・先日記事にしたフランス国立放送管とのライヴに続いてクリップスの新譜が発売になった。ウィーン響とのマーラーの大地の歌。以前Orfeoから出ていたものとは別の1964年6月14日のモノーラル・ライヴ録音。クリップスの遺族が保管していたテープからのCD化という事だが、マスタリングのおかげか鑑賞に問題はない。オーケストラもソロも明瞭だ。これが仮にORFのマスターテープからOrfeoがCD化していたら、あのレーベル特有の何となく薄い感じの音質になっていたのかもしれないのでかえって良かったのかも。
・この録音、ヴンダーリヒとフィッシャー=ディースカウの共演というのが嬉しい。二人ともそれぞれこの曲の名演を残しているが、まさに夢の共演。しかし、二人ともなんと素晴らしい声なんだろう・・・。専門的な事は何も分からないが、この声、歌唱を聴いているだけで感動してしまう。よくぞ残っていてくれました、と感謝したくなる絶頂期の記録だ。
・クリップス指揮のウィーン響も絶好調。一曲目からライヴらしい熱気に満ち溢れている。何も知らないで聴けばウィーン・フィルの演奏じゃないかと思うくらい、弦や木管が往年のウィーンのオーケストラの音色なのも感激ポイント。終楽章のオーケストラの長い間奏も魅力的な音色で奏でてくれる。これからこの曲を聴く時にクレンペラー盤とともに手に取る回数が多くなるだろうな。
ヴンダーリヒが歌っているクレンペラーとフィルハーモニア管の大地の歌。こちらも超名盤。
フィッシャー=ディースカウが歌っているバーンスタイン、ウィーン・フィル盤。こちらもまた超名盤。