防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

写真は写真でしかない

2009年12月28日 | 災害の記憶と想像力
今日は土石流危険渓流の再調査です。この師走の時期にそれはないだろうと言うとこでしが、気候以上に写真に写る範囲でしか自然を想像することの出来ないで、それで”それらしく”見える写真を撮りなおすという発想で技術者と言っている”技術者”が増えている現状が寒いと思います。

自然現象には多種多様な存在理由があります。崩壊や土石流の有無、最終氷期以降の地形発達史的背景や岩盤の風化、植林の管理状況などがその渓相を醸し出しているのですが、それを一枚の様式に収まるような写真で表すというのは無理があります。だからこそ、私たちはスケッチや調査所見でそれを補うなどするわけです。

確かに写真は事実を客観的に写してはいますが、ただそれだけです。技術者の判断や(写真家であればその陰影や色彩を、自分の伝えたいことを反映させるために、様々な”技術”と情念を注ぐことと思います)ががなければ付加価値はありません。シャッターを押すだけの単純作業でしかありません。