小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラのブラームス 交響曲第２番

・今まで聴いた小澤さんのディスクの中でも一番好きな演奏かもしれない。曲との相性もいいのかな？　とにかく、この曲のここはこうあって欲しい、という私の理想にぴったり当てはまる演奏。速すぎず遅すぎずのテンポから心地良い。それに第１楽章の繰り返しをちゃんとやってくれているのが嬉しい。確か旧盤ではカットしていたはず。この曲とかメンデルスゾーンのイタリアなどは繰り返しがないと演奏されないわずかな部分があるから、できればカットしないで欲しいんです。全体に爽やかなんだけど、最後はしっかり熱く燃え上がる！　オーケストラも上手いし録音も見事。

	ブラームス:交響曲第2番/ラヴェル:シェエラザード 他
	クリエーター情報なし
	ユニバーサルクラシック

カッチェン、ショルティ、ロンドン響のラフマニノフ ピアノ協奏曲第２番

・ピアノもオーケストラも豪快、痛快！　この組み合わせならではの演奏。オーケストラはバリバリ鳴るしカッチェンのテクニックも抜群。テンポの上げ方なんてライヴみたいなノリの良さ。この曲の定番にはならないかもしれないけど、楽しい事は請け合いの一枚。ちなみにカップリングになっているボールト指揮のパガニーニ狂詩曲も名演。ちょっと前までは良く見かけたこのＣＤも最近は入手困難のようで・・・。国内盤ではカーゾン、ショルティ、ウィーン・フィルのチャイコフスキーとカップリングになっていたような・・・。そちらも最近見かけない。残念。

	Rachmaninov: Piano Concerto / Katchen, Dohn遵�nyi
	Ern醇r Dohn醇@nyi,Sergey Rachmaninov,Georg Solti,Adrian Boult,Julius Katchen
	Decca

ハースのベートーヴェン ピアノ・ソナタ第８番「悲愴」

・ウェルナー・ハースというとドイツのピアニストでありながらドビュッシーとラヴェルに名演を残したピアニストとして有名で、確かにその演奏は評判通りの素晴らしさだけれど、今回聴いた「悲愴」も特筆もの！　粒立ち良く美しい音色、力強い打鍵、絶妙なテンポ（特に第１楽章の疾走感）、どこをとっても正統派の名演。評判にならないのが不思議なくらい。CONCERTO ROYALEレーベルってまさに玉石混交という印象があるが、中にはこのハースのベートーヴェンのようなお宝があったりするんだなあ・・・。この録音、元はどこのレーベルで何年頃のものなんだろうか・・・。　

	Beethoven: Diabelli Variationen; Klaviersonaten [Germany]
	クリエーター情報なし
	Concerto Royale

マシューズ、スワロフスキー、ウィーン国立歌劇場管のモーツァルト ピアノ協奏曲第２４番

・このＣＤ、そもそもスワロフスキーという指揮者が気になって検索したら出てきたもの。このスワロフスキーという指揮者、アバドやメータの先生として必ず名前が出てくるが、その割にメジャー・レーベルへの録音は見た事無いし、確認できる録音は今回のウィーン国立歌劇場管や南ドイツ・フィル？などという、何となく実態不明のオーケストラを振ったものばかり・・・。どういう訳なんだろう・・・。

・さて、デニス・マシューズというピアニストは初聴きだが、カップリングの20番ともども好演だと思う。テクニックも申し分なく、純粋に曲の素晴らしさを伝えてくれる。24番では第１楽章で自作のカデンツァを弾いているが、曲に良く合ったなかなか素敵な作品だ。弾いているピアノは恐らくスタインウェイではないような・・・。きらめくような、というよりちょっと渋めの味わいのある音色がこの曲に似合うし、オーケストラがこの時代（1958年？）らしい懐かしい音色でまた嬉しい。録音も良好だし、これは掘り出し物的名演だと思う。

	Great Piano
	クリエーター情報なし
	Vanguard Classics