ドラベ症候群では突然死のリスクが高いことが知られていますが(参考:ドラベ症候群に関するレビュー記載のまとめ)、前兆なく乳児が突然死する原因不明の疾患(乳幼児突然死症候群:SIDS)の子供において、 呼吸筋に影響を与える「SCN4A」遺伝子に稀な突然変異を持つ子供が一定数、含まれていることが分かりました。
この研究にはDravet Syndrome UKからも助成金が提供されていて、研究結果の概要は日本語の記事も出ています(乳幼児突然死、遺伝子変異との関連示唆する初の論文発表)。
結論としては、「SCN4A遺伝子は呼吸筋の中にある重要な細胞表面受容体に指示を与えており、その活動は誕生時は低調だが、最初の2年間で活発になっていく。この遺伝子の突然変異が、一連の遺伝的な神経筋疾患とともに、致命的な呼吸の一時停止や呼吸を一時的に困難にする可能性のある声帯のけいれんなどを引き起こす可能性がある。」とのことですが、ドラベ症候群に見られることのある同じ電位依存性ナトリウムチャネルのα−1サブユニット(SCN1A)の遺伝子変異とSCN4A遺伝子異常との関連性は現時点では指摘されていないようです。
現時点ではドラベ症候群との関連性は不明ですが、今後、解明されることもあるかもしれないので、一応記事にしておきます。
因みに、乳幼児突然死症候群は国内で年間100例程度の報告がありますが、発症リスクを低くするための3つのポイントは下記になります(11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間です)。
■1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせる
■できるだけ母乳で育てる
■保護者等はたばこをやめる