もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

財務省の凋落に思う

2018年06月06日 | 与党

 財務省が目指していた国と地方の基礎的収支(PB)の黒字化目標が、5年先送りされる公算が確実となった。

 財務省が政府に押し切られる形での決着と云われ、文書改竄でミソをつけた財務省が正論さえ主張し得ない事態に陥っていると解説されているが、制度としては財務省は政府(行政府)の1組織に過ぎないため、両者における経済政策の綱引きで官僚が押し切られるのは当然の結果であろうとも思う。しかしながら、現在の3権分立の状況を考えるに立法府の強権ぶりが余りにも際立っているように思えてならない。国会議員以外は直接に国民の審判を受けないために、国民の意志の代弁者を自認する国会議員の発言が力を持つことは当然であり、行政の監督者としての機能を果たしているとも考えるべきであろう。しかしながら、常に国民に迎合して議席を維持しなければならないというポピュリズム全盛時における議院内閣制下の行政府では、政策の連続性に難があるのではないだろうか。その連続性を担って来たのが官僚制度であり、かって官僚が毅然としていた時代には立派に機能し諸外国からは「朝令暮改の悪弊を排除できる」として、参考にすべき制度ともされていたものである。財務省の凋落を考えれば文書改竄等の「肉食った報い」であるが、経済企画庁というブレーキを失ったことも遠因として挙げられるのではないだろうか。

 今回の決定のどちらが正しいのか判断する知識はないが、一般的に権力は硬直し腐敗するとされており、財務省(財務官僚)の凋落はその硬直・腐敗を正す好機とも思う。財務官僚諸氏におかれては、研鑽に努めて行政府のエンジンでありブレーキであり続けて欲しいと願うところである。

 


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