ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

環境破壊が進むガラパゴス諸島

2005年03月10日 | 動物関連
1835年、イギリスの博物学者ダーウィン氏が訪れ、フィンチと呼ばれる鳥の仲間等の観察を通じて、進化論の発想を得た場所であるガラパゴス諸島。彼の島で環境破壊が進んでいると、一昨日の新聞が取り上げていた。動植物の生態系が、或る外来種によって崩壊の危機に在るのだという。その外来種とは、他ならぬ人間なのだ。

1970年代前半には4千人程度だった島の人口も、今は5倍の2万人。近年の観光ブームや、80年代後半から始まった海鼠漁を目当てに、エクアドル本土から人々が大勢移住して来た為という。特に海鼠や伊勢海老漁に関しては、島の漁師は本土の漁師の2~3倍稼ぎが在るというのだから、大挙して移住したのも判る気がする。

住人が増えた事で、島によっては陸亀が絶滅した所も在るそうだ。何でも、亀は餌を与えなくても長期間生存している事から、捕鯨船の「保存食」として重宝がられたからだという。人間が”食”によって生態系を破壊したケースだ。

そして、環境破壊の最たる要因が、諸島で生じているゴミ。先進諸国並みの生活を送る住民達は、プラスチック容器等のゴミを大量に廃棄している。きちんとしたゴミ処理やリサイクルが一部でしか行なわれていない彼の島では、野積みするか山に埋めるというのが一般的なのだとか。下水処理も不完全で、湾内の汚染は進みつつある。

又、人間が持ち込んだ犬や牛等の動物が、イグアナ等の在来種を襲ったり、大量の糞で水が汚染されているのだそうだ。牧場の造成等で、本来諸島には無かった植物が持ち込まれ、在来植物が消滅の危機に在るとも。

確かに憂慮すべき事態ではあるが、この手のニュースを目にした時に思うのは、人間が進化して行く過程での不可避な事態でも在るのではないかと。地球環境に配慮せずにゴミを捨て続ける人間に、”進化”という言葉を使うのが相応しいのかどうかはさておき、偶然かはたまた必然からかは判らないが、その地に人間が定住し生活して行く過程で、或る程度の生態系や環境の破壊が進んでしまうのは、「天の配剤」の様な気もするのだ。破壊神として知られるシヴァ神が治癒神の顔も持ち合わせていた様に、多面的な顔を持つ神々の悪戯心が引き起こした事なのかもしれない。

抽象的な話は別にして、結局は、人間と自然界が何処で折り合いを付けるかが大事なのではないだろうか。
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5 コメント

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悲しきフィンチ (餅きなこ)
2005-03-10 13:17:43
 ガラパゴスって人がいたんですか?知りませんでした。だって、あそこ岩がゴツゴツしてて、とても住めるところじゃないと思っていました。でもそれを知ったのは人間が取材してくれたおかげなのですよね。複雑。

 きなこ、たびたび、石垣島に行くのですが、昔より人が多くなって、サンゴの破壊といった自然破壊が問題になっています。きなこも正直、人に辟易ってのもあるのですが、あんま行かないようにしたの。昔行ってた情景が心に残っているし。

 それにしてもガラパゴスって今、一体どうなっているのでしょうか?宿があって、ガラパゴス饅頭やフィンチキーホルダーが売ってて・・・なんて感じなんですかね。

 フィンチのクチバシが泣くなぁ~はぁ~かなし。



 すごい話です。また勉強になっちゃいました。
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モアイは無事かな (久保課長)
2005-03-10 22:47:48
こんばんは、久保課長です。

私も大変勉強になりました。あの島になんと2万人もの侵略者が上陸していたんですね、ホント驚きです。ダーウィンが進化論を生み出したまさにその場所で、人間の進化により自然が破壊されているとは・・・人間と自然界が折り合いを付けるには御上からの圧力しかないでしょうかね。エクアドル政府はなんらかの対策をとっているのでしょうか?

ふと気になったんですが、イースター島のほうは大丈夫なんですかね。
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移住しているの? (ヒカル(v^-^))
2005-03-10 22:50:17
確かガラパゴス諸島って自然保護地域になってて上陸するのに登録申請が必要やったと思ったんやけど、なくなったのかな?

漁師にとってあのあたりは自然のまま残されているので、漁獲量も半端じゃないでしょうね。捕れるだけ捕ったれって思っているんでしょう。

それにしても人間は今まで数々の動物を絶滅させた歴史があり教訓としている筈やけど、私利私欲のためやったらそんな事どっかに飛んでいってしまうんですね。
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>久保課長様 (giants-55)
2005-03-11 00:58:20
書き込み有難うございました。



進化論の発想が喚起された島が、今や人間の進化によってその生態系が脅かされているという事実に、何とも言えない皮肉を感じました。



下でヒカル様が書かれておりますが、エクアドル政府としては、ガラパゴス諸島の97%を保護区に設定し、残り3%を漁業や農業、観光業に従事する現地人と、欧米からの研究者の在住区域に設定している様です。それでも、諸島の生態系が脅かされているというのですから、人間の及ぼす影響力というのは凄まじいのでしょうね。



現在のイースター島がどうなっているのかに付いては不勉強な身ですので判りませんが、以前読んだ書物では、嘗て彼の島の社会が崩壊した理由は大規模な森林破壊に在ったという事です。森林破壊が進むにつれて大地は荒廃し、自然の恵みを得られなくなり、遂には皆島から逃げ出してしまったと書かれていました。



何時の世も人間は愚かしい存在という事なのでしょうか・・・。
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人大杉w (やま)
2005-03-12 17:03:47
 所詮人間は自然環境を壊していかないと生存出来ない生き物です。エコロジーなんていっても所詮は人間が自然を管理しようというだけの話でむなしいものです。

 たまに前世紀に医療や農業テクノロジーの発達で人口が爆発的に増えた人口自体が環境破壊の根本的な要因ではないかと思い、人間そこまで生きなきゃいけないものなのかなと思います。増えた人間を食わせていくにはその分自然から食料を搾取しなければいけないですから。貧困と環境破壊の真の要因は先進国の贅沢ではなく先進国の医療援助や食糧援助じゃないかと考えます。

 
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