ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

トラブル回避

2020年11月29日 | 其の他

自分が十代の頃、父は病気で急死した。今からウン十年も前の事だ。父は病気知らずの人だったので、突然の死は本当にショックだった。親族に恵まれていたので、亡くなって以降の諸手続きは周りが全て代行してくれたし、世間で良く見聞する“相続トラブル”というのも全く無かった。

父は若くして亡くなったのだけれど、残された者達が困らない程度の保険金額の生命保険に入ってくれていたので、大学は進む事が出来た。幼くして親を亡くした子供達の中には、苦労に苦労を重ねて大人になった人も少なく無い。父には、心から感謝している。

父が亡くなった際、唯一頭を悩ませた事が在る。亡くなる1年程前、母に「もう1つ別に、生命保険に入っておこうかと思っている。」と言ったそうだ。其れ外資系の生命保険で、具体的な内容も説明してくれたし、1ヶ月後位に「入ったから。」とも言っていたのだとか。父が急死するなんて夢にも思っていなかったので、母は真剣に聞いてはいなかった。

で、父が亡くなって何ヶ月か経った頃、「そう言えば・・・。」と母は“追加した生命保険”の事を思い出した。母と一緒に自分も家中を捜したけれど、当該する保険証書は見当たらず、「結局、新規加入はしなかったんだろうね。」という事となった。当時はどうか知らないけれど、今は亡くなってから3年以内に保険金請求をしなければ、原則的に保険金は受け取れない。という事になっているとか。「保険料はきちんと徴収するのに、保険金は遺族から請求が無ければ、何も言って来ない。」というのが生命保険会社なのだろう。

近年、週刊誌では“相続に関する記事”が良く取り上げられている。「相続トラブルを回避する生前に夫婦(又は親子)がしておかなければならない事柄。」とか、「配偶者(又は親)が亡くなった際、行わなければならない事柄と必要書類。」といった物が、時系列で非常に詳しく書かれている。将来に備え、内容をコピーして手元に置いているのだけれど、こういう記事が良く取り上げられるというのは、相続トラブルが少なからず起こっているという証左なのだろう。

3年近く前の話で在り、もう“時効”だと思うので書くが、知り合いに相続トラブルが発生した。知り合いは40代後半の女性で、彼女の旦那さんが亡くなった。夫婦と子供2人という家族構成で、子供は2人共学生。ローンで購入したマンションに住んでいたのだが、団体信用生命保険(団信)に入っていた(入らされていた?)ので、残りのローンは払わずに済んだ。

ところがだ、旦那さんが亡くなって以降、知らなかった事柄が次々と明らかになる。「入っている。」と言っていた医療保険や生命保険は、生前に全て解約されていた。生命保険に関しては2千万の保険金と聞いていたので、「直ちに生活に困る事は無いだろう。」と彼女は安心していたのに。

預貯金の残額が余り残っていなかったのもショックだったが、一番ショックだったのは次から次へと“旦那がした借金”が見付かった事。全て、彼女は知らされていなかった。相続放棄も考えたが、専門家のアドバイスに基づいて、相続したマンションを売り払い、全ての借金を返済したら、手元には殆ど残らなかったそうだ。

「借金を、何の為に使っていたのか?」は、全く判らなかったと言う。恐らくは、自分の“趣味”の為に使っていたのだろう。旦那さんの事を信じ切っていた彼女も悪いが、「残された家族の事を全く顧みなかった。」旦那さんは最悪だ。相続トラブルを回避する為にも、生前から夫婦間(又は親子間)できちんと話し合いをする必要が在ると思う。


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