THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「三浦綾子 100の遺言」(入堂一博/いのちのことば社)

2010年04月24日 | Weblog
 本書は、「氷点」「塩狩峠」など“人間の原罪”をテーマにした作品を数多く残したクリスチャン作家・三浦綾子(享年77)の著作の中から、没後10年を経てもなお心に響いてくる100の言葉を選んだユニークな1冊です。
 戦争を体験し、青春時代から病と共に生きた三浦綾子さんは、「今日が私の命日になるかも知らない」といつも考えながら、1日1日の生かされた恵みを感謝しながら明るく前向きに過ごしていました。こうした中で生まれる彼女の言葉は、平和への遺言であり、また生きることへの遺言ともいえます。彼女は、私たち人間の原罪を赦しくださったイエス・キリストの存在を受け入れ、神様から授かったこの世における戦争がなくなることを願っていました。
 私は彼女の作品は「塩狩峠」くらいしか読んだことがありませんが、「不機嫌な顔をするのは罪」「毎日喜んで生きる」「一寸先は光」「この世の人間に無駄な者は誰一人いない」「日記をつける人生を」など本書を読んで彼女の考え方・生き方に強く共感しました。晩年の三浦綾子と親しく過ごした著者(牧師)のメッセージ(各編2ページで、左に著者による心温まるミニエッセイが添えられている)もわたしの心にしみこみました。


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