ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

気持ちは判らないでもないが

2012年04月24日 | 動物関連

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射殺の様子をテレビが放映 『何故殺す。』と札幌市に苦情100件」(4月23日、J-CASTニュース

 

札幌市の民家近くに2、3歳と思われるの羆が一頭出現し、北海道猟友会ハンターが猟銃で駆除した。此の様子がテレビのニュースで流れた事が切っ掛けで、札幌市役所には100件を超える電話が入り、其の大半は「何故殺した!」という苦情だった。

 

札幌市役所では、「本州生息する月輪熊に比べて羆は比較にならない程巨大で凶暴な駆除して来たが、此れからは山に追い返す等別の対策を検討しなくてはいけない。」と頭を抱えている。

 

駆除された羆は体長が135cm、体重が120kg程だった。2012年4月19日、里に降りて来た事が確認され、翌20日の午前6時頃には民家から約20m離れた林の中にた。人を怖がる様子は無く、此のでは住宅街に進入する心配が在ると判断し射殺した。此の日、近隣の小学校では子供に親が付き添って登校させる姿が目立った。

 

が射殺される様子を20日に複数のニュース番組が放送した所、直後から札幌市役所の電話が鳴り続けた。環境局みどりの推進課だけで此の日60件近く在り、此れに100件を超えていると言う。メディアからの問い合わせを除くと全てが苦情で、「何で殺したんだ!」、「山に返せば良いだけなのに。」といった物に加え、「何も悪い事をしていない若い熊なのに・・・。」と電話口で泣く女性も居たと言う。全ての内容を細かく調べてはいないが、苦情は札幌市内からの物では無かった様だ。とみどりの推進課では話している。

 

みどりの推進課によれば、羆は大きい物になると体長が3m、500kgも在り非常に凶暴だ。小熊で在ったとしても人を恐れない場合は、軈て大きな被害を齎す可能性が在る為、射殺して来た。と言う。しかし、今回のニュース映像がショッキングに受け止められ、苦情が多数寄せられた。此れからは直ぐに殺したりはせず、山に追い返すにはどうしたら良いのか等の検討を始めていると言う。

 

北海道警察の調べによれば、2011年度の北海道での羆の捕獲数は785頭で、調査を始めた1955年度以降3番目に多い数字となった。目撃数は1,240頭だった。

 

里に降りて来た熊の捕獲に付いては、ニュースが流れるネット論争が起こる。以前は「可愛いから、熊を殺さないで欲しい。」という意見も多かったが、今回の札幌に関しては「止むを得ない。」がネットでは主流になっている。

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元記事にも書かれているけれど、此の手のニュースが報じられると、「射殺された熊が可哀想だ。」、「、熊を射殺したのは止むを得ない。」等の論争が起こるもの。「明らかに違法な事柄を正当化しているケース」を除いては、「何の意見が正しく、何の意見が誤っている。」という類いの話では無く、色んな意見が在って良いと思っている。

 

「動物は大好き。」だし、「熊が里に降りて来るのは、人間による乱開発も大きな要因。」と考えているので、「射殺された熊が可哀想。」という気持ちは判らないでも無い。今回の場合、射殺された羆の大きさが小振りだった事も、苦情の背景には在っただろう。

 

だがしかし、個人的には「今回の札幌市の判断は、間違っていなかった。」と考える。「熊の中でも、羆の獰猛さは群を抜いている。」と良く見聞するし、実際に「今月20日、秋田県の熊牧場から脱走した羆が、従業員の女性2人を襲い、死亡させてしまった。」というニュースも在った。約100年前には「三毛別羆事件」というのも起こっているし(人を襲い、其の肉を食した羆は、再び人を襲う可能性が高いとの事。)、「もしも人を襲ったら、大変な事になる。」と札幌市が射殺を容認したのは、止むを得ない事だったと思うのだ。

 

「今回寄せられた苦情は、札幌市内からの物では無かった様だ。」との事だが、「羆による被害等をリアルに知っている人間」と「そうでは無い人間」との温度差は、極めて大きいのではなかろうか?大昔、洗熊を取り上げたアニメが我が国で大人気となった際、其の見た目の愛らしさから洗熊をペットとして飼う人が増えたが、成長するに凶暴さを増す洗熊に手を焼き、捨ててしまうケースが続出。捨てられた洗熊が自然界で大繁殖し、様々な問題を引き起こしているのは有名な話。「熊=クマのプーさん」といった愛らしいイメージが先行してしまうと、必要以上に「射殺は可哀想。」という事になってしまう様な気がする。

 

人里で熊が見付かったら、何が何で射殺すべき!」とは言わない。山に返せるものならば、返すに越した事は無い。でも、苦情を恐れる余り、「何が何でも、山に返さなければいけない。」となってしまうと、上手く行かずに、人間が大きな被害を受けてしまう事を懸念する。もしそういった事態になったら、今回「可哀想。」と苦情を寄せた人の中から、「役所は何をしているんだ!」と手の平を返す人も出て来るのではないだろうか?


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2 コメント

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これは何ボケなんでしょうか (AK)
2012-04-26 15:48:28
最近5年間、山里ではない集落にまで熊が出没し、学級閉鎖になったことがある地域が近くにあるものとしては、「これだから都会の人は」とか「これだから今の人間は」という年寄り臭い感想しか浮かびません。

確かに熊は哀れです。原因は山林行政の無策にあるからです。

けれども一度苦情を聞いて熊を撃たなかったとします。それで老人が秋田のように襲われたらどうするんでしょうか。

こういうのは何ボケというのか。平和ボケというのは違うし…。都会ボケ?都市化ボケ?
(昔、戦争世代に平和ボケと罵られたときに「平和で何が悪い」と言い返した少年もこんな年寄り語を言い出す歳になってしまいました。トホホ)
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>AK様 (giants-55)
2012-04-27 01:18:25
書き込み有り難う御座いました。

己がテリトリーを侵食され、人里に降りて来ざるを得なかったので在ろう熊に対して、多くの人は気の毒さを感じている事でしょう。そして射殺されてしまった事にも、諸手を挙げて「万歳!」なんて思っている人も、先ずは居ない筈。

唯、熊による人的被害の可能性を考え合わせると、「札幌市役所の判断は止むを得なかった。」と考える人が多数ではないかと。「正しい。」というのでは無く、「止むを得なかった。」という感じの様に思います。
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