オーケストラの素晴らしい演奏(音色!)とライヴならではの高揚感が味わえて、地味ながらもきらりと光る録音だと思います。
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フリッチャイとベルリン・フィルのチャイコフスキー 交響曲第5番

2006年04月14日 | 音楽
・私がよく利用する駅の近くにはある大学のキャンパスがあって、時々楽器の練習をしている音が聞こえてきたりするのですが、今日通りかかるとトランペットの練習をしている音が耳に入りました。「どこかで聴いた事のあるメロディーだなあ・・・」と思ったら、チャイコフスキーの交響曲第5番の終楽章のコーダのところでした。大学オケのコンサートで取り上げるのでしょう。ということで今日は私も「チャイ5」を聴くことにしました。

・今日聴いたのはフリッチャイ指揮のベルリン・フィルの演奏。1949年、フリッチャイが35歳のときの録音です。ストレートに自分の思いのたけをぶつけたような、若さとエネルギーに満ち溢れた勢いのよさが魅力の演奏。正攻法でグイグイと進んで行く所はちょうど上り坂にあったフリッチャイの面目躍如と言った所でしょう。

・ベルリン・フィルも、この頃はまだフルトヴェングラーがいた時代。見事なアンサンブルと重厚な音色が実に頼もしく、フリッチャイの指揮をしっかりと支えています。フリッチャイにしてみれば胸を借りるような感じだったでしょうし、ベルリン・フィルとしても、将来この指揮者との関係が深くなるであろうと思ったセッションだったのではないでしょうか。

・フリッチャイのチャイコフスキーは素晴らしいと思います。「悲愴」も凄い演奏でした。50代、60代のフリッチャイがどんなチャイコフスキーを演奏したか・・・恐らくとてつもない名演になったのではないかと思います。聴いてみたかったですね。フリッチャイやケルテスといった指揮者が長生きしていたら現代の音楽界の勢力図も大分変わっていたでしょう。
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クレンペラーとフィルハーモニア管弦楽団のベートーヴェン 交響曲第8番

2006年04月12日 | 音楽
・数日来降り続く雨で家の中はジトジト。週間予報を見るとまだまだぐずつくようです。早く晴れないかなあ・・・。

・クレンペラーの指揮だとベートーヴェンの交響曲としては比較的小ぶりなこの曲も大曲になります。しかし、「小ぶりな」というイメージは単純に演奏時間が短い事と、中間楽章のユーモラスな雰囲気からそんな感じがするだけで、よく聴いていると両端楽章はなかなか激しい曲です。

・クレンペラーの指揮、私はとりわけ第1楽章の悲壮感のようなものすら感じさせる響きが印象に残りました。テンポも決して遅くはありません。クレンペラーというと遅めのテンポをイメージしますが、この録音の頃(1957年)は標準的、また曲によってはやや速めのテンポのものがありますね。

・大指揮者の個性がしっかり刻印された、お腹にずっしりとこたえる充実の演奏でした。
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ミュンシュとボストン交響楽団のハイドン 交響曲第102番

2006年04月08日 | 音楽

・昨日の残業の疲れが残って今日は一日ぼんやりと過ごしてしまいました。世の中は民主党の代表選のニュースが大きく取り上げられていますが、さて、小沢さんになったところでどうなりますか。今までも度々感じたことですが、今回のゴタゴタで、いかにまとまりのない党であるかということをさらけ出した訳で、私も含めて呆れ返った人も多いはず。「みんなで支え合って」ということがないんですね。ある意味、現代を象徴しているのかもしれません。これまでずっとよそよそしい態度をとっていた張本人の小沢さんが党首になった事で、周囲がどういう協力の仕方をするか見物です。とにかく野党第一党としてもっとしっかりしてもらはなくては困ります。

・柄にもなく政治の話などしてしまいました・・・。さて、今夜はミュンシュとボストン交響楽団の演奏でハイドンの交響曲第102番。ハイドンの交響曲、「パリ・セット」と呼ぱれるものより後の曲にはたいてい愛称があって演奏回数も多いですが、その中にあって愛称の付いていない曲はやはり演奏回数も録音も少ないようです。この102番もそのうちの一つ。単独で録音されることって滅多にないですよね。

・今日聴いた演奏はミュンシュとポストン交響楽団が1956年にロシアヘ行った際のモスクワ音楽院でのライヴ録音。レコードからの盤起こしのようで針音はありますが鮮明な音質です。静謐な序奏に変わって明るくのどかな雰囲気の漂う第1楽章、どこか哀愁漂う第2楽章、典雅なメヌエットの第3楽章、快活な第4楽章、曲想に変化があって私は結構好きな曲です。ミュンシュの指揮はそんな曲想の変化を鮮やかに描き分けてくれ、ボストン交響楽団の木管は瑞々しい音色で花を添えます。終楽章のダイナミックでスピード感溢れる演奏は実に爽快でした。ミュンシュのハイドンは珍しいと思いますが、この演奏を聴くともっといろいろ聴いてみたくなります。

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ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルのベートーヴェン 交響曲第7番

2006年04月07日 | 音楽
・このところムラヴィンスキーの録音を色々聴いています。初めてムラヴィンスキーの演奏を聴いたのはDGへ録音した有名なチャイコフスキーの三大交響曲。「悲愴」はそれまで苦手な曲だったのですが、この演奏で初めて良さがわかった覚えがあります。今回聴いたのはベートーヴェンの交響曲第7番。ムラヴィンスキーのベートーヴェン、残されている録音はどれも鮮烈な印象を残します。いずれも速いテンポを基本にして「余分なものは極力排除しました」という感じ。「英雄」、第4、「運命」は特にその感が強いです。

・第7番はムラヴィンスキーとしてはそれほど頻繁に取り上げた曲ではないようで、録音もあまり無いようです。今回聴いた物も1964年のモノーラル・ライヴ録音で、鮮明ではあるのですが強奏で音が割れるところがあるのが残念。

・聴いてみて意外だったのは第1楽章。いつものように速めのテンポで進むのかと思っていたら比較的ゆったり目のテンポ。一歩一歩地を踏みしめるような力強さ、重厚さの方が勝った演奏で、聴いていてあの広大なロシアの大地を思い浮かべました。第2楽章以降はいつものムラヴィンスキーらしい、キビキビとした進行。終楽章のコーダの盛り上がりも見事でした。

・正直、私が聴く前に想像していたものとは大分イメージが違いました。数ある第7番の録音の中でも、またムラヴィンスキーの録音の中でもユニークな存在のような気がします。
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C・デイヴィスとドレスデン国立管弦楽団のメンデルスゾーン

2006年04月06日 | 音楽
・最近発売されたコリン・デイヴィスとドレスデン国立管弦楽団のメンデルスゾーン。交響曲第3番「スコットランド」と第5番「宗教改革」という私の好きな曲が、これまた私の大好きなドレスデン国立管弦楽団の演奏で聴けるという、なんとも贅沢なCDです。

・実際に演奏も期待通りで、ほかのオーケストラとはやはり一味違う、あの独特の温もりのある音色が楽しめて、私はそれだけで満足なのですが・・・ただ、某所でも指摘されていましたが、「スコットランド」の終楽章、本当に最後の部分でちょっと聴いた事のないカットがあるんです。本当にわずかなのですが、これが編集ミスなのかデイヴィスの指示なのか、どちらにしてもちょっと肩透かしを食らった感じなのは事実。編集ミスならとっくに回収されているでしょうし、録音を聴いた感じでは初めからそのように演奏された気もするし、なんとも???です。確かデイヴィスはバイエルン放送交響楽団ともこの曲を録音していたと思いますが、そのディスクにもこのカットがあるのでしょうか? 私はそちらを聴いたことがないのですが、気になりますね・・・。
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