覚え書きのようなもの・・・分室

私の好きな音楽のこと(主にクラシック)や日々の出来事、思ったことなどをつたない言葉で記してみます

アンダとヨッフムのブラームス ピアノ協奏曲第1番

2005年08月30日 | 音楽
・もうすぐ8月も終わり・・・早いものです。朝晩は大分涼しく感じる時がありますね。日の暮れるのも少しずつ早くなってきました。

・今回はゲザ・アンダのピアノとヨッフム指揮のコンセルトヘボウ管弦楽団の演奏でブラームスのピアノ協奏曲第1番を聴きました。アンダというとまず自身の弾き振りによるモーツァルトのピアノ協奏曲全集を思い出します。素朴だけど瑞々しさもあるオーケストラの音色と、曲ごとに実に的確な解釈を聴かせてくれるアンダのピアノと指揮がうまく溶け合って、どの曲も安心して聴くことのできる好演揃いでした。

・アンダのブラームスは第2番の協奏曲にいくつか録音がありますね。フリッチャイやカラヤンと共演したスタジオ録音、クーベリックやシューリヒトとのライヴ録音がありました。ところが第1番のほうはこのヨッフムとの録音が初めてなのでしょうか? ほかに見かけたことがありません。

・この演奏はTAHRAから出たもので1967年のステレオ・ライヴ録音です。少々ピアノが遠い気もしますが聴き辛さはありません。演奏はライヴの良い面と悪い面がはっきり出た感じがします。残念なのはオーケストラがずれる箇所がかなりある点。第1楽章の序奏部からそれが出てしまっています。ピアノとの呼吸のずれもかなりあります。第2楽章など、アンダがしみじみとしたピアノを聴かせてくれるのですが、いい所でオーケストラとのずれが起きてしまい、はらはらさせられます。

・この演奏では第3楽章が一番ライヴの良い面が出ているように思います。ピアノもオーケストラも徐々に白熱してくる様子は聴いているこちらまで熱くなってきます。木管のソロもここでは美しい音でビシッと決まっています。

・こうして全曲聴いてみると、演奏の傷が目立つのは難点ですが、第3楽章の盛り上がりや第2楽章などで聴かれるアンダのしみじみとしたピアノはなかなか魅力的でした。ただ、どちらかと言えばやはりコレクター向けの録音かな、という感じです。
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