ゆるキャン△大井川エリアの最奥の聖地、畑薙大吊橋を渡る、の続きです。御覧のとおりの状況ですが、高所恐怖症の身には相当にこたえました。これまで大井川エリアの各所で色んな吊橋を渡ってきているので、慣れてきたかというと、全然慣れません。怖いものは怖いのです・・・。
それならば、渡らなきゃいいのに、無理してでも渡らなくてはならないのですから、ゆるキャンの聖地がいかにゆるくないことが改めて実感されます。聖地のどこへ行くにも、一般的にアクセスが大変なので、なにかと苦労しますが、現地に着いた瞬間の達成感、満足感というものが、他の一般的な旅行よりも格段に大きく深いです。
さて、高所恐怖症が一時的にやわらぐ時になりました。畑薙大吊橋の向こう側に達したのでした。
昨夕に同道した藤枝の登山客が、南アルプス赤石山系の南側稜線への登山口の一つになっている、と話していたとおり、吊り橋のすぐ脇から道が急な山道になっていて、いかにも登山口だという雰囲気がありました。ダム湖の岸ですから地形的にはかなり急である筈です。
案の定、御覧の通りの急な登り道が奥まで続いていました。既視感を覚えて、ああここか、と気付きました。原作コミック第11巻49ページ2コマ目のアングルです。土岐綾乃が「ツワモノは更にここを進んで行くんだね・・・」と話したシーンです。山道の右手に太陽光を受けて白く光っている表示板らしきものが見えたので近寄ってみました。
クマ・・・。えええ・・・。原作コミック第11巻49ページ3コマ目の看板はこれの忠実な再現描写でした。
土岐綾乃が「戻ろっか」と言い、志摩リンが「すぐ戻ろう」と言いましたが私も同じ思いでした。ここでクマに出会ってしまったら逃げ場がありません。なぜならクマは吊橋も平気で渡ったりするのですが、高所恐怖症の私が高さ30メートル以上の畑薙大吊橋を全速力で渡って逃げるのは不可能であるからです。
はああ・・・、またこの恐怖のデス・ブリッジを渡るのか・・・。対岸にドイツの戦車師団が待ち構えていそうな気がするんだが・・・。 (アホかお前は)
見なくてもいい下を見てしまい、足元から背中へと痺れのように這い登る震えと悪寒に立ちすくんでしまいました。何をやっとるんだ自分・・・。撮影してる場合か・・・。クマの危険だぞ、ドイツ戦車師団の危険だぞ。 (アホかお前は)
3分あまりの苦悶苦闘を切り抜けて、ついに渡り切りました。
生還・・・! マジで、ホンマに、めちゃくちゃ嬉しかった・・・!!
さすがにこの畑薙大吊橋は、大井川エリアのゆるキャン聖地の各所の吊り橋のなかで一番怖かったのでした。土岐綾乃、志摩リンが揃って「デス・ブリッジ」と形容したのもよく実感出来ます。
いやー、とにかく渡り切りましたので、ヤレヤレという気分でした。ですが、今回もハードスケジュール気味の行程でしたからゆっくり休んでいる暇もなく、ペットボトルのお茶を飲んでひと息ついたのみで11時57分に出発、もと来た道を引き返し始めました。3分も歩くと、もう畑薙大吊橋が遠ざかって見えました。 (続く)