夕方、病院のDr.と話をする約束をしていた。
父のこれまでの経緯と、これからについての話だった。
若いDr.は、高齢の父に手を尽くしてくれた。それでも、薬で抑え切れるものが見つからなかったと言う。私も妹たちも、父はよくがんばったと思っている。それでいいと思っている。
それでも話の後、もう一度父の顔を見てから帰ろうと思ったのに、すぐに病室に帰ることはできなかった。病室の近くにあるベンチに座った途端、涙が溢れてきて止まらない。
ケースワーカーが調整して、月末までには転院の連絡が来るそうだ。それまでは今まで通りきちんと見ていく、と言われた。
それから病院で何かあった場合、延命治療を望むかどうか再度確認された。確認しておかないと、病院のスタッフは命を救おうとする人たちだから、と言われた。父はよくがんばった、と私たち家族はみんな思っている。それが私たちの考えだ。
午後から、時折り強い雨が降る。今日はそんな日だった。
順延となった保育園の運動会に来賓参加した。仕事への移動の道で（徒歩）、イチョウの木を見かけた。まだまだ青い。今年の秋は、例年より気温が高いそうだ。天気予報で言っていた。
