ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

電線類地中化

2019年09月17日 | 時事ネタ関連

9月9日早朝に千葉県千葉市付近に上陸した台風15号は、関東地方を中心に大きな被害を生み出した特に千葉県の被害は大きく、広い地域で発生した停電は、今も復旧していない所が少なく無い。

千葉県内では送電塔2本と電柱84本が倒壊し、損傷した電柱は約2千本にも上るとか。直さなければならない送電塔及び電柱の数が余りにも多い事に加え、山間部に設置されている物が結構在る事が、停電の全面復旧を遅らせていると言う。

今回の被害を受け、「電線類地中化を進めた方が良い。」という声が上がっている。電線類地中化とは「電線(電力線・通信線等)及び関連施設を地中に埋設する。」事を意味し、メリットとしては此方に書かれている様に、台風地震といった災害時に電柱が倒れたり、垂れ下がった電線類が消防車等の緊急用車両の通行の邪魔をする危険が無くなり、防災性が向上する。地中化された電線は、架空線に比べ、大幅に地震で破損し難くなる。其の、災害時の情報通信回線の被害が軽減し、ネットワークの安全性・信頼性が向上する。(「阪神・淡路大震災では震度7の地域で、電柱の停電率は10.3%だったが、地中線は4.7%で、電柱に対する地中線の被害率は45.6%と低かった。」そうだ。)、 通りの景観が改善され、バリア・フリー化が図れる。等が挙げられる。

一方、デメリットとしては此方に書かれている様に、目視によって傷んだ電線類を断線前に発見出来なくなる為、破損・断線箇所が特定し難くなる。其の為、復旧が遅れる事も。地震等で地下設備が破損した場合、掘り返し工事を必要とし、復旧が遅くなる。(阪神・淡路大震災の際には、断線の調査や修理に倍以上の時間が掛かった。)冠水豪雪等の災害時、復旧等の作業が出来ない。初期費用(増設費用)が、電柱方式に比べて高い。地中での整備費は、1km当たり4億~5億円と、電柱方式の約20倍(電気事業連合会)もの予算が必要。地中には既設埋設物として、都市ガス管や上水道下水道管等が在る。地面を掘り返す際には、電線の他、ガスや上水道&下水道の管理計画と連動する必要が在る。等が挙げられる。

初期費用(増設費用)の高さは、以前から指摘されている。電線類地中化が大々的に行われれば、費用自体は下がって来るだろうし、災害時に発生する復旧費用を考え合わせ、「電柱方式と比べて、費用対効果がどうなのか?」という事を検討する必要が在るだろう。

個人的に気になるのは、「電線類地中化した場合、災害時の復旧が必ずしも早く無いのではないか?」という点。地震の際、復旧に結構な時間が掛かったのは証明されているけれど、台風でも異常な冠水が在った場合、地中に埋設された電線類に全く被害が出ないとは思えないし、掘り返し工事にも苦労しそうなのだが・・・。


コメント (4)    この記事についてブログを書く
« 「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」 | トップ | 約1.8年/人~約5.0年/人 »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
地中化は推進すべきです (Kei)
2019-09-18 00:09:42
こんばんは。
私は、ずっと以前から、電線を地中に埋めて、無電柱化を図るべきだと思っていました。
giants-55さんが引用されてますように、メリットはいくつかあります。記事の中にあるように、
>阪神・淡路大震災では震度7の地域で、電柱の停電率は10.3%であったが、地中線は4.7%であり、電柱に対する地中線の被害率は45.6%と低かった<
という実績が示しているように、地中化していれば、地震や台風の被害もうんと軽減されるのは間違いないでしょう。
その他に、景観面もあります。海外の街の風景写真や映画等では、電柱はまずほとんど見当たりません。日本で、特に風光明媚な街並みの中に電柱や電線が風景の中に写っていると、とても見苦しく見えます。
ネットで、世界はどうなっているか調べてみました。
こちらの記事にありますが ↓
https://www.georhizome.com/archives/column/954
世界の主要都市の無電柱化率は
ロンドン、パリ、香港はそれぞれ100%
ベルリンで99.2%、台北95%、シンガポール93%
といった具合に軒並み90%~100%です。韓国・ソウルでも46%です。
それらに比べて日本では、一番進んでいる東京で7%、大阪は5%、日本全体では平均1.0%と、世界最低レベルだという事です。
まあヨーロッパでは無電柱化といってもすべて地中ではなく、昔から家屋の壁伝いに電線を這わせていた事も電柱がない理由の一つだそうですが。
デメリットも確かにありますが、メリットと比較してメリットの方が多ければ、デメリットを一つづつ解消して行くよう国を挙げて取り組み、せめてソウルの46%くらいまでは持って行くべきでしょう。

私の案ですが、ガス、水道は既に地下に埋められているのですから、電力会社、ガス会社、NTT、水道局が連携して、地中に大規模な共同溝を作り、どこの会社の作業員も点検出来るような施設を作ればいいのではないでしょうか。よくしょっちゅう道路掘り返して水道やガスの敷設工事をやってますが、これも無駄です。共同溝方式にすればこんな無駄も無くなるでしょう。
国が率先して、是非取り組んで欲しいと思います。
返信する
>Kei様 (giants-55)
2019-09-18 01:14:51
書き込み有り難う御座いました。

電線類地中化、通りの景観が良くなるというのは、凄く魅力だと思います。以前、石見銀山を訪れた際、其の一角に在る「大森の町並み」を散策したのですが、彼の地は電線類地中化がされており、古い街並みには電線が全く無かった。普段は感じる事が無かったのだけれど、電線の無粋さを、其の時に痛感しました。

自然災害に見舞われる事の多い我が国だけに、災害に強い国作りというのは大事な考え。限り在る予算なので、費用対効果という概念を忘れてはならないけれど、徹底的に検討した上で、「災害に見舞われた際の復旧スピード」等でメリットが多ければ、電線類地中化の推進は「在り。」だと思います。
返信する
Unknown (悠々遊)
2019-09-18 20:18:35
こんばんは~
空に向けて望遠鏡やカメラレンズを向ける趣味があるので、電線地中化にはもろ手を挙げて賛成です(笑)。
仰るようにメリット、デメリットはありましょう。
またKei様の提案にあるように、ガス、水道などがてんでバラバラに工事をしている現状では、電線地中化は置いといても、共同溝は必須です。
電力、ガス、水道、通信などの各支店・支社の建物を拠点に2~3階部分から竪穴で地下に降り、人が立って通れるぐらいの横穴にそれぞれの菅を通していけば、メンテナンスの度にいちいち道路を掘り返す必要はないし、洪水を心配する必要もないでしょう。
一見夢のような話でも、本気で取り組めば解決できるだけの技術力は、すでに日本にはあると思いますよ。
返信する
>悠々遊様 (giants-55)
2019-09-19 01:44:34
書き込み有り難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

上でKei様宛に書かせて貰いましたが、電柱の無い「大森の町並み」の景観は、本当に美麗でした。なので、其の点では電線類地中化に賛成なのですが、問題は自然災害が発生した際の“掘り返し作業”。でも、悠々遊様が書かれておられる様な形だと、其の辺の懸念も解消されそうですね。

後は費用に関して。“災害に強い国作り”というのは大事だし、国全体で行われる事柄なので、莫大な費用が発生するのは仕方無いのですが、問題は「“適正な費用”で成されるか?」という点。此の国では昔から、土建関係には利権が絡むのが普通となってしまっておりますが、国を蝕む企業や政治家を如何に排除するかを、国民は注視しないといけない。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。