忘れえぬ体験-原体験を教育に生かす

原体験を道徳教育にどのように生かしていくかを探求する。

中学生の時期の子育て

2013年03月31日 | 中学校教師のつぶやき
第15話 『責任を自覚させるかかわり』

 子どもたちが大人に向かって、
「お母さんのせいだ」
「お父さんのせいだ」
「先生のせいだ」などと言うとき、
私達は子どもへのかかわり方を見つめ直す必要があります。

その原因が本当に大人の側にあるのか、それとも子どもの問題なのかです。

子どもに原因がある場合、
この言葉の奥にある子どもの心に問題があります。

「僕のせいではない」という、自分を見つめる気持ちがないことです。

遅刻しそうになると決まってお母さんに文句を言う生徒がいました。

「なぜもっと早く起こしてくれなかったんだ」と常にお母さんを責めます。
自分が毎日遅くまで起きていることの反省など、みじんもありませんでした。

こうした姿勢は中学生の時期までで終わることなく、高校生になっても大人になっても続くことがあります。

原因は、子どものときからの過保護であり過干渉にあります。
親の手助けを、子どもが当たり前と考えているからです。

いつまでも親にとっては子どもは子どもなのですが、親が手を出しすぎれば、それだけ子どもの自立は遅れ、依存する心が身についてしまうのです。

大人になるとは、年齢や体格ばかりではなく、心を成長させなければなりません。

子育てにおいては、勉強ばかりに目を奪われることなく、心の成長や生活面においても自立できるように育てることが大切なのではないでしょうか。


中学生の時期の子育て

2013年03月30日 | 中学校教師のつぶやき
第13話『中学校では、なぜ茶髪やピアスがいけないの?』

 日本の多くの中学校では「中学生らしい身なり」という理由から、茶髪やピアスを禁止しています。
それでもたまに、ピアスや茶髪の生徒がいます。

「いけません」と指導しても、聞く耳を持たないのが現実だと思います。
茶髪やピアスは現代社会の若者の流行であり、多くの若者が行っています。
格好良さのシンボルであり、アメリカでは小学生からピアスをしている子どももいるようです。

 ではなぜ茶髪やピアスがいけないのか、と疑問をもたれても当然だろうと思います。

教師であれば茶髪やピアスは「いけない」と生徒に話します。

理由はなんでしょうか。

ひとことで言えば、学校の「きまり」「ルール」だからです。

 もうひとつは、中学生の自律の力の弱さです。
身なりのことよりも、心を鍛えなければならない時期だからです。
多くの中学校では茶髪やピアスは禁止されています。

ですから、茶髪やピアスをすることによるトラブルが生まれてくる危険性が大きくなります。

そしてもうひとつは友人関係の変化です。

問題は茶髪やピアスそのものよりも、「中学校の約束・ルールを守れない生徒」ということです。

人と違ったことをすることには勇気がいりますし不安です。
茶髪やピアスをしている生徒も、学校の約束やルールを破っている不安感から同じように破ってくれる仲間を求めます。
そこに集団が形成されのですが、その集団は生活ルールを破るための集団となることが多いのです。

時には同様な他校の生徒、卒業生、暴走族などとの関係まで広がっていくことがあります。

中学校の3年間は、自分の考え方や将来の自分を創る上でとても大切な年代です。
それ故にできれば、夢や目標を大切にし向上し合える友人関係であってもらいたいと思います。

記事のタイトルを入力してください(必須)

2013年03月30日 | 中学校教師のつぶやき
第12話 『温かい叱り方と冷たい叱り方』

子どもを叱るのは、子どもがよりよく生きていけるように行動や態度を正しくしてあげたいからです。

ほめるだけでそれができれば越したことはありませんが、子どもにしっかりとした生活習慣や考え方を身につけさせるためには、いけない時には叱らなければなりません。

しかし、その場合の叱り方はあくまでも心の通った温かい叱り方であって、子どもを見放した冷たい叱り方ではいけません。

冷たい叱り方とは、子どもに親の温かい心を感じさせない、突き放した叱り方です。
子どもに反発心や敵意、孤独感を感じさせる叱り方です。

温かい叱り方とは、たとえ厳しく叱ったとしても親に愛されているという実感が子どもにつたわる叱り方です。それはその子にとってかけがえのない体験となるでしょう。

上手な叱り方や正しい叱り方、好ましい叱り方というものは、叱られた結果その子どもが悪かった点を自覚し、「これからは改めよう」という気持ちを起こさせる叱り方です。

叱る者と叱られる者との間の人間関係がより深まる叱り方です。
子どもがこれからの生活を、より良くしようとする意欲を起こさせる叱り方です。

叱られて、良い気持ちのする人などひとりもいません。
誰にとってもつらくいやなものです。叱る立場も嫌なものです。
しかし温かい心から叱るのであれば、必ず子どもに温かい親の思いも伝わっていくものです。

「温かい心で叱る」ということが、叱り方の基本なのでしょう。