ガエル記

本・映画備忘録と「思うこと」の記録

ソレが「見えないところを歩けばいい」ってさ

2018-09-12 06:44:06 | 女性



最近、シュナムルさんのツイートを読んでコメント欄を見たらものすごい勢いで反論されていて、つまりいわゆる「クソリプ」の連打でちょっと驚いたのでした。しかもツイート内容からずれてしまっているリプライが多すぎるのですね。まあこういう現象は頻繁にあるわけですけどね。

私の文章もちょっとずれてるかもしれませんが、ちょいと色々思ったので書いてみようかと思います。

まずよくある「エロを見たくないんだったら見えないところを歩けばいい」という言葉です。本屋だけはよく行くのでわかりますが普通の棚に置いてあるのだったら自然目に入ります。しかも子供の目は大人より低いので平積みされている本は余計目に入りやすいはずです。シュナムルさんはそういう普通の棚に置いている、という行為を批判しているのだから「見えないところを歩け」ということ自体ずれているのですよね。「子供の眼前に公然と並べる」ことに抗議されているのですから18禁でカーテン越しの別部屋を設ければ(部屋の片隅に作れますよね)いいだけの話です。

ここからちょっと昔話をしますが、私が小学生の頃はマジで道路わきにポルノ映画の看板が子供の目線の高さで平然と乱立していたのですよ。
私が住んでいるのは大都会でもド田舎でもなくて小さな地方都市でした。
そばに歓楽街があるような町じゃなく、いたって普通の穏やかな住宅地です。結構数のある団地内でしたから住んでるのはほぼ小さな子供のいる家族ばかり、青年の独身者などほとんどいないような場所でした。そういった団地の区域内で学童が通学する道にポルノ映画の看板がずらっと並んでいるような時代だったのですよ。横道に入ったりした場所じゃなくて学校へ向かう道路沿いなのです。小学生だった私は本当に気持ち悪いし見てはいけない気持ちもあるしで下を向きながら歩いていたと思います。とても「見えないところを歩く」ことができる状態ではなかったのです。無理して歩けば、人も通らぬ道になって今度は危険だったでしょう。
おない年の夫に聞いても覚えてましたから私だけの妄想ではないようです。夫は男ですから喜んで見てたらしいですけどね。
それがいつの間にか、無くなりました。
当然のことだと思うんですよね。

TVも昔は性的なものが(男性向けに)横行していましたが、どんどん少なくなってきましたし、深夜帯にあったもろにポルノめいたものもなくなっているように思えます。
広告なども昔は性的なものが(男性向けで)多くて例えばビールはビキニ姿の若いモデルが使われていたのもなくなってしまいました。
「見たくないんだったら見えないところを歩け」じゃなくやはり時代はそういうものを公然と見える場所から外していってますね。
なぜか「本」という媒体はまだそういった配慮がないのが謎ですが、時代の流れを見れば必ず「一般に見えない場所に置かれる」
ようになるでしょう。「見たくないなら見えないところを歩け」にはならないのです。
コンビニなどではそういう配慮が始まっているようです。
雑誌や本の表紙の性的な表現も抑えられていきますよ。

ここで念を押しておきたいのは、性的な小説やマンガ、それから映画などを禁止しろ、絶滅してしまえ、ということではないのです。なにしろpixivで思い切り18禁マンガを描いている私でありますのですよ。ただ、一般の本屋・コンビニで子供の目のつく場所にで性的過剰なイラスト・写真などを置いてほしくないだけです。
今はネットでも過剰な性表現が存分に見られるし、本や映画でも内容が性的であるのは許されていますし(特定の異常なものは禁止されていても)その特定の異常も抜け道もあるでしょう。せめて公的な場所くらい「見えない」状態を作ってください。

さらに。

「男向けの女性の性的表現にばかり文句を言ってるが、BLとか女性向けの男性性的表現にも文句を言え」というのもありました。
まず数が違いすぎます。世界的歴史的分量になると宇宙的規模で数が違います。今はかなり良くなってきた、と上で書きましたが、あくまで少しずつにしかすぎないのです。
男性は気づかないのかもしれませんが、あらゆる場所で男性向けの配慮がなされているのですよ。「ここに女性向けがある!」と叫ばれてもそれは本当にまだまだ僅少なのです。
ネットでも一般でもあらゆる広告が男性向けに若い女性の写真・声で表現されます。私は女なのによしょっちゅう若い女性と思しき方から「寂しくないですか?ずっと待ってます」というメールが来るのですが(笑)レズビアンだという設定ではありませんよね。
エロ動画といえば若い女性のそれですし、しょっちゅう入る広告もイラストであれ写真であれ若い女性の水着的なものが占めていて若い男性のそれ、というのはほんとうに稀です。
女はものすごい歴史の中でずっと性的に扱われてきました。世界の範囲で勉強していけばその膨大さに押しつぶされます。

「女性向け男性性的表現に文句を言え」という言葉は世界の歴史における「男性向け女性の性的表現」の分量と「女性向け男性の性的表現」が同等になった時に使ってください。男性が女性から性的に見られることへの抑圧と女性が男性から性的に見られることの抑圧が歴史的に同等にならなければ意味をなさない言葉なのです。


写し出されている絵に対しての苦言と捉えている方、場所をわきまえて、と言ってるだけですってば。
シュナムルさんを差別主義だと言ってる方、場所をわきまえて、と言ってるだけですってば。
なんだかもう疲れてしまいますが、ツイートを見ますところ、ツイ主さんはあまり気になさらず次の話題へ移られているようなのでほっとしました。はっきり言ってひとりひとりに答えてもきっと判ってくれるようには思えませんし。
ただ、おまえたちは歴史の歯車に飲み込まれていくのさ。

時間が経ってこれらが一掃されたら、この「クソリプ」の方々は何と言うのかなあ、というのだけが楽しみです。
でもきっとずれた感想をお持ちになるだけでしょうからねえ。

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