有機化学にっき

気になった有機化学の論文や記事を紹介。

Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 3579-3763.

2005-06-07 20:55:15 | 新着論文
Template syntesis of a coordinated tetracarbene ligand with crown ether topology

Pt(Ⅱ)を利用したカルベン配位子のマクロサイクル化。オルト位にアジドを有するPt-イソシアニド錯体からカルベン配位子へ誘導、続くDMFとの脱水によって連結しています。
カルベンの合成法、またその連結法として面白かったです。通常の安定カルベンの合成法しか知りませんでしたので、イソシアニド金属錯体の炭素上に5-endo-digで反応が進行することも驚きで、このように立体的に保護していない状態でも安定にカルベン錯体として扱えることも意外に思えました。
筆者らは架橋部位をsp2混成にしたり、テンプレートである金属を外す検討をしていると最後にのべています。今回合成したテトラカルベンPt錯体ではcolorless crystalですが、共役系として連結できればポルフィリン、フタロシアニンで行われている測定をするだけで面白いデータが出てきそうで、今後の展開が楽しみです。

Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 3706-3710

2005-06-07 12:31:16 | 新着論文
Direct Asymmetric α-Fluorination of Aldehydes

アルデヒドのアルファ位フルオロ化。Jorgensen,MacMillanと報告していますが、Barbas ⅢはEarly viewを見逃していました。同時期に3つのグループが同じアプローチで報告・・・見比べると特色があり面白いです。ネガデータを3グループの中では最も詳細に出していて、苦労がわかると同時にこういうアプローチもあるのかと勉強になります。イオン性液体まで使っていたのには驚きです。多少のコンディションの違いはありますが、NFSIをフッ素化剤に用い、触媒としては側鎖に水素結合を持たず立体的に大きいものがよい傾向にあるようです。

シャープ、世界最大の65型液晶テレビ

2005-06-07 07:36:54 | 記事
シャープは3日、世界最大サイズとなる65型液晶テレビ「AQUOS」の新製品を8月1日に発売すると発表した。液晶パネルは水平1920×1080画素と、ハイビジョン信号フォーマットをそのまま表示できる高精細度を実現。また、新たに4波長バックライトを開発することによって、赤色の再現性を大幅に高めた。同社は昨年夏に45型を市場投入しているが、プラズマテレビに匹敵する65型を追加して薄型テレビ市場における大画面ニーズに応える。(化学工業日報6/6)

シャープは、世界最大サイズ※1の65V※2型デジタルハイビジョン液晶テレビ“AQUOS
(アクオス)”<LC-65GE1>を発売いたします。
 デジタル放送などのハイビジョン信号フォーマット(1080i)をそのまま表示できるフルスペックハイビジョン液晶パネル<水平1,920×垂直1,080 画素>を採用し、迫力の65V※2型大画面で、お部屋の明るさにかかわらず他の映像システムを凌駕する美しい映像が楽しめます。しかも、高精細・低反射のASV液晶パネルならではの特長に加え、動画応答性を向上する「QS(Quick Shoot)技術」の搭載により、スポーツなど動きの速い動画も見やすくクッキリとした映像で再現します。
 さらに、青・緑・赤の波長に「深紅」を加えた「4波長バックライト」を新開発、ピュアな赤を忠実に再現します。また、音抜けの良い高開口率スピーカーシステムと、好評の「1ビットデジタルアンプ」の搭載により、解像度の高い自然でクリアなサウンドを実現しています。
 65V※2型の超大画面でありながら消費電力619Wと、同等クラスのプラズマディスプレイと比べて低消費電力、また、リサイクルに適した素材を採用するなど環境面にも充分に配慮しています。しかも大型サイズでありながら壁掛けもできるなど、様々な生活空間で液晶テレビの良さを体感いただけます。(シャープ HP プレスリリースより)

すごいですね。小柄な女の子なら等身大です。希望小売価格168万だそうです、家庭用でなく、業務に使うのならば安いのかもしれません。聞いた話では単純に大きくすればいいという問題ではなく、大きくすることに伴って生じる基盤、液晶ディスプレイの多層構造の歪みなど技術が必要とのことです。シャープのHPを見たところ、発光が深紅のバックライトとか、ノンハロゲン、クロムなどの環境負荷物質の廃止など代替物質に興味があります。どのような素材を使っているのでしょうか?各材料の性質を活かした次世代ディスプレイの成長は見ていて面白いです。