有機化学にっき

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Angew Chem Int Ed 2005, 44, 3885

2005-06-21 08:38:52 | 新着論文
Axial ligand effects: Utilization of chiral sulfoxide additives for the indction of asymmetry in (salen)ruthenium(II) olefin cyclopropanation catalysts

salen-Ru錯体とキラルスルフォキシドを用いた触媒的不斉シクロプロパン化。
salen-Ru錯体の配位座に着目して、不斉スルフォキシドを配位子として添加することで不斉シクロプロパン化を進行。・・・読んだときはアプローチが非常に面白いと思ったのですが、文章としてまとめようとしたら、なんだ反応系中に不斉源つっこんだだけかいなという印象をうけました。Jacobsenも触媒を二つあわせた相乗効果を報告していますし、効率は悪いですが光反応では同様なアプローチといえるものがあったような気がします。反応機構解析では詳細にNMRを検討しています。salenの不斉とマッチ、ミスマッチなどを検討すればeeや一般性が上がるような気がしました。
恥ずかしい話ですが、salen錯体の不斉がどのように出ているのかついこの前までわかりませんでした。香月先生のTCIへの寄稿論文を読んでなるほどと納得しました。
http://www.tokyokasei.co.jp/kikou/bun/124dr.pdf