覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

ベルティーニとケルン放送交響楽団のマーラー交響曲第5番

2005年07月30日 | 音楽
・買ってしまいました、ベルティーニとケルン放送交響楽団のマーラー交響曲全集。いい演奏だということは聞いていましたが、ずっと廃盤で手に入りませんでした。ベルティーニの追悼盤になってしまったのは残念ですが、以前より廉価で再発されたのは嬉しいです。

・正直、今月は予算的に厳しかったので迷っていたのですが、たまたま覗いた店が二軒とも品切れだったので、「これはまずい」と思ってしまったんですねえ・・・。三軒目の店にあったときには迷わずレジに持っていってしまいました。「まだ手に入るよな・・・」と思っていて、気が付いたら品切れになって後悔したことは数知れず、ここはその教訓を生かすことにしました(自己弁護です)。

・まだ第5番しか聴いていませんが、いや、なるほどこれは素晴らしいですね。どこを取っても曖昧さのない非常に明快な演奏でした。テンポも心持ち速めで、もたれることなく進行します。それがとても流れが良くて気持ちがいいんです。どの楽器もはっきり、くっきり鳴っているのがまた見事です。

・店頭にあったコピーには「第5番のホルンが見事!」と書いてあったのですが、まさにその通り。野太い音で堂々たる吹きっぷり。アダージェットも弱音で神秘的というのではなく、筆にたっぷり墨をしみこませたようなジューシー(ちょっとたとえがおかしいかもしれませんが)な演奏で、私には新鮮で魅力的でした。世評通りの名演で、これは残りの曲を聴くのが本当に楽しみです。

・考えたら、私が実演で聴いた初めての外国の指揮者がベルティーニでした。あのときのメインはブラームスの2番だったかな。フランス音楽にも定評があるそうなので、そういう録音もいずれ是非聴いてみたいです。
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ハインツ・シュンクとアンネローゼ・シュミットのブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番

2005年07月27日 | 音楽
・昨日、母がスーパーで買ってきた「利久まんじゅう」。気取った名前が付いていますが、早い話が茶まんじゅうのようなものです。後でレシートをみたらその饅頭、カタカナで「トシヒサ」と打ってあって大笑い。まあ、読めないことはありませんが・・・。

・久しぶりにブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番を聴いてみました。ハインツ・シュンクのヴァイオリン、アンネローゼ・シュミットのピアノです。

・この曲、私はオイストラフとリヒテルの演奏がとても印象に残っています。ブラームスのヴァイオリン・ソナタは初めのうちその良さがよくわかりませんでした。とくに第1番の「雨の歌」。今では好きな曲ですが。ブラームスの曲って、技巧的には難しくてもそれを聴き栄えがするように前面に出す曲って少ないですね。

・ブラームスの晩年の曲は聴くたびに心に深く沁みるものが多いです。交響曲第4番、クラリネット五重奏曲、Op.116から119のピアノ曲集。ブラームスの、人間の心の葛藤や叫びがリアルに突き刺さってくる曲ばかりです。この曲も、焦燥感に満ちた第1楽章から、決然としていながらどこか切なくやりきれない感情が残る終楽章まで、聴いていて胸が締め付けられるような気がします。

・シュンクのヴァイオリン、つや消しをしたような渋い音色がブラームスの、特にこの曲にはふさわしいかもしれません。それをしっかり支えるシュミットのピアノもいいです。この人のモーツァルトのピアノ協奏曲の演奏にも共通する、決して派手ではないけれど曲の良さをしっかり伝えてくれる演奏はいつ聴いても好感が持てます。この二人の演奏、旧東ドイツの演奏家ならではといえるかもしれません。
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クーベリックとバイエルン放送交響楽団のワーグナー「トリスタンとイゾルデ」~前奏曲と愛の死

2005年07月26日 | 音楽
・台風ですね。先日のような地震の日に台風がぶつかったら・・・なんて考えると恐ろしいですね。

・今日はクーベリックとバイエルン放送交響楽団の演奏でワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲と愛の死」を聴きました。1965年4月24日の東京文化会館でのライヴ録音です。この日のコンサートの1曲目だったようですが、とにかく熱い熱い演奏です。大きなうねりが何度も何度も押し寄せて、頂点に達したときのエネルギーは生々しい録音の効果もあって大変な迫力で聴き手に迫ってきます。会場で聴いたらもっと凄かったんでしょう。終わったあとのブラボーがそれを物語っています。

・いやあ、1曲目からこの熱気、この日の聴衆はきっと興奮状態で家路についたことでしょう。しかしこの「トリスタンとイゾルデ」という曲、なんて艶めかしい響きのする曲なんでしょう。本当に名曲ですね。私なんか誰の演奏で聴いても大抵感激してしまいます。ワーグナーは普段それほど聴きませんがこの曲は例外。時々無性に聴きたくなります。
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ラトルとウィーン・フィルのベートーヴェン「英雄」

2005年07月20日 | 音楽
・バレーボール、終わってしまいました。中国戦、残念な結果でしたが(個人的には第1セット後半から御贔屓の菅山選手も活躍してくれたし)善戦だったのではないでしょうか。そう、高橋選手の活躍も本当に素晴らしかったです。今回の大会、日本以外の参加国は主力級を出していないから日本もあそこまでやれたんだ、という見方もあるようですが、まあ、どうなんでしょう。日本も、栗原選手や大山選手が戻ったら菅山選手の出番はないだろうという話もありますね・・・。今後の動向に注目です。

・今夜聴いたのはラトルとウィーン・フィルの「英雄」。ウィーン・フィルのベートーヴェンといえばイッセルシュテット、ベーム、バーンスタイン、アバド、「英雄」だけならシューリヒトやテンシュテットの名演も思い出されますが、このラトル盤は初めて聴いたとき本当にびっくりしました。「これがウィーン・フィルなの?」って感じで。正直なところ、やっぱり違和感がありました。

・ウィーン・フィルが良くここまでやったな、という気がします。ここまで来るには色々あったのかもしれませんが、結果的にラトルに対する信頼がこういう演奏になったのでしょう。最初に聴いたときにはあまり感じませんでしたが、今回改めて聴いてみると木管などウィーン・フィルらしい音色も聴くことができました。それに、随所で今まで聴こえなかった(気付かなかった)ようなパートが浮き上がってきたりしてハッとさせられました。

・この演奏も繰り返し聴くことで色々な発見がありそうです。余談ですがラトルのこの全集では私は「田園」がとてもいい演奏だと思いました。さて、次にウィーン・フィルとベートーヴェンの全集を作るのは誰になるのでしょうか? それは以前のようなオーソドックスなものになるのか、ラトルのようなものになるのか、そんなことを考えると楽しみです。 
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ケンペのビゼー「アルルの女」組曲

2005年07月18日 | 音楽
・梅雨明けしました!

・昨日の女子バレーボールは惜しかったですね。第5セットまでもつれての敗戦というのは選手達もさぞ悔しいでしょう。えっ、なんで急にバレーボールかって、そう、お察しの通り、菅山かおる選手に大注目なのであります。

・いや、別に最近になって急に見始めた訳ではありませんよ、念のため。去年のオリンピックも見てましたから。ただ今回はやっぱり菅山選手に目が行ってしまいますね。凛とした容姿もさることながら、あのガッツあるプレーは見ていて実に気分が良く、ここ数試合は中々出番がありませんが、やっぱりスターになるだけの華があると思います。先日、新聞の投書欄に「テレビ中継でやたらと彼女(菅山選手)ばかり映すのは如何なものか」というのがありましたが(男性の投書でした)、そういうふうに思う人もいるんですね。私なんか単純におやじ的発想で、きれいな人や景色は長く見ていたいと思ってしまいますが・・・。目立つというのは色々大変です。

・しかし菅山選手に限らず、今の日本チームの選手達はなんだかみんな応援したくなるんです。全力でプレーする姿はとってもカッコイイんですが、それ以外のときに見せる表情なんかは実に人懐っこいというか、親しみやすさを感じるんです。今日の中国戦、ぜひ勝って有終の美を飾ってほしいものです。

・さて、久々に「アルルの女」組曲を聴いてみました。ルドルフ・ケンペ指揮のバンベルク交響楽団の演奏です。ちょっと珍しいレパートリーですかね。フランスのオーケストラのような華やかな音色はありませんが、しっとりと落ち着きのある演奏はとっても好感が持てます。第1組曲のアダージェットや第2組曲のメヌエットはケンペらしい気品と清潔感があって美しいです。

・ジャケットになっているケンペの写真、とても穏やかないい表情だと思われませんか? 誰からも愛されたというケンペの人柄が伝わってくるようです。
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ワイセンベルクのラヴェル ピアノ協奏曲

2005年07月15日 | 音楽
・今日は行きつけの魚屋さんで「たたきにぴったり」というカツオがあったので、さっき作りました。台所で焼くと後片付けが大変なので、いつもベランダで七輪に火を起こして焼くのですが、今日は火の起こりがまだ足りないうちに焼き始めてしまったので中々皮に焦げ目がつかず、後で切ってみたら中まで火が通って生利のようになってしまいました・・・。

・今日はワイセンベルクのピアノと小沢征爾指揮のパリ管の演奏でラヴェルのピアノ協奏曲を聴きました。今日みたいに暑い日に涼しい部屋で良く冷えたビールでも飲みながら聴くのにピッタリ。ワイセンベルクのピアノのテクニック、切れ味抜群です。初めこそゆっくり目に始まりますが途中からギアチェンジして加速してゆくところの痛快さがたまりません。終楽章のスピード感も最高! 第2楽章はパリ管の美しい演奏にワイセンベルクのやや細身の音色がマッチして実に涼やかです。

・ワイセンベルクって、今どうしているんでしょう? 引退しちゃったのでしょうか。この4枚組みのCDには全盛期のワイセンベルクの痛快、爽快な名演が揃っていて気持ちがいいです。
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プーランクのチェロ・ソナタ

2005年07月14日 | 音楽
・今日はちょっと気分を変えてプーランクのチェロ・ソナタを聴いてみました。エリク・ル・サージュのピアノ、フランソワ・サルクのチェロです。

・今回の盤、プーランクの室内楽作品をル・サージュのピアノを中心に、現在活躍中の若手奏者たちの演奏で収録しています。大ベテランの味わい豊かな演奏も素晴らしいですが、こうした活きのいい若手の演奏もいいですね。おしゃれでユーモアにも事欠かないプーランクの作品を鮮やかなテクニックをもって瑞々しく聴かせてくれます。

・このチェロ・ソナタも、チェロとピアノ、それぞれの楽器のことを知り尽くしたとても魅力的な音楽。二人の奏者の素敵な演奏を聴いていたら「エスプリ」とか「ペーソス」とか、そんな言葉が浮かんできました(そういう使い方でいいの?)。
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モントゥーのケルビーニとクーベリックのシューベルトなど

2005年07月13日 | 音楽
・昨日どこかで「ケルビーニ アナクレオン序曲」というのを目にしたのですが、どんな曲だったかまったく覚えていなくて、そういえば誰かの演奏があったと思って捜した結果見つかったのがモントゥー指揮のロイヤル・フィルの演奏。BBC LEGENDS盤です。

・考えたらケルビーニという作曲家の事をまったく知りませんし、我が家にあるのもこの録音のみ。さっきネットで調べたのですが「レクイエム」が有名みたいですね。この「アナクレオン」というのはオペラで「逃げた愛の神」という別名もあるようですが、どんなストーリーかはわかりませんでした。

・1960年のモノーラル録音ですが、このレーベルならではの良好な音質でモントゥーの生き生きとした演奏が楽しめます。いかにもオペラの序曲らしい華やかさがあります。

・昨日はこの他に、またまたアラウとデイヴィスのベートーヴェンのピアノ協奏曲(第3番)と、クーベリックとバイエルン放送交響楽団の演奏でシューベルトの交響曲第3番を聴きました。どちらも名演!!! クーベリックのシューベルト、先日聴いた「グレート」も良かったけどこの第3番も素晴らしい。とっても若々しい溌剌とした演奏なんだけど、所々巨匠ならではの味わいがある(第3楽章など)。オーケストラもいつもながらの好演。この曲の私の一番のお気に入りはベイヌム指揮のコンセルトヘボウ管の演奏なのですが、それに匹敵する演奏だと思いました。
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アラウとデイヴィスのベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番

2005年07月11日 | 音楽
・週間予報を見ると東京の梅雨明けはまだもう少し先のようですね。今日はクラウディオ・アラウのピアノ、コリン・デイヴィス指揮のドレスデン国立管弦楽団の演奏によるべートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を聴きました。

・久々に聴きましたが、ああ、もう本当に素晴らしい!!!!! その一言に尽きます。ピアノも指揮もオーケストラも、とにかく素晴らしい。

・アラウのピアノ、この時にはもう80歳を越えていたと思いますがテクニックはまだまだ矍鑠としたもの。いつもの肉厚で深みのある音色も健在です。ただ渋いだけではなく輝きも十分にあるんです。カデンツァなど実に見事です。

・テンポはかなりゆっくりしています。弾けないから遅い訳ではない、アラウほどの人だからできるテンポです。静かに、最後まで慌てず騒がず、ほかのピアニストがちょっとスピードを上げるようなところも全く変わる事なく堂々と、丁寧にこの曲の世界を作り上げて行きます。

・デイヴィスの指揮がそんなアラウのピアノにぴったりと寄り添って、こちらも慌てず騒がず、そして決してでしゃばらず、一つの同じ目標に向かって進んで行く。こんな風に書くとただ無難に伴奏をしているだけのように受け取られるかもしれませんが、そうではなくて、アラウとデイヴィスが完全にお互いを理解し合って、この曲に対して共通の考えを持っているからこそ実現出来ることだと思うのです。それにもう一つ、デイヴィスのアラウに対する敬意の表れもあるかもしれません。

・そしてオーケストラ。アラウとデイヴィスの作り出す音楽にこれ程ふさわしいオーケストラはありません。ウィーン・フィルでもベルリン・フィルでもない、ドレスデンの音。アラウのピアノ同様、コクのある味わい深い音色。高級なウィスキーとかブランデーっていい色をしていますが、色で例えればそんな感じでしょうか。本当に素晴らしいオーケストラです。

・忙しない日常を忘れ、暫し別世界へ連れて行ってくれる、聴きながら自然と頭を垂れたくなる様な演奏。最高の耳の贅沢でした。
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マゼールとウィーン・フィルのチャイコフスキー交響曲第1番

2005年07月10日 | 音楽
・すっかりごぷさたしてしまいました。ブログから遠のいてしまったのは7月に入ってから中々ゆっくりパソコンに向かう時間が無かったことと、あるコンサートで大変印象深い演奏を聴き、しぱらくその余韻に浸っていたかった、ということがありました。そのコンサートのことについてはまた改めて書きたいと思います。

・今年の梅雨は、初めの頃は大して降らなかったのに今頃になってぐずぐずし始めましたね。気温的にはそうでもないのかもしれませんが、ジメジメと蒸し暑いのには閉口してしまいます。

・せめて気分だけでもひんやりしようと取り出したのはチャイコフスキーの交響曲第1番。マゼール指揮のウィーン・フィルの演奏です。この曲、「冬の日の幻想」というタイトルが付いています。「冬の日の…」と言うくらいだから、さぞ涼しげな音楽かと思ったら…そう単純には行きませんでした。

・このブログでも度々書いていますが、わたしはこの頃(1960年代)のウィーン・フィルの録音が大好きです。特にマゼールが指揮した一連の録音はウィーン・フィルの美しさを生かしながら、若々しく覇気があって、今聴いても新鮮な感動が得られる名演揃いだと思いますが、この演奏もそのうちの一つです。

・チャイコフスキーらしい哀愁に満ちた第2楽章はこの曲の白眉だと思いますが、ここを彩る木管楽器の音色の美しさといったら、それはもう本当に素晴らしく、すっかり聴き入ってしまいました。後期の三曲に比べれば作品としてちょっと弱いかなと思うところもありますが、この第2楽章のように素晴らしく魅カ的な所もあり、マゼールとウィーン・フィルの演奏は初めてこの曲を聴く方にも曲の良いところを教えてくれる見事な演奏だと思います。
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