忘れえぬ体験-原体験を教育に生かす

原体験を道徳教育にどのように生かしていくかを探求する。

中学校教師のつぶやき04

2012年07月24日 | 中学校教師のつぶやき
第7話 『ありがとうの一言』

家族の中や、親しい間柄のゆえに「ありがとう」の一言が言いにくいことがあります。
長年一緒に暮らしているから「何も言わなくとも思いが通じる」、と考えている人もいるでしょう。
しかし、本当にそうでしょうか。
あるお父さんは、会社から帰宅すると居間に座るなり、お母さんに向かって、
「お~い、ビール」「めし」「風呂」、お母さんと交わした言葉がたったこの三つだけだったそうです。
長年一緒に暮らしているのだから、この三つの言葉だけでもお互いを思いやり信頼し合える関係なのだと、本当に言えるのでしょうか。
お父さんは仕事で疲れていますが、お母さんにしてみても同じです。
女中さんのように命令されてばかりでは嫌になってしまうでしょう。
親しい間柄であっても「ありがとう」、という一言が大切なのではないでしょうか。
互いの心の距離は、ささいなすれ違いから生じてくるものです。
夫婦の間であっても、親子の間であっても、相手を思う心配りをおろそかにしてはいけないと思います。
「ありがとう」「おはようございます」のたった一言ですが、その一言に温かい心を込めて身近な人にも使いたいものです。

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