防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

崩れなかったところにこそ

2008年06月23日 | 平成20年6月岩手・宮城内陸地震
このたびの岩手・宮城内陸地震についても、各研究機関、調査会社が続々と調査報告を出しています。今回は特に、わが国の災害史上でも最大規模と言われる地すべり(あくまで”史”上であって、歴史時代以前に発生した地すべりはいくらでもあります)が活断層と密接に関わる場所で発生したとあって、そのことに論議が集中しているようです。

今回崩れたところは、逆に言えば不安定だったものが安定に転じたということが出来ます。もちろん今後数年~十数年単位で土砂の流出が続くため、流域の自然の回復には人の人生一世代分は十分にかかってしまうので、大変なことには変わりありません。

しかし、これほどの地震を経験してもなお、くずれなかった斜面の方が広いわけです。それがなぜなのか、ここ数十万年間で繰り返された地震や豪雨で安定化したのか、あるいはそれでもまだ崩れていないのか、また、今回の地震でくずれそうになったがなんとか持ちこたえたのか、そういったいわゆる"目につきにくい”ことを地道に研究することも重要だと思います。灯台下暗しではすまされない問題です。