もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

野党の比例代表統一名簿を学ぶ

2019年02月19日 | 野党

 今夏の参院選に向けて、野党が比例代表に統一名簿を作成するか否かが取沙汰されて久しいが、良く理解できない。

 統一名簿とは、立候補者の所属政党はそのままで新しい政治団体として名簿を作成・記載し、当選後は政党間の移動に制限を受けないということから野党の選挙互助会と評されているものの、現行の選挙制度上は許されるものであるらしいが、そこまで行くと、議員内閣制や政党政治を否定するものではないだろうかと思うものである。現在の野党の主張を見れば、共通しているのは反自民党のみであり、重要な安全保障や憲法改正について微妙な温度差がある。野党各党を支持する有権者は、その微妙な温度差に期待して票を投じるものであり、統一名簿による選挙は有権者の選択肢を狭める若しくは選択肢を奪うものであると思う。統一名簿では知名度や党勢に劣る政党候補が当選を勝ち取ることが可能であるために、それなりの主張と存在感を示す立憲民主党(支持率13%。以下()内数字は同じ。)と共産党(6%)は反対若しくは消極的で、国民民主党(1.6%)、自由党(0.3%)、希望の党(0.3%)、社民党(1.1%)が統一名簿作成に積極的である。現在の拘束式比例代表制でも所属政党はそのままに、国会会派を往来することが横行していることを考えれば、統一名簿下の当選者については議席を与えた有権者の意思とは全くかけ離れた行動に走ることも考えられる。選挙区候補者の一本化も、有権者の選択肢を奪う野党の独善であると考えているが、統一名簿の作成まで話が進むと「何のための・誰のための国政選挙か」と疑いたくなる。国政選挙は政策で争われるべきであり、自民VS反自民の政局・政争再現では意味をなさないと思う。民主党が一時的にしろ政権を奪取できたのは、消えた年金問題という追い風はあったとしても「子供手当」「高速道路無償化」という政策を以て選挙に臨んだことが大きかったのではないだろうか。

 世論調査では、野党候補者の1本化については30%が賛成と捉え、統一名簿についても賛成がが40%を超えている。それぞれについて賛成と答えた人が、何を基準として賛成としているのか理解に苦しむとともに興味が湧くところである。自らの選択肢が奪われる制度に諸手を挙げて賛意を示す理由を教えて欲しいと考えるものである。


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