だんだん細かくなってきましたw何度も同じこと言いますが、絵の美しさとか奇想天外な演出とかなにもかもがぶっ飛んでいてすばらしいです。
アンシーのお兄さんが正体現してきましたね。
ではむろんネタバレありなのでご注意を!
25話「ふたりの永遠黙示録」
今回からかなり色々なものが新しくなります。ウテナとアンシーが寮を出てアンシーのお兄様である鳳暁生と同じ屋敷に住むことになり二人の相部屋が超豪華に。決闘場へ行く過程が階段からゴンドラに代わりアンシーが制服を脱いでドレスに代わる場面があり、ウテナの変身シーンも新しいバージョンにと目まぐるしいですが、なんといっても一番の変化はディオスの剣が途中で消えた(暁生と冬芽のセリフによると出現しなかった)ことですね。その代わり(この言葉が多い)アンシーはウテナの体から剣を取り出します。この行動は薔薇の花嫁の法を逸脱したものであるようです。これまでなにもかも決まりだから仕方ない、とばかり言っていたアンシーが目覚めつつあります。
暁生の深い介入が始まり物語はこれまでの子供時代から大人への扉が開き始めたことを感じさせます。
今まで最も高い位置にいた冬芽が暁生の前では導かれるものになり諭される。暁生が男にも女にも性(セックス)を感じさせる存在として位置しているのですね。
変化したもののもう一つはアンシーがこの回ウテナとの相部屋の不思議なダブルベッド(頭が同じ位置で足が逆方向の回転するような形になるダブルベッド)で初めて髪を下ろして長い髪になること。眼鏡もはずしています。
あーもーこのアニメって隅々まで色々な秘密だとか謎だとか暗示だとか思わせぶりとかで満ち満ちていて謎解きを始めたらキリがなくなってしまうのです。
アンシーがここでまとめた髪を下ろして長く垂らしているのはもちろん性的な意味を示しています。西洋的な解釈ですね。長くしたままの髪は少女を示してもいるし性的な意味でもあります。眼鏡をはずすというのも「囚われていない」という意味になると思います(先入観をもつことを色眼鏡をかけると言いますね)
不思議な形のベッドで二人は陰陽の形になってるように思えます。これまで別々のベッドで寝ていたふたりがこの形になれるように一つになってきたのですね。
陰陽の形になったということに、二人の関係性を深く語っていけます。
陰陽は世界をあらわしていますし、互いが存在することで成り立つという意味になりますね。
タイトル「ふたりの永遠黙示録」がすべて謎解きしてもいるのですが、ウテナとアンシーの秘密がここから解き明かされていくのでしょう。私は今から見ていくのですが、ほんとうは怖いものをみてしまうのではないかという恐れも感じています。
26話「幹の巣箱(光さす庭・アレンジ)」幹と梢の物語。色々なことを匂わせています。ここにも秘密があります。
27話「七実の卵」
ちょっとえぐい感覚も感じさせてしまうこの回でした。
というのは七実という少女らしい少女(と私は思うのですが)ているのを主人公にして、少女の性(セックス)への恐れと不安を「卵」という形で表現しているからですね。
自分の経験なのですが小学生の頃に誰かが飼われている小鳥の卵を落として割ってしまったことがあるのですね。(記憶の嘘で自分だったら怖い)それを見た私は凄く怖くなって長い間(っていうか今も覚えているのだから半世紀ほどだ)忘れられなくてそれからウズラの卵が食べられなくなり(鶏の卵は食うと言う適当さ)卵というものに生と性を感じています。
卵って命そのものであるし、性から生み出されたものであることが認識できるものであるし、そのことになにか怖いものを感じてしまいます。無精卵というのもありますが、それはそれでちょっと不気味に思うのです。これを不気味に思ってしまうのも謎ですが。
卵を産んだ自分に不安と恐怖を感じる七実が可愛くもあり可哀そうでもありました。
冬芽の「こんなに幸せに暮らせるのはお前が卵を産まない少女だからだよ」というセリフはいつもにもまして禍々しいセリフです。
悩みを抱えきれず卵を捨てにいった七実の行動の悲しさ恐ろしさ。思い切り喜劇的に演出されていてなんとか見られますが、物凄い恐怖とぞっとする感覚を何度もさせられた回でした。
性に目覚めなければならない少女という存在は何と危うく孤独なのでしょうか。
七実の強さがあっても乗り切ることは困難でした。
そんな少女に対して単なる処女性を求めるだけの冬芽のセリフの冷酷さ無惨さを言った本人はなんとも感じていないのです。
「卵」を女性の月経とすることもできますが、私は「性体験」ではないかと思います。
七実が幼女期に砂場で卵を見つけたという記憶は彼女が幼女期にいわゆる男性からの性的暴行(いわゆるいたずら)を経験したのではないかと思われます。重傷ではなかったので「見つけた」という感じで誰にも言わなかったのでしょう。
ではベッドで卵を産んだ、というのは?
いまのところわかりませんが、そういう意味なのかもしれません。冬芽に聞いてみましょうか。それとも違う誰かかも。
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