胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

肝様腺癌、肝細胞癌、SALL4

2011-05-10 | 胃癌全般
 胃癌の特殊型のひとつに肝様腺癌 hepatoid adenocarcinomaがあります。AFP産生胃癌のひとつとしてもよく知られています。昨年のDr.ウッシー(クッシーではない)の論文に感銘を受け、SALL4を購入しました。この系列の腫瘍診断に大変重宝しています。
 写真上の二枚は肝様腺癌です。SALL4が核にびまん性強陽性を示しています。
 写真下の二枚は肝細胞癌の胃転移です。SALL4は全く染まりません。
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3 コメント

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SALL4 (Chie)
2011-06-04 17:27:57
私も、齧歯類の内胚葉の発生過程で見られる組織学的類似性からEndodermal sinus tumorと命名された腫瘍を含めて先人の形態学の眼に偉大さを感じました。
外科病理学おn仕事をできることに感謝している毎日です。
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Unknown (ひらかわ)
2011-06-10 16:22:26
大変勉強になります。消化器内視鏡医です。
内視鏡で、易出血性の腫瘍では、似たような病理像を呈してきます。早期像をあまりみかけたことがないのです。ESDやりまくって、発見していくしかないですね。
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AFP産生胃癌 (ドクトル・クッシー)
2011-06-11 20:26:54
Chieさま、ひらかわ様、ご来室ありがとうございます。このタイプの胃癌は分化型癌(腸型腺癌)の深部浸潤部でみられることが多いので、早期でとらえることは難しいですね。私もずーっと昔、ある病院の先生と一緒に「早期のAFP産生胃癌」という症例を内視鏡関係の雑誌に出したことがあります。
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