日本郵政グループが正社員の各種手当見直しを行うことが報じられた。
当該処置は既に労使間で決定された事項で、非正規社員の処遇を改善する一方で正社員の諸手当を減額・廃止して正社員と非正規社員の給与格差を是正するための処置と報じられている。非正規社員の雇用条件や労働環境の改善に対する法整備が進み、残るところは同一労働・同一賃金の原則を雇用者に求めるところまで来ていると思っていた。自分は同一労働・同一賃金という原則は、正社員の賃金は据え置かれて非正規社員の処遇のみ改善されると思っていたが、大きな認識不足であった。冒頭の日本郵政にあっても、労働組合が正社員の給与減額を呑んでも非正規社員の給与を上げざるを得ないほどの給与格差が存在していたのであろうが、非正規社員の処遇改善によって高騰する人件費抑制のためにこのような方法を採用する企業が続出することが予想される。定量性労働や高プロ労働を盛り込んだ働き方法案が成立すれば、自己を殺してでも会社に奉仕する「日本株式会社」とまで称された日本の雇用形態と労働環境は全く趣を変えることになると思われる。同一労働・同一賃金が定着して能力が正しく給与に反映されるならば正社員として働く必要は無く、高い能力を持つ人ほど渡り鳥化してしまうのではないだろうか。また、雇用側も社員に対して行っていた社員育成努力は止めてしまうかもわからない。そうなれば、労働者も自分でスキルアップを目指さねばならず、それはそれで厳しい環境に置かれることになると思われる。
ハリウッド映画では、馘首または転職する社員に対して守秘義務を課す場面が多く描かれる。終身雇用によって保たれていた会社への帰属意識がますます希薄になるであろう将来、日本でも守秘義務の契約で企業の権益を守る取り組みが必要になることは確実と思うものである。。
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