ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

延縄漁法

2005年11月24日 | 時事ネタ関連
「延縄漁法」というタイトルに、「これって何て読むの?」と思われた方も多いのではないだろうか?少なくとも自分は読めなかったのだが、今日はこの「はえなわぎょほう」に付いて書きたい。何故この話を取り上げたかといえば、「週刊朝日(11月25日号)」に「クジラの次はお前もか!日本の食卓からマグロが消える」という記事が載っていたからだ。

先日迄スペインで開催されていた「ICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)」の年次会合で、過去数年間に亘って、大西洋で漁獲したメバチマグロをインド洋産と偽って売る「マグロロンダリング」を行っていた台湾に対し、漁獲枠の大幅削減等の異例の制裁措置が決定された。台湾の乱獲により、マグロを筆頭とした水産資源のバランスが崩れてしまった事が大きな要因とか。「が絶滅してしまう!」と大騒ぎしていた一方で、「実は鯨は増えている。」という話が出る等、この手のセンセーショナルな話は良く良く調べないと何とも言えない部分が在る。今回の記事では、そういったセンセーショナルな部分を強調したいのではなく、単純に「知っている様で、実は良く知らない『延縄漁法』」に付いて、元記事が詳しく触れていたので取り上げてみた。詳しい方にとってみれば、「そんなの当然。」という話なのだろうが、不勉強な身故、「延縄漁法ってそういう漁法なんだ。」と目から鱗が落ちる思いだった。

日本は、刺身マグロの99%近くを一国で消費する世界有数のマグロ大国。伝統的な延縄漁法では、東京から静岡よりも長い150キロメートル程の縄に、3千本余りの釣り針をぶら下げて海に流すのだという。針の大きさが小さい幼魚を守り、長期に亘る”再生産”を可能にして来たと。「150キロメートルって本当か?単位の間違いでは?」と思って調べてみた所、こちらのサイトで事実で在る事が判明。「延縄漁法って、そんな凄い規模で行われているんだ。」と驚くばかり。

一方、台湾等が主流としているのは巻き網漁法。マグロを缶詰用にも捕獲する台湾等では、霞ヶ関ビル程の大きさの巻き網で、成長前の幼魚迄ゴッソリと、それこそ一網打尽にしてしまうのだとか。延縄漁法は、縄の長さこそ霞ヶ関ビルの高さを遥かに凌駕しているが、実際の捕獲ツールは3千本余りの釣り針で、水産資源の再生産を念頭に置いた漁法と言えるだろう。実際問題、台湾等が行っている巻き網漁法では、延縄漁法の20~30倍の量を一回の漁で獲ってしまうそうで、尚且つその余りの重さに網の下部の魚は、圧力でグチャグチャになってしまい、刺身としては使えない為、結局それが缶詰用に転化されているのだとか。

ビジネスとしてしか漁を考えていない台湾等に押され、日本の伝統的な遠洋マグロ漁は風前の灯状態に在るとしている。国家としての漁業保護政策を行っている国が在る一方で、「農業とは異なり票に結び付かない。」と、水産業を見捨てて来た我が国の政治家、そして実質的に放置して来た水産庁外務省経済産業省等の諸官庁の罪は小さくないと元記事では結んでいる。
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1 コメント

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日本の美徳を世界に (yoshihiroueda)
2005-11-28 00:32:49
日本人は自然に対し一種宗教的な念をもち、持続可能な利用を心がけてきました。鯨に対しても同様ですね。いまこそ日本の価値観を世界に宣伝し、広めていく必要があると思います。
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