SMEI / ドラベ症候群 / 重症乳児ミオクロニーてんかん について

SMEIの診断を受けた長男に関連して調べたことたち

ドラベ症候群が指定難病の要件を満たしていることが確認されました

2015年02月07日 | 福祉制度など

2015年2月4日に開催された第7回厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会において、
ドラベ症候群等の41の神経筋疾患について検討が行われ、全ての疾患が5つの要件を満たすと確認され、指定難病とすることが了承されました

残り約570疾患についても指定難病の要件を満たすか検討を継続し、最終的に約200疾患(約30万人)を選定する。
今後、2月中には残りの疾患の選定を終え、パブリックコメントの募集、疾病対策部会の了承を経て、5月頃に法令等で正式に指定され、早ければ7月にも助成を開始される予定。

これまでドラベ症候群は、小児慢性特定疾患に指定されていましたが、難病指定疾患ではないために20歳以降に小児慢性特定疾患でカバーされていた福祉サービスが受けられなくなる問題が指摘されてきましたが、これで改善しそうです。

長男はまだまだ小さいですが、同じ病気で苦しんでいる方々の負担が軽減される見通しが立ったことは嬉しく思います。

指定難病(第二次実施分)として検討を行う610疾病+包括病名の一覧


ドラベ症候群に関する検討内容は下記の通り

1.概要
1 歳未満に発症し、全身強直間代発作や半身性間代発作を繰り返し、発熱誘発けいれん、けいれん重積を伴いやすい、薬物治療に抵抗性、という特徴をもつ。
1 歳を過ぎると発達遅滞や運動失調が出現する。ミオクロニー発作や欠神発作を伴うこともある。
原因として SCN1A 遺伝子の異常を高率に認める。てんかん性脳症の1つ。

2.原因
SCN1A 遺伝子のヘテロ変異を 75%に,微小欠失を数%に認める。SCN1B、SCN2A、GABRG2 遺伝子変異の報告も希にある。

3.症状
全身もしくは半身けいれん発作、焦点性発作、ミオクロニー発作、非定型欠神発作などがみられ、発熱や入浴による誘発、光や図形に対する過敏性がみられる。
けいれん重積ないしは群発を起こしやすい。脳波では背景活動の徐波化、広汎性多棘徐波、多焦点性棘波が年齢に伴って消長する。

4.治療法
バルプロ酸、クロバザム、スチリペントール、臭化剤、トピラマートなどが用いられる。薬剤によっては悪化することがある。
けいれん重積にはベンゾジアゼピン系薬剤などを使用する。ケトン食治療も行われる。

5.予後
上記治療により、けいれん重積の減少、各種てんかん発作の減少を期待できるが、完全に治癒することはない。
極めて高率に知的障がい、運動失調、発達障がいを伴い、成人期に自立した生活を送ることは稀である。
思春期までの死亡率が約 10%との報告があり、突然死や急性脳症による死亡率が高いとされる。

○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数
約 3,000 人

2. 発病の機構
不明(75%に SCN1A 遺伝子異常を認めるが、難治性てんかんや各種神経合併症を生じるメカニズムは十分には解明されていない。)

3. 効果的な治療方法
未確立(てんかん発作を軽減させることはできるが、消失には至らない)

4. 長期の療養
必要(成人に至ってもてんかん発作を繰り返すことが多く、自立した生活を送ることは稀である。)

5. 診断基準
あり(研究班作成の診断基準あり)

6. 重症度分類
精神保健福祉手帳診断書における「G40 てんかん」の障害等級判定区分、および障害者総合支援法における障害支援区分における「精神症状・能力障害二軸評価」を用いて、以下のいずれかに該当する患者を対象とする。


 

○ 情報提供元
「希少難治性てんかんのレジストリ構築による総合的研究」
(研究代表者 国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センター 院長 井上有史)
研究分担者 静岡てんかん神経医療センター 臨床研究部長 今井克美

 

<診断基準>
確定診断例を対象とする。

ドラベ症候群の診断基準
A 症状
1. 全身もしくは半身けいれん発作。
2. 焦点性発作、ミオクロニー発作、非定型欠神発作、意識混濁発作。
3. 発熱や入浴による誘発
4. 光や図形に対する過敏性の存在。
5. けいれん重積ないしはけいれん発作の群発を起こしやすい。

B 検査所見
1. 血液・生化学的検査:特異的所見なし。
2. 病理検査:特異的な所見なし。
3. 画像検査:乳児期は正常だが、幼児期以後は非特異的大脳萎縮がみられる。海馬萎縮を伴うこともある。
4. 生理学的検査:脳波では背景活動の徐波化、広汎性多棘徐波、多焦点性棘波が年齢に伴って消長する。
5. 運動・高次脳機能検査:幼児期以後に中等度以上の知的障害を伴うことが多く、神経学的にも失調や下肢の痙性を伴う。広汎性発達障害がみられることもある。

C 鑑別診断
以下の疾患を鑑別する。
複雑型熱性けいれん、全般てんかん熱性発作プラス、焦点性てんかん、乳児良性ミオクロニーてんかん、レノック・ガストー症候群、ミオクロニー失立てんかん、PCDH19 関連症候群。

D 遺伝学的検査
SCN1A 遺伝子の検索をすすめる(ヘテロ変異を 75%に,微小欠失を数%に認める)。陰性の場合は、さらにSCN1B、SCN2A、GABRG2 遺伝子も検索する。

<診断のカテゴリー>
1歳未満でA1を発症し、A2-5の特徴を1つ以上有する場合は本症候群を疑い、遺伝子検査をもって確定診断とする。
ただし、1歳未満でA1を発症し、A2-5の特徴を2つ以上有し、かつ B3-5のうち1つ以上を有する場合は、遺伝子検査が陰性でも確定診断とする。

 

 


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