覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

コンドラシンとモスクワ・フィルのショスタコーヴィチ 交響曲第1番

2006年02月28日 | 音楽
・夜のニュースを見ていたら、荒川選手の金メダルの影響で、CD店のクラシックコーナーの「トゥーランドット」の棚が空っぽになっている映像が流れていました。こんなところにもオリンピックの経済効果があるんですね。

・いつもコメントを下さるyurikamome122さんからトラックバックを頂戴したので、今日は久々にショスタコーヴィチの交響曲第1番を聴いてみました。考えてみたらこのブログでショスタコーヴィチの曲を取り上げるのは初めてかもしれません。この曲、ショスタコーヴィチがまだ10代のころに書かれたものなんですね。私のような素人の耳で聴く限り、とてもそんなふうには聴こえません。やっぱり天才なんですね。

・解説を読んでいたら、この曲は初演直後から大評判で、トスカニー二、クレンペラー、ワルター! も取り上げたとか。トスカニーニ、クレンペラーはともかく、ワルターが取り上げたというのには驚きました。どんな演奏になったんでしょうか、聴いてみたかったです。

・今回聴いたのはコンドラシン指揮のモスクワ・フィルの演奏。ショスタコーヴィチの交響曲、私はこのコンドラシンの全集で初めて聴き通せた曲が多いんです。ショスタコーヴィチの曲というと交響曲の5番とか9番あたりならともかく、そのほかの曲は年に一回聴くか聴かないかというような有様でしたから、ショスタコーヴィチの交響曲の面白さを教えてくれたこの全集に私は信頼を置いています。どの演奏も比較的速めのキビキビしたテンポで進められ、この時代のロシアのオーケストラの音色も味わえる演奏は私のような入門者にはぴったりでした。

・今日聴いた第1番もそう。実はyurikamome122さんが取り上げられたチェリビダッケとミュンヘン・フィルの演奏も去年聴いているのですが、その時は今一つピンと来なかったのです。それが今日のコンドラシンの演奏で聴くとすんなり聴けるんです。あっ、こういう曲なんだ、って。聴く順番が違ったみたいです・・・。近々チェリビダッケの演奏に再チャレンジしてみようと思っています。
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フランソワのドビュッシー「喜びの島」

2006年02月26日 | 音楽
・最近、CDの購入はもっぱらネットショッピングになりました。というのは、少し前までは仕事の関係で週に二回か三回は渋谷に出ていたので、HMVやタワーレコードへ簡単に立ち寄る事ができたのですが、去年の暮れから立ち回り先が変わりそれがなくなってしまったのが一つ。もう一つはネットで頼んだ方が割引率が高かったりダブルポイントになるケースが多かったりすること。しかしこれが曲者で、ついつい頼み過ぎてしまうんです・・・。「今月はこれでやめよう」と思っていながら『間もなくキャンペーン終了』という文字を見ると「それじゃあ安いうちにあれとこれを・・・」となってしまう、意志の弱さに呆れてしまいます。

・フランソワが弾いたドビュッシーの「喜びの島」、これは先日ふらっと立ち寄った店で見つけました。後の未完に終わったピアノ曲全集より前に録音された名曲集のようなアルバムです。後の録音よりテクニックも冴えていてダイナミックな演奏。ほかの曲も好調時のフランソワの魅力を楽しめるものばかり。録音も、マスタリングの関係か私の持っている全集より聴きやすく、なんだか掘り出し物を見つけたようで嬉しくなった一枚でした。
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雨の日曜日

2006年02月26日 | Weblog
・このところなかなか仕事の疲れが抜けないところへ、昨日は職場で倉庫整理やら何やらかなりの肉体労働をしたため、今日は背中から腰、腕に鈍い痛みが・・・。

・私の職場はこの二ヶ月で環境が激変。一月に会社の人事異動で一人が異動。二月には、仕事ができ仲間からも頼りにされていた人が社員同士のちょっとしたトラブルが原因で異動になってしまい、それがもとでその人を慕っていたアルバイトの学生が二人辞めてしまいました。新しく異動してきた人は別業種からの転職組みで、入社してまだ間もなく、会社のことも仕事の内容もまだ良くわからない状態で配属されてしまったため体調を崩してしまい、二週間で辞めてしまいました。

・というわけで私の職場は異常事態。おまけに人員不足。毎日、別の部署から応援の人が代わる代わる来てくれるのですが、同じ職場で毎日違う人と仕事をするというのはそれなりに気を使うもので精神的にかなりの負担です。こんな状態がまだ暫く続くのかと思うと憂鬱になります・・・。

・職場で私は年長者の部類に入るのですが、どうも最近の若い人たちを見ていると人付き合いが下手というか、相手の気持ちを思いやる事ができない人が多いように思います。気持ちを思いやるなんていうと少々偉そうでキザな言い方かもしれませんが、早い話が相手の人を見て行動するという事でしょうか。この人はこういう性格だからこう言ったらまずいな、とか、こうしてあげたら喜ぶな、とか。これ、別に顔色を窺うとか機嫌を取るとかいう事とは違います。少なくとも私はそういうつもりで仲間や上司に接してはいません。お互いに気持ち良く仕事をしたり付き合っていく上で必要な事だと思うのですが・・・。今回の職場のゴタゴタを見ていてつくづくそんな事を感じています。

・偉そうな事を言ってしまいましたが、考えてみると私もこのブログにコメントやトラックバックを頂いた方へ中々お返事もせず、どんどん時間が経って失礼をしてしまうことがよくあり・・・本当に申し訳なく思っています。こんなブログでも見てくださりコメントやトラックバックをして頂けるというのは本当に嬉しい事です。これからも細々ながら続けて行くつもりでおりますので、今後ともよろしくお願い致します。
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シュタインとベルリン・フィルのロッシーニ「ウィリアム・テル」序曲

2006年02月23日 | 音楽
・CMで流れているせいか「ウィリアム・テル」序曲が聴きたくなったのですが、私は意外にこの曲のCDを持っていないんです。随分CDを集めましたがロッシー二の序曲集はジュリーニ盤しか持っていないような・・・。そういえば・・・と思い出して取り出してきたのはホルスト・シュタインとベルリン・フィルの演奏。CD-R盤です。ただでさえディスクの少ないシュタインがベルリン・フィルを指揮しているなんて珍しい、と思って買ったものです。

・ジャケットには1982年10月9日のライヴ録音と書いてあります(会場は不明)。ということはまだカラヤンの時代ですよね。シュタインとべルリン・フィルの正規録音というのはオペラのハイライト盤を見かけたことがありますが、ほかにもあるのでしょうか? このCD-R盤には次の曲が収録されています。

・べートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番
・チャイコフスキー(A・シュミット編):アンダンテ・カンタービレ
・ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
・ショパン(ピアティゴルスキー編):夜想曲第20番
・ドヴォルザーク:スラヴ狂詩曲 Op.45-2
・ロッシーニ:「ウィリアム・テル」序曲

・これがこの日のコンサートの全曲目なのかわかりませんが、珍しいプログラムですよね。一体どういう機会のコンサートだったのでしょう。定期演奏会ではなさそうだし、べルリン・フィルがよく行っているピクニック・コンサートのような演奏会だったのでしょうか。

・さて肝心の「ウィリアム・テル」序曲ですが、これが実に見事な演奏!!! 当時のぺルリン・フィルですから合奏能力の高さはもちろん、そこに重厚さが加わって大変な迫力。終結部分は聴いていて体が熱くなってきて、最後の音が鳴った瞬間、思わず聴衆と一緒に「プラボー!!!!!」と叫びたくなりました。

・この曲はもちろん、この盤を通して言えるのはシュタインの確かな実カ。シュタインは一般的に「職人」と言われる部類に入るのかもしれませんが、ただ堅実な指揮をするだけではなく、曲の良さをしみじみ実感させてくれて、さらにそのオーケストラの持ち味を確実に生かすことのできる人だと思います。ウィーン・フィルを指揮したプルックナーやグルダとのべートーヴェンのピアノ協奏曲全集、バンベルク響とのブラームスやシューベルトの交響曲全集、どれも名演だと思います。以前にも書きましたが、今回の演奏を聴いて、またつくづくこの人の録音の少なさが惜しまれたのでした。こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、風貌で損をしているの部分が大きいのでしょうか・・・。

・ところでロッシーニの序曲集というと誰の演奏が有名なのでしょうか。やっぱりカラヤンとかアバドですか?
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ケンペとフレージャーのR・シュトラウス「ブルレスケ」

2006年02月22日 | 音楽
・R・シュトラウスの「ブルレスケ」、ユーモアたっぷりの曲調でピアノの華麗な技巧とカラフルな管弦楽の掛け合いが楽しい曲です。今日聴いたのはマルコム・フレージャーのピアノ、ケンペ指揮のドレスデン国立管弦楽団の演奏。ピアニストには大変申し訳ないのですが、この演奏ではピアノよりオーケストラについつい耳が行ってしまいました。これ、おかしな言い方かもしれませんが、ピアニストが悪い訳ではなくオーケストラが良すぎるのだと思います。

・私がこの曲を初めて聴いたのはルドルフ・ゼルキンのピアノにオーマンディ指揮のフィラデルフィア管の演奏でした。これは今でも大好きな演奏なのですが、フレージャーとケンペの演奏を聴いた後だと改めてフィラデルフィア管とドレスデン国立管の音色の違いにびっくりします。きらびやかでゴージャスなフィラデルフィアに対し、渋めの、よく言われるように木の温もりを感じさせる素朴なドレスデンの音色はまさに正反対。どちらがいいか、というのはもう好みの間題で、私はどちらも素晴らしいと思いますし、こういうところが同曲異演を聴く楽しみのひとつでもあります。

・そういえばドレスデンのティンパニーは本革? を使っているとかいう話を以前聞いたような気がしますが、確かにほかのオーケストラとは音色が一味違いますね。ティンパニーが大活躍するこの曲ではその音色をしっかり聴くことが出来ました(しかも見事!)。この曲、ピアノの活躍はもちろんですがティンパニーの活躍ぶりにも大注目です。
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セルとクリーヴランド管弦楽団のメンデルスゾーン交響曲第4番「イタリア」

2006年02月09日 | 音楽
・立春を過ぎてもなかなか暖かくなりませんね。春を待ち遠しく思うせいか、今日は無性にメンデルスゾーンの「イタリア」が聴きたくなりました。もともと好きな曲なので好きな演奏も色々あるのですが、今日はセル指揮のクリーヴランド管弦楽団の演奏を聴いてみました。

・第1楽章は快速テンポで飛ぱしてゆきますが、セルの指揮はただ速いだけでなく、よく聴いていると、途中でふとテンポを緩めたりすることで表情を変化させるんですね。燦々と陽光が降り注いでいるところへ一瞬雲がかかるのてすが、すぐにまた明るい日差しが差し込んでくる、そんな感じでしょうか(下手なたとえですみません・・・)。

・昨日のベルリン・フィルにも驚かされましたが、やっぱりクリーヴランド管も素晴らしいですね。第1楽章や終楽章での畳み込んでゆくリズムの歯切れの良さは聴いていて爽快です。

・最近改めてセルの演奏を聴いていると新しい発見が色々あったりして新鮮な気分になります。細かい所までとてもよく計算されていながら頭でっかちになる訳ではなく、そこに自然な感情の揺れも入っていて、よく言われる「冷たい」という印象を私はセルの演奏からあまり感じたことがありません。やはり20世紀を代表する大指揮者の一人だと思います。
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ラトルとベルリン・フィルのブラームス(シェーンベルク編曲) ピアノ四重奏曲第1番

2006年02月08日 | 音楽
・今日はブラームスのピアノ四重奏曲第1番を聴きました。といっても本来のピアノ四重奏版ではなく、シェーンベルクがオーケストラ用に編曲したもので、ラトル指揮のベルリン・フィルによる演奏です。今回私が見たのはコンサート全体を収録したDVDですが(前半はバレンボイムのピアノで同じくブラームスのピアノ協奏曲第1番)、この曲の演奏はNHKでも放送されたのでご覧になった方も多いのではないかと思います。

・原曲の四重奏は何度か聴いたことがありますがオーケストラ編曲版を聴くのは今回が初めて。シェーンベルクは編曲するに当たって「仮にブラームスが現在生きていたとしても、彼自身が行おうとしたと思われること以上のことはしないように」ということを念頭に置いて取り組んだようですが、私が聴いてみた感想は「ブラームスなら絶対こうはしないだろうな」というもの。この編曲をブラームスが聴いたらさぞびっくりするでしょう。といって私としてはシェーンベルクの編曲を非難している訳ではなく、むしろ大いに楽しませてもらったのでした。

・「展覧会の絵」のピアノ版を聴くと、ラヴェルのオーケストレーションの見事さに改めて感心してしまいますが、今回のシェーンベルクの編曲もそれに負けず劣らず華麗なもので、ステージに並んだ人数や楽器の数を見るとまるでマーラーの交響曲が始まるかのよう。耳でも目でも楽しめます。

・ラトルは以前にもこの曲を録音しているようですから作品がすっかり手の内に入っているのでしょう。ツボを心得ている、とでも言うのでしょうか。そして何と言ってもベルリン・フィル!!! 相変わらず凄いオーケストラですね。ライヴでこれだけの演奏をしてしまうんですから。ソロの巧さや合奏の迫力はもうただただ感心するのみ。終楽章のコーダで加速するところは呆気に取られてしまいました。いやはや、実に愉快痛快な演奏でした。
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バーンスタインとウィーン・フィルのベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番

2006年02月01日 | 音楽
・今日の東京は一日雨。かなりまとまった量が降りました。風邪やインフルエンザが流行っているようなのでこの雨はちょうどいいかもしれません。

・今日は久しぶりの休み。そこへ折よく先日ネットで頼んだDVDが届きました。パーンスタインのライヴ映像を収めた9枚組みのセットです。この中に収録されているものの中のいくつかは最近日本でも発売されましたが、このセットには今のところ国内盤の発売予定がない映像も収録されていて、さらに値段も格安(私はアマゾンのマーケットプレイスで購入したのですが手数料込みで8600円程でした)。ただ問題はリージョンコードが違うので一般のDVDプレーヤーでは見られないということ。このセットの存在を知ってから何とか見る方法はないかネットで色々調べたところ、リージョンフリーの設定が出来るプレーヤーを発見。しかも送料無料で6OOO円でお釣りの来る価格。このセットのためにプレーヤーを買っても国内盤を揃えるより安い計算です。ということでプレーヤーも注文。こちらはDVDより一足早く到着しました。しかし、なんでもネットで用が足りてしまうのですから本当に便利な世の中です。

・さてお待ちかねのDVD、今日はまずべートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を見ました。バーンスタインがウィーン・フィルを弾き振りしています。会場はウィーンのムジークフェラインザール。1970年のカラー映像ですが音声はモノーラル。でも聴きやすい音質です。恐らく音声だけならステレオで残っているでしょう。画質は年代を考えれば「まあこんなものかな」と言ったところ。

・早速見てみるとコンサートマスターがあのボスコフスキー。ここでまずちょっと感動。続いてバーンスタインが登場。50代に入ったばかりの頃でしょうか、まだまだ若々しさを感じます。第1楽章はややゆっくり目のテンポ。ピアノはもちろんべーゼンドルファー。バーンスタインの演奏は指揮もピアノもとっても雄弁。これは映像なので余計にそう感じるのかもしれませんが、どの部分も曖昧さがなく言いたいことが聴き手によく伝わってきます。ピアノのテクニックも鮮やか、音色も美しいです。第2楽章になるとステージの照明が落ちてバーンスタインだけがライトで浮かび上がるという演出。楽章間、バーンスタインがピアノを鳴らしてオーケストラのチューニングをしている音声も入っています。ポスコフスキーは隣の奏者と何かひそひそ話。たっぷり間を置いて第2楽章が始まります。私は優しさと美しさにあふれたこの楽章が大好きです。ピアノと対話するオーケストラの美しさはウィーン・フィルならでは。木管のチャーミングな音色とバーンスタインの祈るようなピアノが印象的です。第3楽章はダイナミックにして軽快。オーケストラには度々目で合図を送ります。実に手馴れた物です。ここでもバーンスタインのピアノは鮮やか。そしてまた木管がいい音色。この時代のウィーン・フィルの木管ってどこか人懐っこい響きがして、そこが私にはたまらないんです。演奏が終わってボスコフスキーを抱擁するバーンスタイン。会場も万雷の拍手です。

・映像を見終えて、改めて「ああ、バーンスタインはスターだな」と実感しました。華があります。現代にもスター指揮者は沢山いますが、バーンスタインやカラヤンのような「華」のある人って・・・少ないような気がします。
コメント (7)
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