有機化学にっき

気になった有機化学の論文や記事を紹介。

Chem Lett 2005, 910

2005-06-29 22:55:02 | 新着論文
Synthesis of tetrakis(2-furyl)methane

tetrakis(2-furyl)methaneの合成、またその前駆体であるtris(2-furyl)methylanionの反応。

ずいぶんと苦労した後がみられます。letterにも関わらず反応条件の最適化、観察などが記されきつい実験だったと思われます。
tris(2-furyl)methyl lithiumがかなり扱いにくいらしく、最後のフリル基の導入もエステルを導入したフリル基を用いたりと工夫しています。
Liだと反応性が高すぎるようですからZnやCuへトランスメタル化したらどうなるでしょう?
フランは1,4-ジケトン等価体ですから、酸化してアルドール縮合させてみると、どこで環をまくのか面白いかもしれません。酸化剤の等量でコントロールが効けフランを足がかりとして多環状ののライブラリーができそうです。アニオンを使っていますが、トリチルに対応するトリフリルカチオンはどのような反応性があるのでしょうか? 

花王 糖尿病性腎症患者の栄養指導においてジアシルグリセロール油の有効性を確認

2005-06-29 07:53:21 | 記事
花王株式会社(社長・尾崎元規)・ヘルスケア第1研究所は、糖尿病性腎症(高血糖状態が続くことにより、腎臓の機能が損なわれている)患者の栄養指導において、これまで日常の食生活で使用していた食用油(主成分:トリアシルグリセロール)をジアシルグリセロール油*に置き換えて、6ヵ月間使用することにより、腎機能の低下が抑制されることを明らかにしました。この作用は、体重と血中中性脂肪を減少する効果に加えて、ジアシルグリセロール油の新たな効果として見い出したものです。
 糖尿病性腎症患者における腎機能低下の抑制は、人工透析療法の導入を遅らせることを示唆しており、糖尿病患者に対する食事療法の素材の一つとして、ジアシルグリセロール油の有効性が期待されます。
以上花王のR&Dより http://www.kao.co.jp/corp/rd/topics/topics050624.html

ジアシルグリセロールの研究により花王は健康エコナなどトクホマークの多い商品を出しています。また、ヘルシア緑茶もこのジアシルグリセロールの研究の過程から生まれたそうです。
ジアシルグリセロールの効果すごいですね。
食いたいものを食って、健康にも気遣える、いい時代に生まれたものだと思います