国立演芸場の二月中席(なかせき・・・11日~20日)恒例の
金原亭馬生(きんげんていばしょう)一門と仲間たちによる興業。
ふつう、寄席では、落語と漫才、奇術、曲芸など、それぞれの
専門家たちを組み合わせて、数時間の舞台が構成されていますが、
この中席だけは、結束の固いこのグループのメンバーだけで、
15年続いています。
漫才コーナーでは金原亭世之介、古今亭菊春のお二人による
○○太郎やら助六のモノマネ=十二代目団十郎のモノマネなども
織り交ぜつつ・・・世之介師匠の団十郎は、いつ聴いても
「ああこんな口跡だったなあ」と本当に懐かしい想いがします。
お正月恒例の縁起物:獅子舞も、このお二人は年季が入っており、
おかげで「私たちは噺家なんですが、もう何年も国立で落語を
やらせてもらっていない」とぼやき節
仲入り後の「大喜利」(=本公演が終わった後で、出演者による
サービスとしてのパフォーマンス)は「鹿芝居」(噺家さんによる芝居)
今回は落語「らくだ」です。 普段は語りで聴いているものが、
目に見える形で演じられるので、初心者でも大変にわかりやすく
楽しめます。 アドリブ:時事ネタ、流行りのフレーズも満載
サゲはらくだの死体にかっぽれを躍らせて大騒ぎの後、全員でかっぽれと
「○○ダンス」を踊って・・・と、「大人の学芸会」を堪能しました。
林家正雀さんという、芝居噺の専門家がいてこそのパフォーマンス。
ご興味ありましたらそれぞれのサイトを探してみてください。
今回、芸達者な先輩たちに囲まれて、一番の主役は「死体」
だったのですが、・・・うん、今ちょうど楽日の大喜利が
始まるところですからね、書いてしまってもいいのですが、
言わずにおきましょう。 (むろん、チラシにも世之介師匠のブログにも
しっかり書いてあります)
もともとジャズ・ミュージシャンには落語ファンが多く、また、
落語家さんにもジャズ好きが多くて、実際に楽器を演奏する方もいます。
「スウィング感」を求める根っこのところに共通点があるのかも。
やはりライブでプロの芸を観る・聴く、ということが、いちばん癒され、
発散できるものだな、と改めて思ったことでした。