さて、O氏の待ち合わせが無事に終わり、
ようやく本来の目的地へ向かうことになる。
ルートはこれまで走ってきた道の延長上で、たしかにそのまま先へ(内陸へ)進むこととなった。
おそらく10時半くらいだったろうと思う。
どんどん山並みが迫ってくる道だ。 対向車もあまりない。
午前11時。 平取 萱野茂記念館へ到着。
萱野茂氏は
このお方。
中にはたくさんの展示物が置かれ、1時間やそこらで見ることはできないと思った。 事実、時間が足りなかった。
アツシの糸・道具・作品・衣服・・・
思ったよりも太いオヒョウニレの撚り糸。 説明には 「ござ網用糸」 となっていた。
いつも作る3倍~5倍の太さはある。 これで織ったらさぞ丈夫な敷物ができるだろうと思った。
これらが昔ながらの道具一式だ。 右側の巻いたものができあがった反物。
縦糸の細さと横糸の細さがわかるだろうか。
それらが合わさって非常に目の積んだ反物が織りこまれていく。
中央の網目になったものは、かぎ針で編んだような細い袋状の織物。
たしか 「針入れ」 とプレートには書かれていたような気がする。
1階は萱野茂氏のコレクションらの展示、2階はそれらにまつわる展示。 実にたくさんの展示物があり、繰り返すがとても1時間の見学時間では無理だ。
・・・ こんなことやって遊んでるから時間がないのか? (笑)
で、どんだけでかいかというと ・・・
協力:W女史
1階から 「お~~い!! 置いてくぞ~!!」 とM氏の声。
まだ全然見てないのに。 写真撮っていると、『見る』 ことから離れてしまうのだ。
同じ 目 で見ていても脳への伝わり方が違うらしい。
・・・ 私の動くところって、なぜこんなにも時間が早く回るのだろう と本心で思った。 やりたい、見たいことは山ほどあるのに、どういうわけかいつもお尻に火が付いたように時が進んでいくのだ。
いずれまた、必ず訪れたいと決心しつつ、後ろ髪を思いっきり惹かれながら外へ出る。
すると外は外でまた惹かれるものがあるのだよ。(~_~;)
アイヌの家 『チセ』
隙間が開いている扉に引き寄せられるように近づいていく。
「中には何があるのだろう」
誰もがそう思うであろう空間だ。
アイヌの時代に陶器の便器って、あったのか??
先に出発したがんぼ車は、途中でガソリンを入れていこうと昨日目を付けて置いたスタンドへ入った。
140円台ばかりの中、130円ぽっきりのスタンドが途中にあったのだ。
ところがスタッフがいるにもかかわらず、ロープがかかっており、少し待っても開けてくれる気配はない。
時計を見ると8時半。一度は諦め出発しかけて少し前へ出た。
しかし、130円の価格はどうにももったいない。 この先そんな価格でガソリンを入れられるところはないだろうから。 そうこうしていたら、スタッフのおじさんがロープをはずしはじめた。
「あ、開いた!」 「入れてもらえるか聞いてみたら」
backで戻り、M氏が「俺が聞いてきてやる」 と車を降りた。
開店は9時からです! それ以前は入れません。
入れてくれたっていいじゃんか!
融通がきかないというか、結局それまで待てず諦めて出発。
今日のスケジュールで30分のロスはあまりにも大きすぎるからだ。
少し先へ進み、次のスタンドで給油。 142円だったか?
後続のK車とは離れて走る。 先ほど連絡したところ、まだ民宿前にいるとのことだった。
ところでこの後、同乗のO氏の都合により寄り道をすることになっていた(らしい)。
ところが先方との連絡がうまく連携が取れておらず、どこで待ち合わせるのか、何時に待ち合わせるのか、がどうもはっきりしない。
こちらは場所の把握もろくにできておらず、不安なところへ持ってきて、相手は携帯を持たない人で既に待ち合わせ場所へたってしまい連絡が取れない。
話を聞くと 「高速道路の降り口で待っている」 と言われたそうだが、こちらは 高速にはのっていない。
おまけにどこでどう道を間違ってしまったか、国道さえはずれ、火力発電所の近くを延々走ることになる。
ipad を使っているが、目的地が明確でありながらルートが不明なため、それを頼りにすると遠回り。
さらにO氏の道案内を重ねるとさらに混乱。
苫小牧市を通過し、国道から外れ、延々海沿いの港湾沿いを走り、めったにお目にかかることのない火力発電所のわきを走り続け、
ようやく鵡川に入って道の駅で、
待ち合わせに無関係で、快適に高速を走り続け、ストレスなく目的地を目指す後続 K車と
20分以上遅れて合流。
道の駅でトイレタイムと簡単にこれからの道筋を確認。 K車のメンバーは、がんぼ車を待つ間、ゆっくりと買い物を楽しんだそうだ。 こちらはそんな時間はない。
しかし、さらにここから隣町・富川(とみかわ)で先方と会うというのだが、果たして予定の場所にいるのやら予定の場所さえ本当にあっているのやらがわからない。
電話をかけて聞いてみる、と電話を入れても 自宅へかけるだけで既に出発してしまった本人には連絡が取れない。(携帯を持っていない)
「し尿処理場の駐車場で待ってるそうだ」 そういわれてもipad地図上に 「し尿処理場」 は表示されない。 遠軽と同様、田舎になればなるほど、地図情報は『道路のみ』の表示となっていく。 目印となるものは極端に減っていく。 もちろん[し尿処理場] の表示などない。 不安だらけで出発した。
次の目的地は平取町。
今、向かうO氏の知り合いとの待ち合わせ場所は、平取への延長上なので心配ないとはいうのだが、地理不案内というのは誠に不安なものだ。
約30分後。
後ろの席のO氏の誘導で、そして予定通りの平取町への行程で、O氏は相手と無事出会うことができ、荷物の交換と相成った。
とりあえず安心。 このまま会えずに延々走り続けるのかと思ったもの。(^_^;)
2日目。
午前6時。 昨夜は結局いつ眠りについたのかも覚えていない。爆睡したようだ。
隔離される原因となったいびきをかいたかもしれないが当然記憶にない。(笑)
昨日来たときにそうであったように、布団を2枚だたみにする。
そうしないと部屋は座る場所がないのだ。
4畳半の部屋に布団は既に敷かれ、座卓・テレビ・ストーブがあればもうそこは布団を踏みつけながら部屋の中を移動する格好になる。
子供のころから「布団を踏むな!」としつけられてきているので(笑)、やはり寝る時以外は片づけておきたいものだ。
同僚は朝風呂へ。
午前7時。
昨夜食事をした部屋で、みんなが顔を揃え朝食。
しいたけバター焼き、ホッケ塩焼き、しそ巻き、昆布煮、ささげの胡麻和え、地元名物 虎杖浜のもみじこ、漬物、ごはん、カニ爪のだしをきかせた味噌汁。
普段朝食もあまりとらないのに、なんと贅沢な、なんと量の多い。
この2日間で私はおそらく2㎏は太ったであろうと想像できる。(^_^;)
出されたものは残さない。 我が家の鉄則 (ウソツケ!) にならって、きれいに完食。
そのあとの車の運転が少々つらかった。 → 食べ過ぎによる胃の膨満感。
だって、ご飯一品だけでも普段の自分の量の倍はあるんだわ。(笑)
午前8時。
出発予定時刻となり、みんな外へ集合。
昨夜の夕飯時から、民宿回りに自生する野草や草花をもらって帰ると話が盛り上がっており、それらを積まにゃならんと皆忙しい。 「土が落ちる」 「袋はないか」 「水含ませないとしおれるかも」と
私はまったく興味がないのでカメラを持ってウロウロ。
ようやく積み込みが完了し、女将さんを交えて記念撮影。
機会があって道南へ来ることがあったら、必ずまた寄らせて頂きます。
お世話になりました。 とてもすてきな一晩でした。(*^^*)
午後6時前。
お風呂から上がって道具を部屋へ置き、カメラを持ち出した。
ミケ猫とモノクロ猫にあった。 とても慣れていて部屋にまで入ってくる。
写真を撮ったが、動いてぶれてしまった。
階下へ降りて、外へ出てみた。
国道沿いで郊外。 車の通りは結構激しく、またスピードが出ている。 ネコたちにとっては結構危険な場所だ。
壁にはお客さんからの「ありがとう」メールや写真がいっぱい貼ってあった。
その中に、ここに住むネコたちの紹介があった。
今3匹がこの民宿の住人であり、2匹の子の母ネコは数年前に目の前の道路で車に轢かれて死んだともあった。
1匹は民宿前に捨てられていた子だそうだ。
「ごはんだよ~」 と女将さんから声がかかる。
1階の、一番奥の男性陣の部屋の隣、12畳ほどあるだろうか。
そこが今日の夕げの部屋となっていた。
これが1人分。 すごいでしょ?
鮭とマイタケ、野菜のちゃんちゃん焼、イカのしゃぶしゃぶ、刺身4種盛り、松前漬け、卵豆腐、ホッキのサラダ、タラの煮つけ、ごはん、味噌汁。
名物はホッキ。 柔らかく癖がなく美味しかった~♪ 米も契約栽培の「あや」という品種を使っており、もちもちとした甘く美味しいご飯だった。 マイタケはM氏が事前に民宿へ送っていて、料理自慢のここのご主人が腕を振るってくれたという。 すべて手作りというのが自慢だそうだ。
中央が女将さん。 話が上手でお客さんを飽きさせない。
そしてくるくると本当によく動く。 見ていて気持ちいいくらいなのだ。
つい 「手伝いたい」 とこぼして、みんなに笑われた。 「今日くらいお客でいなさい。」と。
食事はみんなとってもおいしかった。 量的にかなり多かったのだが、残すなんてもったいない。出されたものをすべて食べつくし、 ・・・ 食べ過ぎた ・・・
9時くらいまで皆でワイワイ食事をしただろうか。
後片付けが始まったのでちょっとだけ手伝って、部屋に戻ってテレビをつけたら 「ミッションインポッシブル」 スパイ大作戦。
めったに見ないテレビをつけたら、ちょうど楽しめる番組にあたったようだ。
今日は楽しませてもらおう。
一人、小さな明かりの灯る露天に浸かり波の音を聞く。
遠くに漁火がいくつかまたたいていた。 う~ん。 いいなぁこの時間。 ← 話が前後したが このことを伝えたかったのだ。(笑)
午後5時半。 白老のアイヌ資料館ポロトコタンを後にする。
あとはこのまま宿泊する民宿500マイルさんへ向かう。。。。
とかいってるうちに白老の町ん中で迷子になるし。(^_^;)
またもやipad設定ミス。 民宿500マイルさんは虎杖浜(こじょうはま)。 なのに、がんぼ車はなぜか白老町市街をぐるぐるしながら「あれ~? ないねぇ??」
もう一台のK車へ連絡をとってもらい、「今どこぉ~??」 (笑)
市街地から海沿いを走る国道へ出、しばらく走って、待っていてくれたK車と合流。 いかにも自分はわかって走ってますみたいな顔して先を走る。(・。・; Kさん、すんません。
苫小牧市を通過し、北海道の南海岸線を登別へ向けて30分くらい走ったかねェ。
知らない土地を走るときは時間や距離がとても遠く長く感じるもの。
地図では「国道沿い。向かいにセイ○ーマート」
あぁ、あったあった。
ぞろぞろと荷物を抱え、入っていく8人のメンバーに、気さくな女将さんが部屋割りをしてくれる。
男性4人・女性5人のうち、1組がご夫婦。 残る男性3人で1階の1部屋。 女性4人で2人ずつ2階の部屋。
K奥様と同部屋になるはずだったが、K奥様は腰を痛めて欠席。
「いびきをかくらしいので迷惑かけるかも ・・(-_-;)」 ともらすと、女将さんが 「じゃぁ、あんたこっちの部屋ね!」
夫婦部屋、女性2人組部屋とは少し離れて、トイレ・洗面所をはさみ、離れた部屋に。
一人隔離状態か(笑)
でもまぁ逆に気兼ねせずともよい一人部屋となる♪
窓を開けると太平洋。 波の音が心地いい。
荷物を落ち着けて1Fへ下りて行ってみると、お風呂は女性が先! と何やら盛り上がっていて、 どうやら天然(手作り)露天風呂があるらしく、女性陣は男性よりも優先して貸切で入る! ということになったらしい。
お風呂はそこしかないと思っていたので、置いて行かれては困ると慌てて風呂道具を抱えて露天風呂へのドアを開けようとしたら・・・ 鍵かかってるし。
すると 「あ~ちょっと待ってよ~今あけるから~」
ドアが開き、目に飛び込んできたのはW奥様のすっぽんぽん。(*^^*) きゃ~♡
なんでいきなりすっぽんぽん?!とびっくりしたら、 ドアを開けると目の前は太平洋。 ガラスも仕切りも何もない。
足元には石と人工芝を敷き詰めた湯船があり、細い鉄管からは適度なお湯が絶えることなく注がれる。
驚いたが、素晴らしい光景だった。
普通なら、「お風呂」と書かれた扉を開くとそこは脱衣所で、さらに扉を開くと浴場で・・ だと思うのだ。
ところが廊下にある 「露天風呂」 と張り紙された室内ドアを押し開けたらいきなり太平洋なのだ。 (笑)
脱衣所といっても、先ほど入ってきたドアを閉めればもうそこは浴室。 数歩(5本の指で間に合う)歩けば湯船にドボンの状態だ。
洗い場に脱衣かごが置かれているという感じ。
W奥様は、湯船に入っていたところを私がガチャガチャやったので、「待ってよ~」と裸のまま開けに来てくれたのだ。
ざっと体を洗ってドボンと湯船に。 目の前に広がる海と波の音と、遠くに見える大型フェリー。 カモメがとんだ~♪
いいなぁ~・・ これだけでも今回の旅は来たかいがあるよ。
普段あまり旅行慣れしていない私で、民宿に泊まるというのは初めてだったが、この宿泊施設は最高だ。
もう薄暗くなったので露天風呂からの眺めは明日朝にでも写真を撮ろうと思っていたのに・・・ そのまま忘れてしまった。もったいない。
急がないと後には男性陣が控えている。 さっさと上がらないとね。
遠軽版第1号発行前日。 5*回目の誕生日の日。
北海道新聞に折り込まれたチラシです。
あぁ、もう悪い事はできない。(笑)
返本ではありません。(笑)
公開発送を翌日(8月26日)に控え、遠軽版最初の号が届いた日の写真です。
この後、遠軽てくばりの数か所へお届けしました。
自分で手をかけたデータが、きちんとした印刷物になった感動をかみしめながら撮った一枚。(*^^*)