山里の暮らしに関する一考察

本州内の町で、人口密度が下から2番目の小さな町・宮城県七ヶ宿に所在する社内で最小の事業所、七ヶ宿林業所のブログです。

えー加減にしなはれ!

2012-03-19 12:24:01 | インポート
と言いながら、裏拳で空に突っ込みしたくなる山里の朝です。
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昨日は、雨上がりの靄が漂う春を感じさせる1日だったので
「もう雪は無いかな」と思っていたのですが
今朝はまた雪。「暑さ寒さも彼岸まで」とは言え
真冬的な雪の降り方で、除雪部隊は大慌てで出動していました。

一般的には、邪魔者になる雪ですが
林業の現場では、場合に応じて役立つこともあります。

素材(丸太)生産の現場では、
搬出路を確保出来ない水田脇の現場
大きめの石が多く搬出路の開設が難しい現場
履帯式(キャタピラ)の車両通行により
公共の林道を痛めてしまう可能性のある現場
などなど積雪期にしか出来ない或いは
やり難い作業現場があります。
我が社の現在取り組んでいる現場もその1つで
大型トレーラーが山林に横付けするのは難しく
公共の林道を林業機械で通行する必要があります。
カーブや登り勾配のある林道を
履帯式の車両で頻繁に通行すると
路面を掘り上げてしまうので
事業後に改修費が掛かってしまいます。
その点、雪を除排雪しないで、がっちり固めると
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こんなかんじで、路面が傷むことはありません。

しかしながら、この現場も間もなく終わるので
「もう降らなくていいよ」と空に祈るのでした。






そんなに弱くはない つづき

2012-03-18 11:24:51 | インポート
科学的な話ではないので少々アレなんですが、
私らの管轄する七ヶ宿社有林は総面積1500ha程で
その内、人工林は500ha弱という構成なので、
人工林が沢から尾根までを覆うという状態ではなく、
斑状に人工林があり、その間には二次性の天然林が存在します。

現在の林業、特に素材生産事業においては
作業道の設置が事業の成否の鍵を握るのですが、
うちの山に関しては、やや出遅れた為、
未だに路網の整備中で毎年2㎞程の作業道を開設しています。
作業道開設にあたっては、人工林が散在する状況から
人工林施業であっても天然林を通過することが結構な頻度であり、
針葉樹・広葉樹様々な樹種の支障木伐根を重機で除去しています。


そんな中で実感する強い根っこランキング1位は、
文句なしで天然性ケヤキなのですが、
それに僅差で迫る頑固な根の持ち主はスギの造林適地に植えられたカラマツ、
次いで天然アカマツ、適地のスギ(秋田出身)、ミズナラの古木という順番で、
世の中の人々が好きな天然ブナは上位5位に比べると
グッと簡単に掘り返すことが出来、根の強さでは遠く及びません。
 
また、王者ケヤキも直根は大したことなく、
周囲の側根を断ち切ると案外簡単にひっくり返せるので
カラマツ・天然アカマツ・裏系スギほど苦戦することはありません。
 
大深沢山林は表土の下に、風化しつつある花崗岩層があり
殆どの樹は主根を表土に這わせている感じなのですが
カラマツとスギは岩の割れ目に根をくい込ませているので
周囲を掘り取っても、抜いたり返したりすることが出来ない丈夫な根でうんざりします。
 また、天然アカマツは風当たりが強く
貧栄養な乾燥土壌の尾根部や急傾斜地で大きく枝を張った状態でそそり立っています。
この状態を維持できるのは、根が丈夫であるに他なりません。

私の乏しい経験則ではありますが、針葉樹(主要造林樹種)の
根は弱くはないと思いつつ、更につづくかな?



そんなに弱くは無い

2012-03-17 14:39:07 | 山里の
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何の話かというと、マツとかスギの根のことです。
山地で土砂災害があると、何かと人工林犯人説が流布されます。
確かに、手入れの遅れた過密林や造林不適地に植栽された林分等は、災害の誘発要因になっているのでしょうが、これらのことによってマツ、スギの根は浅く軟弱と決めつけるのには、違うんじゃないの?と思います。

最近我が県の新聞などで、津波によって失われた海岸防潮林の再造成に関する記事をチラホラ見掛けます。
大概がいのちを守る森の防潮堤推進東北協議会のイベントの様子や提言を掲げ、それに関する国・県側の方針を軽く触れる感じの記事です。

両者共に、瓦礫を埋設し堤体を設けることによって根の伸長を阻害する地下水を避け、根系の充実を図る。と言うところまでは同じなのですが、前者の方は宮脇理論で極相構成樹種の植栽で、行政側はクロマツ主体の植栽のようです。

 宮脇理論は乱暴に言うと、マツ・スギ・ヒノキ等の人工林やコナラ・クヌギ等の二次林は”ニセモノ”で極相林こそが本物の森。ニセモノの森は弱く人手が掛かる、本物の森は安定しているので強く人手も掛からない、だから地場(潜在的自然植生)にある極相構成樹種でスパッと原生林の様な森を作りましょう! 鎮守の森が理想形です。という感じだと思います。
 で、この先生はこのたびの防潮林再生にあたり「海岸防潮林が津波に負けたのは根の浅いクロマツだから、広葉樹は津波に耐えたから広葉樹を植えましょう」と仰っております。

 林業屋からすると「ニセモノって言われても、そもそも緑化するのが目的じゃなくて、木材生産が主目的なんだけど」と思ったり、「鎮守の森は大事な空間だから、成林に至るまでは随分人手を経ているんじゃないの?」と思いつつ、広葉樹を植えるのは良しとして、我々にとって愛しい針葉樹を貶める発言に心を痛めております。

つづくかな?



2tトラックは小さい2

2012-03-16 17:37:38 | インポート
伸び寸の付いた4m材だと、2tロングの荷台には
殆ど余裕が無いので、小丸太は揃えて積み込み
(アオリの中だけ)
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固定式グラップルは、雑な私が使うと
車に優しくないので、揺動式グラップルが好きです。

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揃ってないな…