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ミステリの賞、ランキングについて 1

2011年01月18日 | 日常
ミステリの賞、ランキングについて誤解している方が多いようなので、個人的な見解を書いてみるテスト。


直木賞
いきなりミステリの賞ではないのだが、ミステリ畑の作家が受賞することが多々あるためご紹介。
功労賞の意味合いが強く、賞は対象となった作品に与えられるのではなく、何度も候補に上がった末に「そろそろ受賞させてもいいんじゃないか」という気運が高まると与えられる、という印象が強い。
そのため作者の代表作ではなく、代表作が出た数作後に「なんでこんなのに与えられるんだ」という微妙な出来の作品が受賞しがちである。
またなにかと騒動が持ち上がる賞でもあり、近年だけでも高村薫が「ミステリではなく文学として評価されてうれしい。私はミステリを書いてるつもりはない」と発言してミステリファンから総スカンを食らったり、対照的に東野圭吾が「ミステリで受賞できてうれしい。今後もミステリを書いていきたい」と発言したり、林真理子が横山秀夫の候補作を「欠陥があるのに評価されるなんて作者も読者もおかしい」といちゃもんを付けて、横山秀夫は直木賞からの訣別を宣言したり、ベストセラー常連の桜庭一樹の受賞作(エロい)を渡辺淳一(エロい)が「賞を与えて世に出してしまってもいいのだろうか」と、即座に100のツッコミが浮かびそうな選評を加えたりと、よくも悪くも話題になる、日本文学界を代表する賞である。


芥川賞
純文学が対象の新人賞である。新人と言ってもすでに数作はものしている作家が選ばれるのが基本で、それも20代の若手や女流がやたらと受賞しがちの、良く言えば若手奨励賞、悪く言えば話題作りのための賞である。また「芥川賞を取った時しか話題にならなかった」一発屋を非常に多く輩出している。
それなのに直木賞と双璧をなす賞だとされているのは不思議な限りだ。
余談だが僕は芥川賞受賞作品をひとつも読まずに人生を終えられる自信がある。


江戸川乱歩賞
よく誤解されているがミステリ新人賞である。当初は有望な新人を次々と輩出していたが、近年は「乱歩賞を取るために狙って書かれた作品」が多く、質の低下が著しい。
ここ数年は「特殊な業界を舞台にした、その業界ならではの日常」に薄ーくミステリ味をまぶしただけの受賞作ばかりで、受賞後に売れた作家も数少ない。
それなのに直木賞、芥川賞に次ぐ扱いを受けているのは本当に不思議な限りである。


長くなったので以下次号。
※あくまで個人的な見解です。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (真心)
2011-01-19 05:32:52
直木賞のとこに「伊坂幸太郎に蹴られた」もつけたしといてください。
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Unknown (ミニゴバ)
2011-01-19 08:51:09
あったあったw
「島田荘司に蹴られた」は近年じゃないか……
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