覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

バレンボイムとベルリン・フィルのモーツァルト ピアノ協奏曲第24番

2009年08月31日 | 音楽
・現在では室内管弦楽団のような小さめの編成で演奏するほうが主流かもしれませんが、フルオーケストラで聴く(もちろん、通常よりは小さくしているのでしょうが)モーツァルトも楽しいもの。バレンボイムの演奏では、まずオーケストラの部分に耳を奪われます。さすがベルリン・フィル! という感じの音の厚み。厚いといっても重くべたっともたれるようなことにならないのが素晴らしいです。

・ベートーヴェンの協奏曲も弾き振りでこなすバレンボイムですから、モーツァルトはお手の物。若き日にも弾き振りで全集を作っていますし。ピアノのテクニックは万全、音色も美しいです。余裕、などと言うといけないかもしれませんが、まさにそんな感じ。バレンボイムは極端に評価の分かれる人で、私も「これはちょっと・・・」と思う事はありますが、この全集はやはり現代を代表する演奏の一つだと思います。この曲に関して言えば、ウィーン・フィルはプレヴィン、ベルリン・フィルはバレンボイムと、世界を代表するオーケストラが素晴らしい演奏を残してくれているのが嬉しい限りです。

・しかしこの曲の、特に終楽章は本当に見事ですね。
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アンセルメとスイス・ロマンド管のベートーヴェン 交響曲第7番

2009年08月30日 | 音楽
・没後40年という事でアンセルメの録音が国内盤・輸入盤ともにたくさん復活しています。そのラインナップを見るとバッハからストラヴィンスキーまで実に幅広いレパートリーを録音していたことに驚かされます。さすがデッカの看板アーティストです。

・ベートーヴェンの全集は以前にも出ていたと思いますが入手しないうちに廃盤に・・・。私にとっては待望の復活です。まずは大好きな第7番から聴いてみました。スイス・ロマンド管らしい明るい音色が印象的です。こういう音色で聴くベートーヴェンもなかなか新鮮なものがあります。この曲にふさわしい軽快なテンポ、そしてアンセルメらしさなのかもしれませんが非常に見通しがいい。だからって決して軽い演奏という訳ではありません。オーケストラの音色とあいまってカラッと爽やかな好演だと思いました。残りの曲も楽しみです。

・最初、6枚組み国内盤の発売予告を見て予約をしたのですが、その後2枚組み分売の輸入盤の発売予告が出ました。収録曲を見比べると、輸入盤には国内盤にはない「レオノーレ」序曲第3番が収録されているではありませんか! 慌てて国内盤をキャンセルして輸入盤の注文をしたのですが、なぜ輸入盤に収録できたものが国内盤には収録できなかったのでしょうか? 制作担当者が録音の存在を知らなかったのか、調査が行き届かなかったのかはわかりませんが、ちょっと釈然としない感じです。価格も、ネット通販のセール価格だと輸入盤の方が安いし・・・。今回の国内盤のシリーズが良心的な企画なだけに惜しい、というかもったいない気がしました。 
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アシュケナージとコンセルトヘボウ管のラフマニノフ 交響曲第1番

2009年08月16日 | 音楽
・ラフマニノフの交響曲第1番というと、この曲の初演が大失敗だったためにノイローゼになってしまった、というエピソードで有名? です。理由は色々あったにせよ、聴いた印象としては、何故そこまで不評だったのかわかりません。全体に悲劇的な感じの強い曲ですが、同時に情熱的なエネルギーを感じさせる曲でもあります。確かに第2番に比べれば多くの人を魅了するような要素は少ないかもしれませんが、もう少し評価されてもいい曲ではないかと思います。しかし、この曲の失敗が無ければピアノ協奏曲第2番も、その後に続く名曲の数々も誕生しなかったかもしれないと思うと、人生というのはわからないものだとつくづく思います。

・今回聴いたのはアシュケナージとコンセルトヘボウ管による定評ある全集の演奏。指揮者アシュケナージって、こういう情熱的な曲と相性がいいような気がします。コンセルトヘボウ管の演奏とデッカの録音の素晴らしさも相変わらず魅力的です。
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ブレンデルのリスト 「巡礼の年」第1年~スイス

2009年08月13日 | 音楽
・この曲集の第1曲、「ウィリアム・テルの礼拝堂」が好きで、眠るときによく聴いたりするのですが、2曲目に行く前に寝てしまう事がほとんど・・・。なかなか通して聴く事がありませんが、第2年、第3年まで改めてじっくり聴くと(なんて、失礼な話ですが)実に素敵な曲揃いだと思います。初めて聴いたのはボレットの演奏。ベヒシュタインの美しい音色がとても印象的で、今でもよく聴きます。

・今回聴いたのはブレンデルの演奏。ブレンデルは切れ目無く全曲を演奏しています。第1年の9曲合わせて一つの曲という解釈なのでしょう。それがまったく違和感無く自然な流れで聴く事ができるだけの説得力があります。決して華やかではないけれどブレンデルらしい考え抜かれた音色と確実なテクニック。間違いなくこの曲の名演の一つだと思います。そういえばブレンデルって引退しちゃったんですよね。まだまだ十分にやれたと思いますが、余力を残して引退するというのもブレンデルらしいのでしょう。
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マリナーとドレスデン国立管のグリンカ 「ホタ・アラゴネーサ」

2009年08月11日 | 音楽
・時々、「この録音はどんなきっかけで生まれたのかな?」と思うアルバムがありますが、今日聴いたマリナーとドレスデン国立管のアルバムもその一つ。大体、マリナーとドレスデンというコンビ自体が珍しいですよね。その珍しいコンビが録音したアルバム、収録曲がまた不思議。ラヴェルの「ボレロ」、シャブリエの「スペイン」、チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」にグリンカの「ホタ・アラゴネーサ」。マリナーのレパートリーは広いですからともかくとして、およそドレスデンのオーケストラにわざわざ録音させようとは思わない曲ばかり。もっとも、それが狙いだったのかもしれませんが。

・では、その結果がどうなのかといえば、これがなかなか魅力的。もちろん、違和感を覚える方も多いとは思いますが、このオーケストラの落ち着いた深みのある響きで聴くこれらの曲は私にはとても新鮮でした。マリナーの奇を衒わない淡々とした指揮が自然にオーケストラの魅力を引き出しているのでしょう。フィリップスの素晴らしい録音も特筆ものです。

・収録されているどの曲も素敵でしたが、今回はグリンカの「ホタ・アラゴネーサ」。ベルリオーズに影響を受けたグリンカがスペインを旅した時に聴いたギターの曲の印象をもとに作曲したとか。まさにその通りの曲。華麗なオーケストラにいかにもスペインらしい旋律。それをドレスデンのオーケストラで聴けるというのは、なんだかちょっと贅沢な気分。このアルバムを企画した人に拍手です。
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カラヤンとフィルハーモニア管のボロディン だったん人の踊り

2009年08月10日 | 音楽
・東京は梅雨明けしてからの方がスッキリしないお天気続き。最近、私の周辺では何かと考えさせられる出来事がいろいろ起こり、気分も何となく晴れません・・・。

・今日聴いたのはボロディンの「だったん人の踊り」。カラヤンとフィルハーモニア管による演奏です。1960年のステレオ録音。このブログでも何度か触れていますが、この時代のフィルハーモニア管の実力は相当なもの。今回も胸のすく様な鮮やかな演奏を繰り広げてくれます。もちろん、巧みなカラヤンの指揮があっての演奏でもある訳なのですが。こういった小品を聴くと改めてカラヤンの凄さを感じます。そういえば最近はこういう小品を録音する指揮者は少ないですね。
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