秋以降、連日の様に熊被害が報じられて来た我が国。異常気象による餌不足等、こんなにも被害が多発している理由は幾つか在ろうが、「三毛別羆事件」の様な大惨事が繰り返されない事を心から願う。
「週刊新潮(11月23日号)」に載っていた記事「東京ウヨウヨ千葉はゼロ 日本列島クマ分布の意外」が面白かった。
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・今年10月末時点で、熊による全国の人身被害数は過去最高の180人。死者も5人に上る。
・東京でも100件以上の熊出没情報が在ったが、千葉県は1件も無い。と言うのも、千葉県には野生の熊が1頭も存在しないから。NGOの「日本クマネットワーク」がHPに掲載している情報によると、「千葉県では此れ迄、熊被害も熊出没情報も報告された事が無い。」と言う。
・房総半島南部には山が連なり、熊の食料となる団栗の林(照葉樹林)も多いのに、千葉県が野生熊の空白地帯になっている理由に付いて、「日本クマネットワーク」の代表・佐藤喜和氏(酪農学園大学教授)は「千葉県に熊が居ないのは、人による駆除等が原因では在りません。化石も発見されておらず、人類の歴史よりももっと以前から生息していなかったと見られています。其の昔、関東平野は湿地や広い草原の様な植生でした。秩父や多摩の山林で生活していた熊にとって、山を下りて、山とは取れる食物が違う関東平野態々進出し、其処から房総半島に迄足を延ばす意義が無かったのだと思われます。」と語っている。
・野生の熊、千葉県は本州で唯一存在しない都&県だが、本州以外でも居ない地域は結構在る。例えば「九州は20世紀中頃迄野生の熊が居たけれど、山間地への人間の進出により、今では絶滅した。」と言われている。又、「四国では香川県も、“生息条件”が揃っているものの、野生の熊が存在しない事で知られており、愛媛県も殆ど居ない。」とか。嘗て四国にも野生の熊が広い範囲で生息していたが、駆除等によって激減したそうだ。
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