もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

台湾総統選に注目

2023年05月18日 | 中国

 台湾総統選の主要候補が出揃ったことが報じられた。

 祭総統路線を継承する与党「民主進歩党」の頼清徳氏、中道野党「民衆党」の柯文哲氏は既に出馬が報じられていたが、焦点の最大野党「国民党」は侯友宜(現、新北市長)氏を指名した。
 台湾総統選の最大の争点は対中・対米政策であり、頼清徳氏は「現状維持(台湾は既に実質的な独立国)」、柯文哲氏は「親中・親米でない第3極」、侯友宜氏は「?(沈黙)」とされている。
 これまで国民党の候補者は、鴻海精密工業の創業者である郭台銘氏が大本命と報じられていたが、祖先の墓参のために訪問した中国でのあからさまな「一つの中国容認行動」が党大会で指名を得られなかった大きな要因であるように思える。従来から国民党は蒋介石・馬英九前総統に代表されるように「中国との統一」を党是としているが、蒋一族の標榜していた台湾(中華民国)による大陸征服が非現実化した今では「一国二制度」による中国同化に変化している。しかしながら、郭台銘氏が指名獲得競争で敗北した背景には、里帰りの地で見せた「中国本土こそが父祖の地」とする望郷情念も本省人の高齢化や台湾2世・3世世代の台頭から次第に・急速に希薄となりつつある現状からではないだろうかと推測している。
 現在の支持率世論調査では、頼清徳氏35.8%、侯友宜氏27.6%、柯文哲氏25.1%とされているが、近年の民主進歩党と国民党による2択対立に嫌気の差した無党派層の動向が鍵になるとされている。
 政治家としての経験豊富な頼清徳氏、警察官僚出身で外交未経験のみならず対中姿勢も明確に述べ得ない侯友宜氏、医師で既成制勢力とのしがらみがないとされる柯文哲氏、来年1月の総統選で台湾国民はどのような選択をするのだろうか。

 先日、駅前でビラ配りをしている老人集団があった。ビラは日本の右傾化を阻止する市民団体の名を借りた共産党の主張であったが、おそらく配っている人達は若年時からの思想を固持し続ける老闘士であろうと思った。そのような人とは別に、共産党には党首公選制を広言して除名された老闘士もいる。
 変わることが良いのか?、変わらないのが良いのか?
 高齢者と雖も、現状維持を言い立てる頑迷固陋な小言幸兵衛でい続けるのか?、時代の変革に応じて豹変すべきか?考えさせられる総統選とビラ配りの一幕。


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