もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

安倍元総理2題

2023年02月04日 | 与党

 安倍元総理の硬軟両面を知った。

「硬」
 2023年1月12日付産経新聞の「阿比留瑠比」氏の署名記事「極言御免」で知ったことであるが、習近平主席との日中首脳会談で安倍氏が『私の島に手をだしてはいけない。私の意志を見誤らないように』と述べたそうである。この発言は台本に用意されたものではなかったために日本側随員は凍り付き、習主席も意表を突かれたとされている。尖閣諸島を巡る中国の不法示威行為に対しては、遺憾砲を撃つだけと歯がゆく思っていたので、別の手段で日本の決意は確実に伝達されていると知って安堵した。首脳会談は、事前の事務方合意に沿って行われるのが一般的であると聞いていたので、このような例は稀有に近いものであろうが、膝を交えた首脳会談でしか行えないものであるように思える。
 その際、習主席は無表情を装ったものの一瞬鼻白ん様子も窺えたとされているので、日本の真意は十分に伝達されたと観るべきではないだろうか。果たして岸田総理には・・・。
「軟」
 2019(平成31)年12月の予算委員会で、立民の岡田克也議員(現立民幹事長)は安倍氏の常套句である「悪夢のような民主党政権」の撤回を迫ったが、安倍氏からは論破されて「小っちゃい男だなぁ」との捨て台詞で退場したことがあった。これは、安倍氏の術策に岡田克也氏がまんまと嵌った結果であるらしく、安倍氏は後日「当時のことを知らない世代もいる。ありがとうと言いたい」と側近に漏らしたとされる。

 今回立民が始動させた「空白の10年検証プロジェクトを機に、
・三原じゅん子議員:2019昨年6月6月の参院本会議で、安倍前首相の問責決議案の反対演説で「愚か者の所業、恥を知りなさい」
・丸川珠代議員:2010年民主党政権の「子ども手当て」質疑で「愚か者めが!」と野次
が改めて注目を浴びている。
 立民が企図する「先見性を持つ政党」とのイメージアップよりも、当時を知らない有権者や議員に中国船長放免などの「忘れてもらいたい一面」を掘り起こして晒す可能性の方が大きいのではとも懸念されている。2月3日付の毎日新聞は「恥の上塗りになるだけ。そもそも党は変わったはずだ」との民主党元議員の発言を紹介しているそうである。

 主題に戻れば、国威と政局に硬軟両刀を使い分けることができた安倍氏を失ったことは、今後の日本に大きく影響するのではないだろうか。


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